表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第29章 ラインクルド革命編・西方制圧編。
315/526

29-6 “ルーニア皇国最強の騎士”

翌日。

ルークは8万の軍勢の位置を確認する。

だいぶ近づいていた。

あと、3日ほどで領内に到着する見込みだった。

その前にやるべきことがある。

まずは、事前準備だった。

ルークは、都市ユウヘイアを出ていくと、“飛翔(フライ)”にて、魔法を使うポイントへと移動する。

そして、魔法の改良を行う。

その魔法とは、“大規模展開術式”だった。

この魔法は補助的なものに過ぎないが、範囲指定することで威力を強化する力がある。

ただし、呪文との相性が問題だった。

だが、今回使う魔法とは相性がいいのだ。

よって、この魔法に、手を加える。

簡単に言うと、範囲を大幅に拡大するのだ。

大規模から極大規模へと変貌させるのである。

それにより、8万の軍勢を、範囲内に収めるのだ。

それと、この“極大規模展開術式”を使えば、範囲の狭い魔法でも、指定した範囲全てに適用可能なのである。

ある意味、利点が大きいのだ。

ただし、“大規模展開術式”と同様、魔法の相性の問題は残るので、注意が必要だ。

ルークは、範囲の程度を実際に使って確認する。

かなり広い範囲が指定できることがわかった。

これならば、8万人規模でも、大丈夫だろう。

ルークは、敵が来るのを待つのみとなったのだった。



3日後、昼。

ルークは、“飛翔(フライ)”の魔法にて、上空にいた。

敵の軍勢が見え始めたのだ。

きっちり整列した軍勢がまっすぐにこちらに向かっていたのだ。

ルークは、ポイントに入るまで、何もせず、上空から敵を監視していた。

敵軍はルークの存在に気付くことなく、まっすぐ歩く。

そろそろ、ポイントに入る頃だ。

問題は、範囲内に8万の軍勢が入ることだ。

その時点で、魔法を解放する。

魔法の準備は既にできていた。

あとは、範囲内に全軍入ればいいだけだったのだ。

だが、時間がかかりそうだ。

ルークは焦らず、ひたすら待つことにした。

数分後、軍隊の一部がポイントに入った。

ルークは地上に降り立つ。

その時、敵軍はルークの姿に気が付いたようだが、突撃する素振りはない。

あくまでも同じ速度で歩くのみである。

それから、20分ほど経過しただろうか、ほぼ全軍が範囲内に入り込んだのだ。

ルークの目の前には、停止した敵軍の姿が見えた。

ルークとある程度距離を置いて、止まっていた。

敵軍はたった1人のルークを見て、警戒していたのだ。

罠がある可能性も考慮しているのかもしれない。

だが、ルークはほくそ笑むのみである。

敵が、罠にかかったことに気づいていないのだから。

ルークは静かに、地に手をつける。

そして、呪文を解放したのだ!


「“極大規模展開術(アークテア・)式・地裂波動撃(アースクエイク)”!!!」


瞬間、大地に魔法陣が出現し、その範囲内で巨大な地震が発生したのだ!

途端、地が割れ、兵士たちを飲み込む!

または、溶岩が噴出し、兵士たちを焼き尽くす!

地割れと地割れに挟まれ圧死する者現れた。

こうして、範囲内にいた兵士たちは、一瞬にして地に飲み込まれて殺害されたのだ。

生き残った兵士はごくわずかだった。

生き残った者達は、目の前で起きた出来事に、目を見開くしかなかったのだ。

ルークは生き残りの数を確認する。

1000名程度だった。

ルークは“飛翔(フライ)”を使い、1000名の兵士の前に降り立つ。

兵士たちは慌てて武器を構えるも、足がすくんでいた。

目の前で恐ろしいものを見たのだから、当然であった。

そして、ルークは口を開き叫ぶのだ。


「ドステメリカ皇国の皇帝に伝えよ。

 ルーニア皇国最強の魔法騎士がいる限り、

 ラインクルド王国を攻め滅ぼすことはできぬとな。」


ルークはそう言い捨てると、“飛翔(フライ)”を使って去っていくのだった。



都市ユウヘイアで、ルークの様子を探っていたメリッサは、戦慄していた。

8万の軍勢があっという間に消えたのだ。

それもたった一つの魔法で。

その時、地震が発生する。

多少揺れたものの、大きな揺れではなかった。

敵軍勢の生き残りの数は、約1000名程度だった。

1000名は慌てて、引き返し始めた。

目の前で起きた出来事を本国に知らせるためだろう。

それに、たった1000名で戦争はできないのだ。

勝った。

ルークはやってのけたのだ。

メリッサは、大きく息をつくのだった。

そして、事の次第を、騎士団長に伝えることにしたのだった。



こうして、8万の軍勢は、ルークによって壊滅した。

これにより、ドステメリカ皇国による侵略は失敗に終わったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ