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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第28章 ラインクルド革命編・南方制圧編。
302/526

28-3 会敵と戦争。①

一週間後。

都市メアナードが見えていた。

その前に、3万の軍勢が控えていたのだ。

ルークは進軍を止め、対峙することになった。

さて、作戦を立てますか。

ルークは早速軍議を開くことにした。

集まったのは、オスティア、メリッサ、騎士団長数名だ。

今回は寄せ集めの軍隊ではない。

きちんとした騎士団の軍勢だ。

よって、2万の軍勢は、全員戦闘に問題はない。


「今回も1人で赴くとか、やめてくださいよ。

 俺たちの出番もくださいよ。」


オスティアが開口一番、そんなことを言い出したのだ。

メリッサ以外の人間には意味がわからなかった。

当然、前回の戦闘について一切説明していないからだ。

まぁ、説明も面倒だし、説明するつもりもないのだが。


「今回は、全軍で戦うから、安心してほしい。

 上級魔法を使う予定はないので、大丈夫だと思いますよ。」


ルークは軽い感じで話す。

メリッサは前回の結果を知っているだけに、本当に大丈夫かと心配していた。


「まず、2万の軍勢に、“軍団魔法(コープス)”を使います。

 この魔法は、ご存じの通り、軍隊に対して使う魔法として有名です。

 主に、軍隊の攻撃力や防御力を微々たる程度ですが、強化するものです。

 今回、この魔法にとある特性を含ませるので、その説明をまず行います。

 僕は、魔法を複合化させる技術を持っています。

 まぁ、簡単に言うと、一つの魔法に、複数の魔法を詰め込むといったことです。

 例えば、“火炎球(ファイアボール)”を3つ詰め込むとどうなりますか?」


「・・・えっと、大きな“火炎球(ファイアボール)”が出来上がるとか?」


オスティアは予想で、そんな答えを述べる。


「残念ながら、ハズレです。

 答えは、上級魔法レベルの威力を誇る“火炎球(ファイアボール)”が出来上がります。

 つまり、威力が大きく増すことになります。

 これを応用します。

 “軍団魔法(コープス)”には、複数の魔法を組み合わせることが可能です。

 例えば、攻撃強化、防御強化、魔術防御強化が一般的なものですね。

 この3つを、魔法の複合化を併用して使用した場合、どうなると思いますか?」


メリッサは目を見開き、発言する。


「強力な戦士を作ることができます。

 しかも、攻撃力が圧倒的で、剣すら通さない防御を誇り、

 魔力を防ぎ切る防御力を得ることができるかと思います。

 違いますでしょうか?」


「メリッサ殿、正解です。

 威力が強化される分、実力以上の効果を発揮します。

 ということで、魔法は完成していますので、これを唱えた後、

 敵軍に向かって攻撃を仕掛けます。

 なお、魔法効果期間は1日です。

 今日は、3万の軍勢を壊滅させるのが目的なので、皆さん、

 その認識でいてください。」


「しかし、本当にそれで勝てるのでしょうか?」


騎士団長の1人が、信じられないのか、質問してきた。


「試せばわかります。

 恐いことになりますよ。」


ルークのその言葉に、騎士団長は唾を飲みこむ。


「ルーク殿の言う通りにやってみようぜ。

 今回は俺たちが前線に立てるんだ。

 いっそ、ひと暴れしてやろうぜ!!」


オスティアはやる気まんまんだった。


「ルーク様は、どうされるのですか?」


「無論、前線で戦いますよ。」


ルークには、戦わないという選択肢はなかった。


「では、皆さま、これにて軍議はお終いです。

 戦争を始めましょう。」


ルークの言葉に、皆がうなずく。

ルークらは、前線へと移動するのだった。



ルークは早速、魔法を解放することにした。


「“軍団魔法(コープス)”!!!」


瞬間、2万の軍勢が薄い光に包まれる。

皆、自分の手足を確認するが、変化はない。

いや、変化はこれから確認するのだ。

ルークは、レーヴァテインを引き抜く。

ルークも準備万端だった。

既に結界術にて、全身を防御しているのだ。

一切の攻撃を受け付けない、無敵状態だった。

無論、魔装の鎧も忘れてはならない。

そして、剣を振り下ろして、叫んだ!!


「全軍、突撃!!!!」


瞬間、2万の軍勢が雄叫びをあげながら、3万の軍勢に突撃を仕掛けたのだ!

ルークも突撃を仕掛け、早速3人ほど首を撥ねて見せる。

2万の軍勢は、一気に押し始める。

だが、3万の敵軍も押し始め、互いに均衡しているように見えた。

だが、すぐさま、異変が生じ始めるのだった。

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