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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第30章 ラインクルド革命編・女王即位
322/526

30-5 都市ルクサスメリルへ。

王城を出た後、一旦メリッサとは別れた。

メリッサは近衛騎士団の隊舎に戻り、私物を持ち出す準備が必要だったからだ。

ルークは一旦館に戻り、自分の荷物を持ち出し、待つ。

すると、メリッサはすぐにやってきた。

メリッサは、制服を近衛騎士団の隊舎に返却してきたため、私服であった。

二人は、荷物を抱えて、王都を出る。

そして、ルークの“瞬間移動(テレポート)”にて、都市ルクサスメリルへと飛ぶのだった。



二人は、都市ルクサスメリルに到着した。

既に夕方だった。

ルークは城で夕食は難しそうだと考え、大衆食堂に寄ることにした。

二人は、そこで食事を摂ることになった。


「しかし、よかったんですか?

 メリッサ殿の腕前なら、近衛騎士としてやっていけると思うのですが。」


ルークは何となく、そんなことを聞いてみる。


「いえ、これは私が決めたことです。

 ですから、ルーク様が気にされることはありませんよ。」


メリッサは笑顔で答える。

ルークはメリッサの回答を受け、なるほどとうなずく。


「わかりました。

 では、明日、騎士団を紹介します。

 そこに所属して頂き、密偵任務に就いてもらうと思いますが、

 それでいいでしょうか?」


「はい、構いません。

 よろしくお願いします。」


こうして、メリッサの所属先と任務が決まった。

しかし、懸念が一つあった。

クリシュナである。

メリッサは優秀な騎士だから、すぐに気付く可能性があった。

間違いなく、近衛師団に誘うことだろう。

その時、どうしようかなと考えた。

だが、いい方法がない。

ともかく、メリッサ本人が、クリシュナの口説きを見事回避することしか思いつかないのだ。

うーん、まぁ、その時は、援護することにしよう。

ルークはそう考えておくことにした。

二人は、夕食を済ませると、城に向かうことにした。



城の城門は閉まっていたが、ルークが帰ってきたことにより、急遽開かれることになった。

ルークが城内に入ると、ルドルフが待っていたのだ。


「おぉ、ルーク様、よくぞご無事で・・・」


ちょっと泣きそうになるルドルフ。


「ルドルフ、ただいま。

 早速で申し訳ないんだけど、メリッサ殿を客室に案内して頂けないかな?

 今夜はこの城に泊まってもらおうと思っていてね。」


「承知しました。

 では、ルーク様はメイドたちにおまかせしましょう。」


こうして、メリッサは客室に案内されることになった。

ルークはメイドに案内され、自室の寝室へ向かうことになった。

その途中だった。


「ルーク!!?」


その声に聞き覚えがあった。

振り向くと、アリシアが立っていたのだ。


「やあ、アリシア。」


ルークは笑顔で、アリシアの名を呼ぶ。

途端、アリシアが駆け出し、ルークに抱き着いたのだ!


「・・・おかえりなさい。」


アリシアは泣きながら、そう呟いたのだ。


「ただいま、アリシア。」


ルークはアリシアの頭をなでながら、そう言う。

すると、アリシアはバッと離れ、涙ながらに告げる。


「みんなに知らせてくる!」


そう言うと、走り出していくのだった。


「・・・しょうがないな。」


ルークは頬をかきながら困るのだった。



その後、ルークは寝室でメイドに着替えさせられた後、アリシアの元へと向かった。

すると廊下で、ミレーナとミシェリ、リリアーナと遭遇したのだ。

途端、全員でルークに抱き着いたのだ。

これには、ルークは動けなくなり、困り果てるのだった。

アリシアは遅れてやってきたのだが、全員がルークに抱き着いているのを笑って見つめるのみだった。



その夜、急遽お茶会が開かれた。

今回は、メイリアも参加している。

ルークの周りは花嫁で埋め尽くされていた。


「おかえりなさいませ、ルーク様。」


メイリアは、そう告げて頭を下げる。


「はい、ただいま戻りました、メイリア殿。」


ルークは笑顔で答える。


「それよりも、どんな任務をこなされてきたのですか?」


リリアーナより質問が飛び、皆が注目する。


「えっと、説明しないとダメ?」


ルークは困りつつ、質問する。


「是非、聞きたいです!」


ミシェリがそう叫ぶ。

元気なのはいいことなのだが、ルークはどうしようか困った。

まだ、皇帝陛下に報告していないが、大丈夫か。


「わかりました。

 簡単に説明しますね。

 その前に、紅茶を一杯飲ませてくださいね。」


ルークはそう言うと、紅茶を一口飲む。

今日はミシェリがお茶を入れてくれたので、おいしいのだ。


「では、お話ししますね。」


ルークは簡潔に話した。

ラインクルド王国の王女様を助けるため、力を貸したこと。

そのため、裏を牛耳っていた三人の公爵を倒すことになったこと。

三人の公爵を倒し、隣国の侵略軍を壊滅したこと。

そして、公爵派を一掃して、王女様を女王に即位させたこと。

ルークの冒険譚は、彼女たちに強い興味を与えたようだった。

ルークの活躍を、わくわくしながら聞いていたのだ。

ルークが話し終わった途端、拍手が起きたのだ。


「拍手されるほどのことはしてないんだけど・・・」


ルークはそう言うものの、女性陣の意見は逆だった。


「いえ、ルーク様は立派なことをされました。

 とっても素晴らしいです。」


リリアーナが称賛する。


「はい、私もリリアーナと同意見です。

 ルーク様は立派です!」


ミシェリも、リリアーナと同意見だった。


「ルーク様、立派なことをしたのだから、胸を張っていいのよ。」


ミレーナも称賛してくれているようだ。


「さっすが、ルーク様よね。

 お父様もきっと喜ぶと思うわ。」


アリシアは、皇帝陛下の名まで出していた。


「ありがとう、みんな。」


ルークはそう言って、笑顔になるのだった。

こうして、夜も更けていき、お茶会は解散となるのだった。

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