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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第32章 近衛師団に教官を依頼されました。
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33-8 お祝い。

その日の夕方。

夕食時、ルークはミレーナとミシェリに質問した。


「ところで、お祝いの品はいつ届けますか?」


ミレーナとミシェリは考える。

だが、すぐには答えは出ないようだ。

少し経ってから、ミレーナが返答するのだ。


「・・・明日とかどうかな?

 ダメ?」


ミレーナの問いに、ルークは考えるまでもなくうなずく。


「わかりました、明日ですね。

 明日の午後でいいですか?」


「うん、いいけど、荷物はどうやって運ぶの?」


「そうですね、執事二名に運んでもらいましょうか。」


「そうか、その手があったわね。

 で、馬車で移動するの?」


「まさか。

 “瞬間移動(テレポート)”で移動しますよ。」


ルークは初めから馬車で移動することは考えていなかった。


「わかったわ。

 じゃ、明日午後ね。」


ミレーナもミシェリも納得したようだ。

ルークは、ルドルフに二人の執事の手配をお願いする。

明日の午後、出発するのであった。



翌日、午後。

荷物を持った執事二名と、ルーク、ミレーナ、ミシェリが揃った。

ミレーナとミシェリは、簡素なドレスを着ていた。

いつものドレスより、動きやすいようだ。


「いつものドレスでもいいのに、何故、そのドレスを?」


「うん?

 サーシャ姉さまは派手な格好は好きじゃないからね。

 簡素なものにしてみたの。

 それに、正式な訪問ってわけじゃないし。」


「なるほど。

 そうですね、今日は遊びに行くといった感覚でしょうか。」


「そうね。」


ともかく、そろそろ出発しよう。


「では、僕に触れてくださいね。」


ミレーナとミシェリは、何故かルークのそれぞれの手を握り、手を繋いだ状態となる。

執事二名は、ルークの肩に触れる。


「“瞬間移動(テレポート)”!!!」


五人は、城外門へと飛ぶのだった。



城外門を出た後、王都へと飛び、王都内部に入ると、今度はミルドベルゼ子爵の屋敷まで飛んだ。

計三回、“瞬間移動(テレポート)”を使ったのだが、皆平気そうだった。

そして、ミルドベルゼ子爵の屋敷のドアをミレーナが開けた。


「ちょ、ミレーナ、一応、貴族の屋敷ですよ!

 自分の家ではないのですから!

 まずは、ノックしませんと!!」


ルークの言葉に、ミレーナも思い出す。


「あ、そうだった!?

 つい、いつもの癖で・・・」


「開けてしまったのなら仕方ありません。

 声をかけてみましょう。」


ということで、声をかけようとしたら、メイドさんに覗かれていた。


「あの、ルーク様にお嬢様?」


「はい、そうです。

 あの、サーシャさんはいらっしゃいますか?」


ルークは気を取り直して、用件を伝える。


「はい、奥様はいらっしゃいますよ。

 今、お伝えしてまいりますね。」


こうして、メイドは奥へと消えていった。

数分後、メイドは戻ってきた。


「では、応接室へどうぞ。」


ということで、全員で応接室へと移動するのだった。



応接室には、サーシャが既に待っていた。


「サーシャ姉さま!」


「姉様!」


「あらあら。」


サーシャは、ミレーナとミシェリを見て笑顔になる。

そして、二人はサーシャを囲むように、ソファに座ったのだ。

ルークは対面側に座り、背後に執事たちが控えた。


「今日はどうしたんですか?」


サーシャは嬉しそうに、問う。


「姉さまにお祝いの品をもってきました。

 役に立ちそうなものを持って来たんですよ。」


ミレーナがそう言うと、早速執事たちが動く。

まずは、タオルを取り出し、ミレーナに渡す。

ミレーナは、サーシャに渡すと、サーシャは感触を楽しむ。


「まぁ、これは、とても柔らかいタオルなのね。」


「はい、子供が生まれた時、子供を拭くのに使ってくださいね。

 柔らかいタオルは、子供の肌触りにもいいそうですよ。」


「ありがとう、ミレーナさん。」


そして、もう一つの袋に入っていたものを取り出す。

それは幼児向けの木のおもちゃだった。


「こちらは、幼児向けのおもちゃです。

 誤飲とかしないように、大きなおもちゃを選びました。」


ミシェリの説明に、サーシャは嬉しそうだ。


「まぁ、ありがとう、ミシェリ。

 子供もきっと喜ぶわ。」


サーシャは笑顔で、ミシェリの頭を撫でてあげる。

これには、ミシェリも嬉しそうだった。


「ルーク様、わざわざのお気遣い、ありがとうございます。」


サーシャはそう言って、頭を下げる。


「いえ、これくらいは大したことではないですよ。

 それに、言い出したのはこの二人です。

 僕は、何もしていませんよ。」


「なによ、ルーク様だってお金払ってくれたり、

 ここに連れて来てくれたじゃない?」


「そんなことはないですよ。

 これも、ルーク様のおかげなんですから。」


ミレーナとミシェリにそう言われると、ルークも困る。


「うふふ。

 今度、ミレーナさんとミシェリに子供が出来た時は、

 お返しさせてもらいますね。」


サーシャはそう言って、笑顔になるのだった。



五人は夕食の前に引き返すことにした。

元より長居するつもりはなかったのだ。

簡単に挨拶を済ませ、ルーク達はミルドベルゼ子爵の屋敷を後にした。


「姉さま、幸せそうだったな・・・」


「そうですね、私たちも頑張らないと。」


何を頑張るのだろうか?

そういえば、レイヴンは不在だった。

仕事で遅くなるそうだ。

まぁ、また今度会えばいいだろう。

夕食会は、きっと賑やかになるだろうなと思いつつ、ルークたちは都市ルクサスメリルへと帰還するのだった。

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