33-7 ミレーナ&ミシェリと買い物。
翌日、午後。
ルークは、メイドに執事服を着せられた。
「よくお似合いです。」
ルドルフに褒められる。
着心地は悪くないのだが、執事にみえているだろうか?
ということで、早速城の前で待つことにした。
馬車は二台用意してある。
一台は、乗車用。
二台目は、荷物用である。
ルークが待つことしばし、ミレーナとミシェリがやってきたのだ。
「ルーク様・・・!?
似合っていますよ。」
「はい、とっても似合ってますよ。」
ミレーナは驚いていたが、ミシェリは普通に褒めてくれた。
「今日は執事ですから、執事として扱ってくださいね。」
「でも、名前なんとかしないと。」
あ、そうか。
「じゃ、ルードとでもお呼びください。」
「ルードね、了解。」
こうして、ミレーナとミシェリと共に馬車に乗り込み、城下町へと移動していくのだった。
城下町に到着すると、馬車の停泊所にて一旦止める。
そして、馬車を降りる。
ルークは二人に手を差し出し、降りるのを手伝う。
さて、商店街に到着したわけだが、どこから行くのかな?
「まずは、布屋ね。」
「承知しました。」
ルークは執事らしく振る舞うと、ミレーナに笑われた。
一応、執事なんだけどね。
布屋に入ると、ミレーナとミシェリは早速、タオルを探し始める。
店員さんに聞いて、タオルを見つけた後、触りごごちなんかも調べていた。
数十分後、購入するものが決まったようだ。
大きな箱に入ったタオルを購入するようだ。
「じゃ、支払いをお願いね。」
「承知しました。」
ルークはふところから、袋を取り出す。
「おいくらでしょうか?」
「はい、金貨10枚になります。」
なかなか高額なタオルを購入したようだ。
しかも、たくさん。
ルークは袋より金貨10枚を取り出し、支払う。
支払い終わった後、箱を持って一旦馬車に戻り、馬車の中に荷物を詰め込んだ。
「次、行くわよ!」
「承知しました。」
次はおもちゃ屋のようだ。
ちなみに、商店街には、民衆が多くいる。
ルークは一切気が付かれていなかった。
どうやら、執事にしか見えていないようだ。
これは、これでいいかもしれない。
おもちゃ屋に入った二人を待つことになるのだが、隣は武器屋だった。
そこで、ルークはとある武器を見つける
それは、安売りコーナーにあった、ショートソードだった。
しかも、魔力を持っているのが一本あったのだ。
だが、店主は気付いていないようだ。
ルークは、ショートソードを手に取る。
刃先は、かなり欠けており、ボロボロだった。
鍛冶師にでも直してもらわないと、扱えない代物だった。
だが、これは復活できそうだ。
ルークは、ショートソードを購入した。
銅貨10枚だった。
完全に叩き売りだった。
ボロボロのショートソードは、布でくるみ、目立たないようにした。
さて、おもちゃ屋の様子を見る。
未だ、二人は悩んでいるようだ。
これはしばらくかかるかな、と思いつつ待つことにしたのだった。
一時間後、ようやく決まったのか、呼び出されたのだ。
「ルード、支払い、よろしくね。」
「承知しました。」
ルークは、懐から袋を取り出す。
「おいくらでしょうか?」
「銀貨10枚です。」
ルークは銀貨を10枚取り出し、店主に支払う。
そして、荷物を手に外に出る。
荷物自体は非常に軽いが、箱が大きめであった。
「さて、買い物はこんなところかな。
何か、お土産買っていこうか?」
「甘いものがいいですね。」
ミレーナとミシェリは、甘いものを買うようだ。
しかも、お土産か。
ということで、ルークは荷物を片手に、ミレーナとミシェリの買い物に付き合うのだった。
二人は、ケーキ店に入ると、シュークリームをたくさん購入することにした。
ルークは荷物を持った状態で店内に入り、お金を支払う。
これで、買い物は終了だった。
「じゃ、帰りましょ。」
ミレーナの言葉に、ミシェリがうなずく。
ルークもうなずき、三人は馬車まで移動するのだった。
馬車の停泊所に到着すると、荷物を馬車に乗せる。
そして、ミレーナ達も馬車に乗り込むと、城に向かって動き出す。
「ルーク様、それは何?」
ミシェリが、布に包まった物に気が付く。
「これは、壊れたショートソードです。
ただし、魔力を持っています。
ちょっとした掘り出し物だったので、購入してきました。」
「何に使うの?」
ミレーナが聞く。
「そうですね、修復して騎士団の方にでも渡そうかと。」
「修復できるの?」
「えぇ、普通の魔剣であれば、修復はできますよ。」
「それは凄いですね。」
ミシェリが褒めてくれる。
ミレーナはあまり興味はなさそうだ。
「魔剣と呼ばれる武器は少ないですからね。
修復できる力があるので、修復してあげないと。」
「武器にも命があるんですね。」
「まぁ、そうですね。」
ミシェリは興味をもったようだが、これはミシェリに渡す予定はない。
ミシェリは魔導士ではあるが、剣士ではないのだ。
このショートソードは、メリッサに渡す予定だった。
おそらく彼女ならば、使いこなせると判断したのだ。
とりあえず、まずは修復してあげないと。
そんなことを考えているうちに、城に到着した。
荷物を降ろそうとしたところ、執事やメイドたちに止められてしまった。
これくらい、いいんじゃないと思ったが、一応城主なのだ。
仕事は、執事やメイドに譲ろう。
そんなわけで、サーシャへの祝いの品は用意できた。
後は、行って渡すのみであった。