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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第30章 ラインクルド革命編・女王即位
318/526

30-1 後始末。

翌日。

ルーク達は、王都に戻ってから続けていた仕事を開始する。

それは、各貴族の情報収集だった。

最大の元凶である三公爵は始末した。

だが、いまだはびこる公爵派は一掃されていないのだ。

よって、その掃討作戦を敢行していたのだ。

まずは、各都市の貴族たちの情報を集める。

貴族の考えは、“情報整理(オーガナイズ)”にて看破可能である。

もし、エリーシャ王女に否定的な考えの持ち主であれば、排除のため証拠集めをするのみである。

その証拠を集め、紙に書き起こす。

そして、それを元に逮捕状を作成するのである。

近衛騎士には、貴族を逮捕する権限があったのだ。

これを大いに活用するのである。

そして、その逮捕状を、対象の貴族がいる都市の騎士団長宛に送るのである。

騎士団長は、近衛騎士の命令に従う義務があるのだ。

よって、近衛騎士の逮捕状を受け取った時点で、代理として逮捕権を行使することが可能となるのだ。

こうして、エリーシャ王女を否定する貴族は逮捕されていった。

逮捕理由はそれぞれ異なっていたが、事実と証拠が確実にあるものを選んであるので、回避不可能だった。

貴族たちは捕らえられた後、王都へ一家ごと護送されることになる。

その後、裁判にかけられるのだ。

裁判の判決は既に決まっていた。

爵位はく奪の後、国外追放である。

そのほとんどが、隣国ドステメリカ皇国へと追放することにしたのだ。

これは、一種の嫌がらせでもあった。

こうして空席となった領地には、王女派の貴族を派遣し、統治させることにした。

これにて、王女否定派は一掃されたのであった。



全ての仕事が片付いた時点で、三人はようやく休息をとることができた。


「いやぁ、働いたな、俺たち。」


「そうだな。」


オスティアは満足そうに言うと、メリッサも同意する。


「今回の作業で、反対勢力の根は完全に根絶しました。

 ラインクルド王国はしばらく安泰となるでしょうね。」


ルークはそう言って、紅茶を一口すする。

今回の証拠集めと犯罪の情報書き出しは、ルークとメリッサが行った。

そして、逮捕状を作ったのはオスティアだった。

分業にしたものの、オスティアが途中で追いつかなくなったため、近衛騎士団長に頼んで応援を派遣してもらった。

それで、ようやく一通り終えることができるまでに、一カ月もかかったのだ。

かなりの時間を要したものの、国家安定につながる役割を行ったのだ。

重要な役割をこなしたといっても、過言ではないのだ。


「ふぅ、休みが欲しいぜ。」


オスティアはそう言うものの、近衛騎士は忙しいのだ。

そうそう簡単に、休みはもらえないのだ。


「来月には、エリーシャ様の戴冠式と即位式がある。

 それまで、休めんだろうな。」


メリッサはそんなことをポツリと呟く。


「そうだった・・・

 まだ、しばらく休めないのかよ・・・」


オスティアはがっくりする。

ルークたちの役割はほぼ完了していた。

よって、ルークはオスティアとメリッサを、近衛騎士の通常任務に戻す予定だった。

二人には、王女の護衛の任務が与えられる予定だった。

ルークは、何もしない予定だった。

何故なら、今後ルークは、この国を去るからだ。

去る人間に役割を与えること自体、間違っているのだ。

それに、引き継ぎ事項は何もない。

ドステメリカ皇国も、こちらに攻めることを完全に諦めたようだ。

ならば、ルークが動く必要もないのだ。

それに、国内の敵も全て一掃したのだ。

ルークの仕事は完遂していたのだ。

今すぐ戻っても良かったのだが、エリーシャの女王就任まで、待機することにしたのだ。

女王就任式には、ルーニア皇国からも使者が来るそうだ。

同盟の締結を宣言するためであった。

その辺はルークには関係のない話であったが。


「僕は、のんびりさせてもらいますね。

 二人は、王女の護衛、頼みますよ。」


ルークはそう言うと、笑みをみせるのだった。

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