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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第31章 色々強化に取り組んでみた。
327/526

31-3 街道を整備しよう。

翌日。

ルークは仕事を終えると、お金の準備を始める。

金貨を詰めた小袋を一つ用意する。

次に、その小袋のコピーを複数創り出す。

次に中くらいの袋に、小袋の金貨を詰めていく。

中くらいの袋が縛れる程度まで金貨を詰めると、次に中くらいの袋を複数コピーして創り出す。

そして、大きな袋に金貨を移していく。

そして、大きな袋の口を縛り、また複数コピーを創り出す。

およそ、一袋金貨4000枚くらい創って見せたのだ。


「よし、予算はこれくらいあればいいだろう。」


ルークは金貨の入った大きな袋を一つ背負うと、政務官のいる執務室へと移動していく。

とりあえず、一袋だけもっていくことにしたのだった。



執務室に到着すると、ガイマンが出迎えた。


「ルーク様、その袋は?」


「金貨です、この袋に4000枚の金貨が入ってます。」


「は、はい!?」


ガイマンは驚き固まる。

金貨4000枚は、公爵領の一年の税収より多かったからだ。


「これで、例の街道の件、進めて欲しいのです。」


実は、ルークの提案の一つに、街道整備というものがあったのだ。

だが、予算が足りなかったのだ。

予算さえ確保できれば、取り組めるというのがガイマンたち政務官の判断だった。

ただ、金額は上限がないとその時判断したのだ。

街道とはいえ、範囲が広すぎたのだ。

例えば、都市ルクサスメリルから隣の都市メリアードまで街道を整備するにも、どの程度お金がかかるかわからなかったのだ。

そこで試算してみたところ、金貨2000枚はくだらないと判断されたのだ。

それこそ、公爵領の一年の税収並みだったのだ。

ルークとしては、採算を無視して進めたかったが、難しいと判断されたため、お金の準備だけしようと考えたのだ。

そして、見事に用意して見せたのだ。


「これほどの予算があれば、可能でしょう。

 しかし、王都までの分も含めると、まだ足りないかと・・・」


ルークの計画では、都市メリアードまでの街道分と、都市ルクサスメリルから王都までの街道分の双方があったのだ。


「足りない場合は、またお持ちします。

 ともかく、都市メリアードまでの街道を作成してみてもらって、

 そこからまた試算してもらえますか?」


「なるほど、そうですな。

 では、金額のことは気にせず、やってみるだけ、やってみましょう。」


「じゃ、お願いします。」


ということで、ルークの希望通り、都市ルクサスメリルから都市メリアードまでの街道整備が実行されることになった。



街道整備について説明しておこう。

実は、街道整備にはお金がかかることもあり、国家事業としても行われることはなかった。

そのため、旅人がたまに道に迷う要因となっていたのだ。

また、街道が出来上がれば、野盗や山賊が周辺をうろつく危険性があった。

お金と野盗対策のため、作られなかったという要因があるのだ。

しかし、野盗や山賊対策は、ルークの作った宝珠により解消されたのだ。

あとは、お金だった。

お金に関しては、上限がどの程度か検討がつかなかった。

そもそも、誰も街道を作ったことがないからだ。

試算を組まれたこともあるが、金貨2000枚以上であることは明確になっていた。

それほど膨大な金額がかかるのだ。

そして、最大の問題が、時間だった。

街道を作るためには、膨大な数の敷石やレンガが必要となる。

それを創るために、工房を借り切って創らせるのだ。

そして、敷石やレンガを張る職人が必要だ。

それから、野盗や野獣対策のため、警備する人間も必要だ。

多くの人材と道具が必要となる。

そして、一つの街道を作るのに、年単位の時間がかかるのだ。

また、天候に左右される場合もある。

天候によっては、街道を破壊することもあるのだ。

そういった補修も、時間がかかる。

こういった問題が多い中、街道作りを行うのだ。

ある意味、無謀なことであったが、街道があるのとないのとでは雲泥の差がある。

まず、人の流れが安定するのだ。

旅人であれ、商人であれ、騎士であれ、街道があれば迷うことなく目的の都市へ移動できるようになる。

これは、かなり大きな意味があった。

今現在のルーニア皇国内は、街道はないに等しい。

そのため、都市間の移動中に道に迷う人間もいたのだ。

ただ慣らされた地面を歩いていても、目的地には到着できないのだ。

だから、皆地図を使うのだが、それでも迷う時は迷うのだ。

ルークはそうしたことを減らすため、街道を作ろうと思ったのだ。

街道を整備し、都市ルクサスメリルに人流をもたらすためなのだ。

それにより、都市ルクサスメリルを更に発展させるのだ。

多額の金額がかかろうとも、ルークは成し遂げるつもりであった。

それに、他にも対案を考えていたのだが、それは街道整備とは直接関係ないため、ここでは述べない。

ともかく、この街道が出来上がったら、都市ルクサスメリルは更なる発展を遂げると期待しているのだ。

また、周辺の街や村にも街道を敷く予定だった。

これもまた、ルークの野望の一つであったのだ。



ルークが提出した金貨4000枚を使い、直ちに、都市ルクサスメリルと都市メリアードの間に、街道工事が行われることになった。

ただし、街道完成まで、約二年かかると試算された。

ルークはそれでも良いと了承した。

ルークにとっては大きな事業であったのだ。

これにより、二年後には、大きな街道が両都市間に完成することになる。

これが、街道整備に大きな一歩をもたらすのだが、それはまだ先の話である。

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