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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第34章 ミーディアス王国侵攻編・出陣。
354/526

34-1 会談。①

一週間が経過した。

ルークの日常は一向に変化はなかった。

戦争の準備は着々と進んでいる状況だ。

そんな中、クリシュナからの連絡が来なかった。

仔細を詰めるのがいつ頃になるのか、不明なままだった。

こちらから問うべきだろうか?

ルークはそう考えつつ、仕事をこなす。

そんな時だった。


「ルーク様、聞こえますか?」


「レヴィさん、聞こえますよ。」


レヴィより、“思念連結(コネクト)”が来たのだ。


「クリシュナ殿下がお呼びです。

 申し訳ありませんが、今すぐに来られますか?

 こちらでは既に、クロムワルツ侯爵を呼んでおります。」


「承知しました。

 では、今すぐに参ります。」


「はい、ではお願い致します。」


思念連結(コネクト)”は切れた。

随分急な呼び出しだった。

何かあったのだろうか?

クロムワルツ侯爵が既にいるようだし、急ぐとしよう。


「ルドルフ、王都に出かけます。

 コートを頼みます。」


ルドルフがうなずくと、メイドが素早く動き、執務室を退出していく。

ルークは戸棚に収めた箱三つを取り出し、袋に詰め込む。

そして、メイドを待つと、すぐにやってきた。

ルークにコートを着せてくれたのだ。

外出の準備は整った。


「馬車はいかがいたしましょう?」


「いや、急ぎだから、魔法で行きます。」


「承知しました。」


ルークは急ぎ、城を出るのだった。



ルークは“瞬間移動(テレポート)”で王都に到着後、王城を目指す。

今は、貴族の普段着の姿だった。

今日は公爵として入城することになる。

王城に到着すると、受付担当者に敬礼をされる。

ルークも敬礼を返すと、述べる。


「フェインブレイン公爵です。

 クリシュナ殿下に呼ばれて参上したのですが、

 取り次ぎをお願いできますでしょうか。」


「はい、少々お待ちください。」


受付担当者はすぐに動き出し、城の中へと消えていく。

数分後、戻ってきた。


「公爵閣下、クリシュナ様は応接室にてお待ちです。

 ご案内致します。」


「ありがとうございます。」


ルークは、応接室まで案内される。

応接室に入ると、クリシュナ、レヴィ、ベルガーに、クロムワルツ侯爵がいたのだ。

ルークが敬礼を行うと、全員敬礼を返す。


「ルーク、急ぎで呼んで済まない、座ってくれ。」


クリシュナは疲れているようだった。

ルークはコートを脱いでコートハンガーにかけた後、ソファーに腰掛ける。


「殿下、お疲れでは?」


ルークが気に掛けると、クリシュナは苦笑する。


「済まないな、風邪を引いてしまってな。

 ここ最近まで()せっていたんだ。」


「大丈夫ですか!?」


ルークは慌てるも、クリシュナは落ち着いていた。


「ああ、頭は大丈夫だ。

 戦争のことを考え過ぎてな。

 体のことをおろそかにしてしまった。」


ルークは心配するも、クリシュナは笑みを浮かべるのみだった。

魔法で何とかできるものならしたいところだが、風邪に効く魔法は存在しない。

魔法も便利とは限らないのだ。


「さて、全員揃った。

 戦争の話をしよう。

 詳細を詰めなくてはならないしな。」


クリシュナは、テーブルの上に、地図を広げる。

それは、ミーディアス王国の地図だった。


「まずは、ルーク、君の話を聞きたい。

 北方侵攻軍はどう攻める?」


「では、説明致します。」


ルークは、駒を借りて、東側の四つの都市に黒い駒を置く。

そして、自軍を示す、白い駒を東側に置く。


「我ら北方侵攻軍は、まず、この東側の四都市を落とします。

 情報では、この四都市の軍事力は1万程度。

 我らは2万の軍勢で進めますので、敵にもならないでしょう。

 各都市を落とし、兵を100名ほど置き、支配します。」


ルークは、四都市の黒い駒をどけていく。

そして、白い駒を王都に近づける。


「問題は、王都の兵力です。

 僕の密偵の調査では、最大4万の兵力があると見込んでいます。

 おそらくその内の半数程度が、こちらに差し向けられるでしょう。

 僕の見込みでは、2~3万程度の兵力が、

 こちらの防衛に使われると思われます。」


ルークは、黒い駒を王都から白い駒へと近づける。


「北方侵攻軍は、この防衛軍を壊滅する予定です。

 そのため、“軍団魔法(コープス)”を使い、圧倒するつもりです。

 壊滅後、王都に乗り込み、王を捕らえる予定になっています。」


「なるほどな、私と同じ考えのようだな。

 どの程度かかると見込んでいる?」


クリシュナが問う。


「各都市に移動するまでに、3日かかります。

 それから各都市を落とすのに、1日かけます。

 四都市全てを落とすのに、合計すると16日かかります。

 次に王都ですが、王都移動までに、3日。

 王都制圧を1日と見込んでいます。

 全ての日程を合わせると、20日となる予定です。」


「各都市を1日で落とすですと!!?

 早いですな・・・」


クロムワルツ侯爵が驚く。


「はい、僕が門を破壊すれば、済むことなので。

 後は、騎士たちを内部に派遣し、抑え込めば、1日で制圧可能です。」


「なんと!!?

 ルーク様が、門を破壊するとは、いやはや・・・」


クロムワルツ侯爵は驚くばかりだった。


「となると、ルークの率いる北方侵攻軍のほうが、

 王都に早く到着することになりそうだな。

 いや、それで問題ない。

 ルークならば、未だ謎の魔法騎士を倒してくれるだろうからな。」


魔法騎士のことが出たので、ルークは聞いてみることにする。


「敵の魔法騎士について、何かつかめたんですか?」


答えたのはレヴィだった。


「いえ、何もつかめておりません。

 今回の内乱にも出陣していませんでした。」


「済まないが、ルークに任せることになりそうだ。」


クリシュナはそう述べるにとどめた。

ルークは納得したのか、うなずくのであった。

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