表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第32章 近衛師団に教官を依頼されました。
336/526

32-2 魔剣を授与する。②

午後。

ルークは二本の魔剣を手にして、ルクサスメリル騎士団の隊舎へと向かった。

到着すると、早速、団長の執務室へと向かう。

そこで、グレッグ団長と会う。


「連日、どうかされましたか?」


「うん、いや大したことではないんだけど、

 クロウ殿とゼルディア殿に用件があってね。

 この魔剣を二人に渡そうと思ったんだよ。」


「魔剣ですと!?」


グレッグは驚く。


「戦争が近いと知ったら、早めに使いこなしてもらう必要があると思ったからね。

 ということで、二人を呼び出してもらえますか?」


「わかりました。

 二人は、訓練場にいるはずです。

 外に参りますか?」


「では、そうしましょう。」


ルークとグレッグは、訓練場に出た。

そして、騎士に依頼し、二人を呼び出してもらう。

二人は、すぐにやってきた。

ルークを見るや、敬礼を行う。

ルークも敬礼を返す。


「閣下、何か御用でしょうか?」


クロウが代表して質問する。


「実は、二人に、魔剣を授けたいと思います。」


ルークは、二つの魔剣を見せる。


「我らにですか?」


ゼルディアは驚く。


「えぇ、二人ならば、使いこなせると判断したのです。

 ということで、ちょっと待ってくださいね。」


ルークは、グラスフィアを引き抜き、かざす。

これにより、相性を確認するのだ。

ルークの予想通りであれば、二本の剣は、二人と相性がいいと判断できたのだ。

ただ、どっちがどっちかまでは判断に至っていない。

そこで、現場で確認することにしたのだ。

グラスフィアを二人の前でかざすことにより、相性診断ができるのだ。

すると、クロウと相性がいいことがわかった。

一旦、グラスフィアを鞘に納め、次に、ディルンウィンを引き抜く。

そして、剣をかざす。

すると、ゼルディアと相性がいいことがわかった。

ちょうどよかった。

ディルンウィンを鞘に納めると、二本の剣をそれぞれ、二人に渡す。

クロウには、グラスフィアを。

ゼルディアには、ディルンウィンを。

そして、二本の剣に“思念連結(コネクト)”を行う。


「まずは、クロウ殿、抜いてみてください。」


「はい、わかりました。」


クロウは、剣を引き抜き、その美しさに驚く。

華美に装飾が施されてはいたが、どこか気品のある美しい剣だったのだ。


「これは、美しい剣ですね・・・」


『ありがとうございます。

 クロウ殿。』


「!?

 な、なんだ??」


突然の声に、クロウが驚く。


「説明し忘れていました。

 その剣には意思があります。

 無論、ゼルディア殿の剣にもね。」


「この剣に意思が!?」


ゼルディアも、剣を見ながら驚く。

ルークは、“思念連結(コネクト)”を通じて、グラスフィアに話しかける。


「グラスフィアよ、おまえは本日より、このクロウ殿の剣となりなさい。

 クロウ殿を、マスターとしなさい。

 いいですね?」


『承知しました。

 ルーク様のご命令により、クロウ殿をマスターと認定します。

 以後、よろしくお願いします、マスター。』


「お、おう。

 よろしくお願いします。」


クロウは驚きつつも、了承する。


「クロウ殿、その剣の名は、『グラスフィア』と言います。

 その剣の属性は、水です。

 あなたと相性が非常にいいので、使いこなしてみせてください。

 もし、この剣を使いこなせた場合、あなたは近衛師団の騎士に負けぬほどの

 実力を手に入れる事でしょう。」


クロウは剣を見つつ、ルークの話を聞いていた。


「近衛師団の騎士に負けぬほどの実力・・・!?

 わかりました、必ずや、使いこなしてみせましょう!!」


クロウは、宣言した。

それに、ルークはうなずくのだった。



次は、ゼルディアの番だった。


「では、ゼルディア殿、抜いてみてください。」


「・・・はっ!」


ゼルディアは、ゆっくりと剣を抜き取る。

青い刃先をした変わった剣だった。

だが、非常に美しい剣でもあった。


「これが、魔剣なのか!?」


ゼルディアはその美しさに魅了された。


『あなたが新たなるマスターですか?』


その声に、ゼルディアは驚く。


「剣がしゃべったのか!?

 これが、意思を持つということか。」


ゼルディアは納得したのか、うなずいたのだ。

ルークは“思念連結(コネクト)”にて、ディルンウィンに声をかける。


「ディルンウィン、本日より、ゼルディア殿があなたのマスターとなります。

 良いですね?」


『承知しました、ルーク様。

 ゼルディア殿、あなたをマスターと認めます。』


「あぁ、こちらこそ頼む、ディルンウィン。」


ゼルディアは、大きくうなずく。


「ゼルディア殿、その剣は名は、ディルンウィンと言います。

 もう、覚えたようですね?

 属性は、風です。

 グラスフィア同様、強い魔力を秘めた剣です。

 あなたならば使いこなせるでしょう。」


ゼルディアは、ルークにひざまずき、宣言する。


「はっ、このゼルディア、必ずや、ディルンウィンを使いこなしてみせます。

 この魔剣、ありがたく頂きます。」


「では、よろしくお願いしますね。」


こうして、二本の魔剣は、二人の騎士にわたるのだった。



「さて、一ついい事を教えます。

 クロウ殿は魔力が無いため、その剣の魔力に頼ることになりますが、

 剣は戦い方を知っています。

 つまり、その扱い方をしっかり覚えることが重要です。

 魔剣は、ただの補助的な役割ではないので、その点は注意してくださいね。

 例えば・・・」


ルークはそう告げた後、腰に差していたレーヴァテインを引き抜く。


「こんなこともできます。」


レーヴァテインに魔力を流した瞬間、剣に炎が宿る!


「「なっ!?」」


「更に使いこなせるようになれば、ここまで可能です。

 “炎帝”!」


瞬間、ルークの周囲を炎が出現する。


「この炎は、僕を守護する力を持っています。

 僕は、この剣の力を最大限まで引き出すことができます。

 この力の使い方は、この剣に学んだことです。

 よって、剣に使い方を教わってくださいね。」


ルークは、“炎帝”を解除し、レーヴァテインを収める。

クロウもゼルディアも驚くばかりだった。


「閣下、使いこなせば、閣下のように、力を解放できるのですか?」


クロウの質問に、ルークはうなずく。


「はい、ただ、先にも申し上げた通り、クロウ殿は魔力がありません。

 ですから、最大限まで力を引き出すことは難しいと思いますが、

 それでも人間に対しては十分すぎるくらいの力の解放は見込めます。

 そこまで、使いこなしてみせてください。」


「了解しました。

 お任せください!!」


クロウは力強く答える。


「次に、ゼルディア殿ですが、あなたは魔力を持っています。

 その魔力があれば、剣の力を最大限まで引き出すことは可能です。

 かなり強い力を誇りますので、使いこなしてみてください。」


「承知しました。

 必ずや、使いこなして見せましょう。」


ゼルディアも力強くうなずく。


「では、その二本、二人に預けます。

 任せましたよ。」


「「はっ!!」」


二人は敬礼してみせるのであった。



こうして、二本の魔剣は主を得るのであった。

二人は、後々、この魔剣を使いこなすことになるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ