3-5 エドガとの会話。
夜。
皆、テントに入り、休んでいた。
ルークも稽古がやっと終わり、遅い夕食を取った後、テントに戻った。
皆、疲れ切っていたようだ、ほとんど全員が眠っていたのだ。
そんな中、一人だけ起きていた。
エドガという若者だ。
ルークより年上で、農業従事者だ。
「おう、ルーク、お疲れ。
今、戻りか?」
「はい、ようやく解放されました。」
「俺たちが槍の稽古中に、どこに行ってたんだ?」
「騎士と騎士訓練生の稽古に付き合わされていたんですよ。」
「ってことは、剣の稽古?」
「はい。
あ、でも、木刀を使った、実戦形式の稽古ですよ。」
そこまで話して、エドガが関心する。
「ルークって、ホントすげーな。
騎士様と渡り合える腕があるってことなんだろ?」
「そうだね。
でも、僕と互角の人もいるから、なかなかね。」
そこで少しの間があった後、エドガが口を開く。
「ルーク、良ければさ、村長が話してた山賊の話、聞かせてくれないか?」
「簡単でよければ。」
ルークは山賊との一戦を語って聞かせた。
村長の話した内容とほぼ同じだったのだが、何か疑問に思ったのだろうか?
ルークが話し終わると、エドガはため息をついていた。
「・・・やっぱ、スゲーな。
俺には真似できないわ。」
「そうかな?」
ルークは疑問に思った。
もし、エドガにも同じくらいの実力があれば、真似していたのではないかと。
ただ、それは聞かなかった。
なんだか、無礼な質問だと思ったからだ。
「・・・ルーク、俺は戦争が嫌いなんだ。
俺は、死にたくない。」
唐突な告白だった。
本来なら誰かに聞かれるとまずいような内容だったが、皆寝ている。
今は二人にしか聞こえなかった。
「どうしてですか?」
ルークはあえて問うてみる。
「俺の親父は、戦争で死んだからだ。
・・・というのもあるが、俺自身が臆病だからだよ。
俺は、まだ生きていたんだよ。」
なんとなく、昔の自分と重なるところがある。
「告白すると、僕も臆病者ですよ。
昔からね。
山賊を倒してから、ちょっと自信がついたくらいですから。」
ルークは本音で語っていた。
「おまえが臆病者?
とても、そうは見えないけど。」
「そうですね、今はそうは見えないかもしれませんね。
僕も、戦争はやっぱり怖いですよ。
家で魔法の勉強をしているほうが性にあってます。」
それを聞いて、エドガは小さく笑う。
ルークは強そうに見えても、その本質はやはりまだまだ弱い少年だったのだ。
それを垣間見たのかもしれない。
エドガは、「そうだな」と言って、納得した。
「悪い、変なこと話した。
明日も早いし、そろそろ寝よう。」
「はい、おやすみなさい。」
そして、二人は寝入るのだった。




