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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第32章 近衛師団に教官を依頼されました。
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33-4 王都へ。②

夕方。

訓練が終わり、皆、隊舎へと戻っていく。

ルークは、“思念連結(コネクト)”で、レイヴンに連絡を取ってみることにした。


「ん?ルークか?」


「お久しぶりです、レイヴン。」


どうやら、つながったようだ。


「あぁ、久しぶりだな。

 どうしたんだ?」


「実は今王都にいまして。

 お願いがあるんですが、一週間ほど泊めてもらってもいいですか?」


「あぁ、構わんとも。」


レイヴンは即答だった。


「じゃ、今から向かいますね。」


「あぁ、すぐに来い。

 夕食の準備をしているから、夕食もごちそうしよう。」


レイヴンはそう言ってくれたので、ルークは言葉に甘えることにした。


「では、失礼しますね。」


ルークは、“思念連結(コネクト)”を解除し、“瞬間移動(テレポート)”にてミルドベルゼ子爵の屋敷へと転移する。

屋敷前に到着すると、そこには、ポールがいたのだ。

突然、ルークが目の前に出現したので、驚いていた。


「これは、ルーク様!?

 驚きました、突然現れたので。」


「ポールさん、お久しぶりです。

 レイヴンはいますか?」


「無論、おりますとも。

 ささ、中へどうぞ。

 食堂に案内しましょう。」


ルークはポールに案内されて、食堂へと移動した。



「すぐに来たのだな。

 ようこそ、ルーク。」


食堂に到着すると、レイヴンとサーシャが待っていたのだ。


「お久しぶりです、レイヴンにサーシャさん。」


「さ、食事にしよう。

 座るといい。」


ルークが座ると早速、食事が運ばれてくる。

ルークは、のんびりと食事を楽しむのだった。



「さて、色々聞かせてもらおうか。」


三人は応接室へ移動すると、レイヴンがそう言った。


「まずは、王都にいる理由から説明しましょうか?」


「そうだな、まずは聞かせて欲しい。」


「実は、近衛師団の団長ベルガ―さんの依頼で、

 一週間ほど近衛師団の訓練の教官を務めることになりました。」


「なるほどな。

 となると、戦争が近いということかな?」


レイヴンは鋭かった。


「その通りです。

 ミーディアス王国の件で、陛下が動く可能性が髙いとのことです。」


「やはりそうか。

 いずれ動くとは思っていたが、そろそろ動かれるか。

 となると、近衛師団だけではないのだろう?」


「そうですね、聞いた話では、

 クロムワルツ侯爵を中心に軍編成される見込みだとか。

 およそ3万の軍勢を形成し、南から攻め込むそうです。」


「となると、君は北から攻めるつもりなのか?」


「おそらく、そうなると思います。

 一応、フェイブレイン家は前線にいますからね。

 でも、僕のところは、およそ2万の軍勢しか動かせないですけどね。」


2万の軍勢は決して少ないというわけではない。

だが、敵の総勢がどの程度かわからない以上、不足と捉えても仕方ないのだ。


「まぁ、君が前線に立てば、負け戦はないだろうな。

 君は、皇国最強の騎士だ。

 それに、ラインクルド王国の件、聞いたぞ。

 君は軍を率いて、かなりの活躍をしたそうじゃないか。

 君ならば、2万の軍勢すらもうまく使ってみせるのではないかな?」


どうやら、レイヴンはラインクルド王国の件を、どこかから聞きだしたようだ。

それを知る以上、ルークが軍略に長けた騎士であると、受け取っても仕方なかった。


「そんなに、大したことはしたつもりはないのですが・・・」


「そうかな?

 君はたった2万の軍勢で、3万の軍勢を壊滅させたそうじゃないか。

 しかも、“軍団魔法(コープス)”のみで対抗したとか。

 普通に考えれば、そんな簡単にできることではないぞ。」


どうやら、使った魔法までバレているようだ。


「ホント、何でも知っているんですね。

 さすが、耳が早い。」


だが、レイヴンは笑うのみである。


「これくらいは、私の情報網にすぐに引っかかるさ。

 だが、クロムワルツ侯爵は更に早いからな。

 今頃、君の活躍を喜んでいることだろうな。」


確かに、それはありうることだった。

クロムワルツ侯爵は情報通で有名だ。

どこで知ったのか、ルークの噂や内政のことなんか全て知っているのだ。

たぶん、街道の件も既に知っているだろう。


「ちなみに、レイヴンも戦争になれば動くのですか?」


ルークは念のため、聞いてみることにする。


「そうだな、動くだろうな。

 一応、2千の兵を預かる身だからな。

 それに、ミーディアス王国を滅ぼせば、出世のチャンスがある。

 伯爵になれば、サーシャを城に住まわせることも可能だしな。」


レイヴンはそんなことを言って見せる。


「私のためだけではないでしょ?

 お腹の中の子のためでもあるでしょう?」


サーシャは、レイヴンに突っ込みをいれる。

お腹の中の子・・・?


「えっと、お腹の中の子とは一体・・・?」


ルークは、サーシャに質問していた。


「はい、子供ができました。

 来年の秋には、出産予定なんですよ。」


サーシャはにっこりとした笑みで答える。


「それは、おめでとうございます。

 これは、ミレーナとミシェリにお知らせしないと。」


「ありがとうございます、ルーク様。

 旦那様も、この子のために、頑張ってくださっているんですよ。」


サーシャはにこにこしながら答える。


「子供が出来たのだ、ここで頑張らなくてどうする。」


レイヴンは嬉しそうな表情をしていた。


「今度、ミレーナとミシェリを連れてきますね。

 二人はきっと喜びますよ。」


ルークがそう言うと、サーシャは嬉しそうに笑う。


「はい、楽しみにしてますね。」


「ついでだ、ミレーナの花嫁修業の状況も聞くとしよう。」


レイヴンはいじわるだった。


「ミレーナですか?

 最近、お茶会をしたのですが、お茶がとてもおいしかったですよ。

 それに、ケーキも作れるようになっていましたよ。」


「ほぉ、それは楽しみだな。」


レイヴンは、嬉しそうに笑うのだった。



こうして雑談が進み、すっかり夜遅くなるのだった。

ルークは広い客室に、一泊させてもらうのだった。

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