33-1 メリッサからの報告内容。
翌日。
ルークが仕事中に、ドアがノックされる。
ルドルフが応対した後、声をかけられる。
「ルーク様、メルディナ殿がいらっしゃっております。」
「通して上げてください。」
ルークは仕事を中断し、ソファへと移動する。
メルディナは執務室へ入るや、一礼する。
そして、ルークの対面のソファに座る。
「どのような用件でしょうか?」
「はい、メリッサ殿からの報告書をお届けに参りました。
ルーク様不在の分も含めてあります。」
「ありがとうございます。」
ルークは、複数枚の報告書を受け取る。
日付順に並んでいたので、まずは上から順に読んでいく。
どうやら、現在は、ミーディアス王国の王都ミルディアにいるようだ。
各都市の軍事力の状況や、政務状況なども書かれている。
かなり細かいことまで調べ上げたようだ。
さすが、メリッサである。
調べた内容を精査する。
まず、都市ルクサスメリルから王都ミルディアまでの間には、四つの都市が存在することが分かった。
各都市の軍事力はかなり少ない状況で、合計してようやく1万程度であった。
これならば、四都市はそこまで苦労せずに落とせる計算だった。
次に王都ミルディアだが、どうやら、七つの騎士団を備えているようだ。
合わせて4万の軍勢を繰り出せるようだ。
ただ、今は、ほとんどが出払っている状況だった。
メリッサの報告書にもあるが、王都の軍勢は、皇太子派の討伐のため、動いているようだ。
皇太子派は西に逃げ延び、そこで戦いを行っているようだ。
メリッサの報告書には、今現在も、皇太子派は戦っている状況とのことだ。
より詳しい情報は、メリッサが西側に流れないと、わからないだろう。
あと、気になる報告があった。
王都には魔法騎士が存在しているようだ。
しかも数名いるそうだ。
数は少ない模様だが、どの程度の実力なのかは不明とある。
後々、対決することになるだろうな。
強敵もいることが判明した。
メリッサの情報を元に、マクドフェルド伯爵とも相談する必要がありそうだ。
「メルディナ殿、ありがとうございます。
かなり有用な情報です。
うまくまとめてくださいましたね。」
「いえ、私は、メリッサ殿の言葉を紙に書いただけにすぎません。
彼女がきちんと纏めて、私に説明してくださいましたので。」
メリッサは、報告も上手なようだ。
「では、引き続き、お願い致します。」
「はい、承知致しましたわ。」
メルディナは一礼し、執務室を去って行った。
ルークは再度、報告書に目を通す。
目下の脅威は、王都ミルディアの大軍といったところだろうか。
メリッサが南側に向かった模様なので、西側の情報はしばらく手に入らない見込みだ。
それでも、王都までの情報が手に入ったので、これは有用できそうだ。
ルークは、全て暗記するように、何度も見返すことにするのだった。
暗記できた後、再び仕事に戻るのだった。