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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第28章 ラインクルド革命編・南方制圧編。
305/526

28-5 悪魔。

ルークは城に到着すると、城門の前まで来た。

その時、1人と侮ったのだろう、門が開き、騎士たちが打って出てきたのだ。

ルークにとっては、ちょうどよかった。


「“炎帝”」


ルークがそう呟いた瞬間、全身を覆うように、炎が出現する。

そして騎士たちに向かって、突貫したのだ!

炎に触れた騎士は、消し炭と化し、ルークの剣で斬られた者達もまた、焼き尽くされるのみであった。

戦いは一方的だった。

ことごとくルークに斬り飛ばされ、やがて抵抗する者がいなくなった。

逃げ出した者もいたが、放っておいてもいいだろう。

後でメリッサが片付けてくれるはずだ。

ということで、片付けが終わったので、城内へと入ることにした。



城内は静かだった。

まずは、“炎帝”を解除する。

次に、“情報収集(サーチ)”を実行し、城内の状況を調べる。

うーん、だいぶ人が散っているな。

あちらこちらに兵士がいたのだ。

公爵らしき人物は、謁見の間にいた。

じゃ、まずは謁見の間に行きましょうか。

ということで、ルークは謁見の間へと歩いていくのだった。



謁見の間に向かう途中、数人と交戦したが、あっさりと斬り捨てた。

もはや、敵にすらならない。

ルークは、謁見の間のドアを開くと、数人の魔法使いと、20名近い騎士、そして公爵らしい人物がいた。

すぐに襲いかかってくる可能性が低かったため、挨拶することにした。


「僕は、近衛騎士のルークと申します。

 残念ながら、この都市は王女派の兵士によって囲まれております。

 潔く降伏してください。

 であれば、殺すような真似は致しません。」


だが、1人の男が大笑いし始める。

公爵らしい、立派な鎧を着た男だ。


「ふっふっふ、それで勝ったつもりか?

 たった1人で何ができるというのだ?

 騎士たちよ、ヤツを殺せ!!」


瞬間、20名の騎士が動くが、ルークも同時に動く!

20の首があっさりと飛ぶ。

そして、首が無くなった胴体たちは、バタリとその辺に倒れ、血をまき散らすのみ。


「勝てるから、たった1人で来たんですよ。

 この程度で、僕を倒せると思っている時点で、あなたの負けですよ、

 フェブリゾ公爵殿。」


「な、何をしたのだ!?」


フェブリゾ公爵は開いた口が塞がらなかった。

彼にはどうやら、何も視えていないようだった。

ルークの剣速があまりにも速すぎたのだ。

騎士であれば、視認できるだろうというレベルなのだ。

公爵には、酷な話であった。


「斬って捨てたまでです。

 それ以外に、何かありますか?

 さて、そろそろ降伏してもらえると助かるのですが・・・」


ルークが公爵を睨むと、公爵は一瞬ひるむものの、すぐに笑みを浮かべる。


「魔法使いたちよ、アレを召喚せよ、ただちにだ!!」


その時、魔法使いたちは、何か魔法を唱え始める。

ルークの知らない魔法だった。

途端、3つの魔法陣が出現し、何かが出現したのだ。

見たこともない、異形の存在だった。

しかも3体である。


「さあ、悪魔共、目の前の騎士を葬り去れ!!」


魔法使いの命令により、悪魔たちは動き出した。



『あれは、悪魔族です。』


突然、レーヴァテインが説明してくれたのだ。


「となると、さっきの魔法は、召喚術か。

 知らない魔法でした。」


『悪魔族にも種類がいます。

 あの中央に立つ大きな悪魔はグレーターデーモンと呼ばれています。

 その左右にはレッサーデーモンがいますね。

 彼らは強力な力を持っています。

 注意してください。』


「なるほど、了解。」


ルークの目の前に、レッサーデーモンが迫り、その爪を振り下ろす!

だが、ルークはあっさりと回避する。


「彼らと会話できるかな?」


『それは無理ですね。

 彼らは召喚主の言葉に従うのみです。

 こちらの言葉に耳を傾けることはありません。』


「そりゃ残念。

 暗黒魔法について、聞いてみたかったけどね。」


ルークはレッサーデーモンの攻撃をことごとく回避する!

そして、反撃に移る!

レッサーデーモン1体の首をあっさりと斬り裂いたのだ!


「な、何!?」


フェブリゾ公爵は驚いていた。

通常、悪魔たちは、人間よりはるかに強いのだ。

それを凌駕する人間は存在しないはずだった。

だが、その悪魔をあっさりとルークは仕留めたのだ。

驚くよりほかなかった。

ルークは次のレッサーデーモンに剣を向ける。

レッサーデーモンは炎を吐き散らす!

だが、ルークの結界術には通用しない!

ルークは素早く動き、胴薙ぎでレッサーデーモンを真っ二つにしてみせる。

レッサーデーモンは断末魔を上げ、消滅する。

残りはグレーターデーモンのみ。

グレーターデーモンは呪文を唱え、解放する!

残念ながらルークには聞き取れなかった。

黒い炎が襲い掛かるが、ルークは斬って捨てる!

そして、素早い動きで、グレーターデーモンの首を撥ねていた!!

グレーターデーモンは消滅していくのだった。



「ば、バカな!?」


フェブリゾ公爵は、唖然としていた。

人間よりはるかに強い悪魔を、たった1人の人間が、倒して見せたのだ。

こんなことは、あってはならないことだった。

いや、ありえないのだ。

だが、倒された。

事実は捻じ曲げられない。

フェブリゾ公爵は、信じらぬ思いで、叫んでいた。


「魔法使いたちよ、もう一度召喚するのだ。

 こ、こんなバカなことはあってはならないのだ!!」


だが、その言葉は遅かった。

ルークが魔法使いを全員斬り捨てていたからだ。

これで、召喚できる人間はいなくなった。

フェブリゾ公爵は逃げ出そうとした。

だが、次の瞬間、ルークの膝蹴りをもろに喰らって倒れ伏す。


「ぐぐ、ぐがぁ・・・」


苦しみもがくものの、もはや、彼を助ける者はいないのだ。

その時、オスティアが騎士を引き連れ現れたのだ。


「もう、終わっちまったのかよ・・・」


頭をかきつつ、オスティアは文句を言う。


「すいませんね。

 彼がフェブリゾ公爵本人です。

 捕縛をお願いします。

 それと、城内にいる彼の家族も捕らえてください。」


「ああ、そっちは既に手を回している。

 メリッサも動いているから、すぐに済むはずだ。」


「じゃ、僕たちの仕事は一旦ここまでです。

 お疲れ様でした。」


ルークは剣を収め、オスティアの肩をポンと叩く。

オスティアは悪い気はしないのか、ルークに従い、歩き出す。

フェブリゾ公爵は騎士たちに捕縛され、地下の牢に幽閉されることになった。

こうして、南の公爵攻略戦は終わりを迎えたのだった。

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