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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第34章 ミーディアス王国侵攻編・出陣。
357/526

34-3 メリッサの帰還。

ルークが王都より戻った、翌日。

ルークは、メルディナより、メリッサから届いた最新の情報内容を読んでいた。

西方側は五つの都市があることが判明した。

軍事力もそこそこあり、約2万の軍勢があるとのことだ。

ただ、その内一つの都市は、酷いダメージを負っているとのことだった。

どうやら、ここで、皇太子が反抗していたようだ。

その皇太子だが、噂通り殺されていた。

内乱は既に終結しているとのことだった。

元より助ける気はさらさらないので、そこは気にしない。

それから、西方の2万の軍勢が王都に向かっているという情報が書いてあった。

どうやら、こちらの宣戦布告を受けて、防衛のため軍を集めた可能性がある。

敵も、ちゃんと備えているようだ。

それはそれで構わない。

これで王都ミルディアと南方を制圧した時点で、軍事力は無いに等しい状態となるからだ。

後は、王に降伏宣言を発表させれば、西方の貴族たちが降伏する可能性が髙くなる。

こちらの予定は変更する必要がなくなった。

となると、後は、メリッサの帰還を待つのみである。

来週には軍を動かすことになる。

それまでに戻るといいのだが。



翌日。

ルークが仕事をしている時だった。


「ルーク様、聞こえますか?」


「メリッサ殿ですか。」


「はい。」


メリッサからの“思念連結(コネクト)”であった。


「先ほど、都市ルクサスメリルに戻りました。

 これより、ルクサスメリル騎士団の隊舎に戻りたいと思います。」


「わかりました。

 後程、僕も隊舎へ向かいますので、その時はお願いします。」


「承知しました。」


思念連結(コネクト)”は切れた。

無事、メリッサは帰ってきた。

ルークは、仕事に集中するのだった。



午後。

ルークはルクサスメリル騎士団の隊舎に来ていた。

すると、隊舎からメリッサが出てきたのだ。


「ちょうどよかったですね。」


「はい、お待ちしておりました。」


「じゃ、団長の執務室に参りましょう。」


「わかりました。」


二人は、団長の執務室へと赴く。

ドアをノックし開けると、グレッグ団長がいた。


「おや、閣下にメリッサ殿。

 どうかされましたかな?」


「少し、話をしようと思いまして。」


「そういうことであれば、どうぞ。」


二人は中に入ると、椅子に座る。


「まず、メリッサ殿、情報収集ありがとうございました。

 ミーディアス王国はいかがでしたか?」


ルークがミーディアス王国の雰囲気について、問う。


「そうですね。

 内乱が収まったとはいえ、戦争に対して嫌悪する者が多かったですね。

 やはり、王族同士の争いだったため、

 民衆から双方支持されているわけではないですから。」


「なるほどね。

 ちなみに、各都市の状況はどうでしたか?

 やはり、傭兵や兵士が多かったのでしょうか?」


ルークは、細かい部分について聞いてみる。


「はい、兵士は多く行きかっていました。

 傭兵も多かったと思います。

 国民は不安がっているようでしたね。

 戦争が落ち着いたとはいっても、

 ルーニアが攻めてくるのでは?という噂が流れていましたからね。」


既に、ルーニアが攻めてくる噂が流れているようだ。

となると、国民は不安の真っただ中にあるということだった。

これは、早めに戦争を終結させる必要がありそうだ。


「ちなみに、ルーニアに関する噂って、攻めてくるのみでしたか?」


「うーん、そうですね。

 他にこれといった噂はなかったと思います。」


どうやら、いつ攻めてくるとかといった情報は出回っていないようだ。


「一つ気になっているのですが、西方から出陣した2万の軍勢は、

 今どこに展開しているかわかりますか?」


「確認してみます。」


メリッサは、“情報整理(オーガナイズ)”で確認する。


「王都ミルディアに展開していますね。

 動く気配はないようです。」


となると、東にも南にも動けるようにしているということになる。

これは、戦争をしながら、メリッサに随時確認してもらうしかないようだ。


「わかりました、ありがとうございます。」


ルークは、そう告げると、ショートソードを取り出す。


「これは?」


「これはメリッサ殿に渡すために持ってきました。

 魔剣です。

 さぁ、どうぞ。」


ルークはメリッサにショートソードを渡す。

メリッサは柄とかを見ながら、剣を引き抜く。

薄い紫がかった美しい刀身が、彼女の目に入る。


「綺麗な刀身ですね。」


『ありがとうございます。』


「えっ!?」


メリッサは、ルークを見やる。


「その魔剣の名は、ムーンライトと言います。

 その魔剣には意思があります。

 あなたとのみ、会話が可能です。」


ルークは、“思念連結(コネクト)”をムーンライトにつなぐ。


「ムーンライトよ、本日より、彼女があなたのマスターとなります。

 彼女に尽力してあげてください。」


『承知しました。

 ルーク様の言葉に従い、メリッサ様に仕えましょう。』


「ありがとう、ムーンライト。」


メリッサはお礼を述べる。


「メリッサ殿、この剣は魔剣です。

 戦争まで期間は短いですが、使いこなしてみてください。

 なお、一度僕が剣の強度を確認済みです。

 魔力を多く流しても、その魔剣はしっかり制御しますので、

 安心してください。」


「そのような魔剣を頂いてもよろしいのでしょうか?」


「構いませんよ。

 使い手あっての魔剣です。

 これをメリッサ殿が使いこなせると判断したので、あなたに渡したのです。

 よろしくお願いしますね。」


「承知しました。

 使いこなしてみせます。」


メリッサは、一礼する。


「それから、メリッサ殿には、戦争の間、僕の傍に仕えてもらいます。

 参謀という形で、情報収集に集中して頂きたいので。

 よろしいですね?」


「承知しました。」


ルークはうなずくと、立ち上がる。


「では、出陣まであとわずかですが、頼みます。」


「はっ!」


これにて、メリッサにも魔剣が渡された。

そして、メリッサの役割も決まった。

ルークは城に戻るのだった。

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