29-8 首謀者たちの討伐完了。
翌日。
オスティアが護送していた、ラーグゼア公爵一家が王都にたどり着いた。
ラーグゼア公爵一家は、王城の地下に幽閉された。
これにて、三公爵は全員捕らえられたのだった。
二日後。
三公爵は、裁判にかけられ、一族ともども絞首刑に処せられることになった。
これは、最初から決まっていたことであった。
本来は、裁判を開かずともよいことなのであったが、形式的に開廷されることになったのだ。
公爵らは、この場でささやかな抵抗を試みることになったのだ。
だが、既に決まった決定事項を覆すことはできないのだ。
三公爵は、結局は死罪を免れることは一切できず、国王による恩赦もなかったのだ。
結果、死罪が正式に決まったのだ。
これにより、三公爵は家族含め、これを受け入れるほかなかったのであった。
そして五日後、王都にて、絞首刑が執り行われることになった。
場所は、王都中央広場である。
そこに、大きな絞首台が設置されたのだ。
公開処刑は非常に珍しいことなので、多くの民衆が集まっていたのだ。
たくさんの騎士たちも、処刑者の護衛のため詰めていた。
無論、ルーク、オスティア、メリッサの3人もいた。
ただし、護衛の任務は行わず、民衆と一緒に見ているのみである。
今日は、あくまで三公爵の最後を見届けに来たのであった。
まずは、オーガスタ公爵一家が処刑されることになった。
処刑者は全員後ろ手に縛られている状態で、台の上に乗せられるのだ。
次に、全員に吊るされた縄を首にかけられる。
そして、縄が首にかけられたのを確認後、足の土台を外される。
途端、首が縄で締め付けられ、首つりの状態となる。
全員、苦しみもがきながら、公爵一家は死を迎えた。
その後、フェブリゾ公爵一家、ラーグゼア公爵一家も同様に処刑されていくのだ。
全員、苦しんで死んでいった。
民衆は、公爵たちが死んでいく姿を、静かに見守るのみであった。
誰も、歓声を上げることもなかったのであった。
全員が処刑された時点で、三公爵の討伐は完了となった。
「なんだか、虚しいものだな。」
オスティアが感傷に浸っているのか、そうポツリとつぶやく。
「そういうのは似合わないぞ。」
メリッサがばっさりと斬った。
「おいぃぃぃっ!!?」
オスティアは抗議するも、メリッサは無視した。
ルークは苦笑するのみだった。
こうして、三公爵による王家の傀儡支配は終わりを告げた。
ようやく、ラインクルド王国に新しい風が吹き始めるのだった。