3-1 魔術書の1冊目を読み漁る。
翌日。
購入した魔術書2冊、神聖魔法の教本1冊を本棚に収める。
そして、魔術書を1冊、手に取る。
これから、この1冊を勉強するのだ。
少し分厚いが、まぁ、覚えることは得意だから、大丈夫だろう。
ルークは覚悟を決めて、魔術書を読み始めたのだった。
あっという間に、夕方になった。
だが、魔術書はまだ半分に至っていなかった。
原因は、字が細かく書かれていたのだ。
となると、物量的に読む文字数が多いのだ。
ルークは目が疲れてしまっていた。
「今日は、ここまでにしよう。」
栞を挟んで、本を閉じる。
目が疲れた以上、これ以上読むのは難しい。
後は、明日にする。
「夕食の準備をしよ。」
ルークは本を本棚に戻すと、夕食の準備に取り掛かるのだった。
翌日。
朝のルーティンをこなすと、椅子に座る。
本棚より魔術書を取り出し、昨日の続きより読み始める。
目の疲れは、一晩で治ったようだ。
ルークは集中して、本を読み進めるのだった。
夕方。
本は残り数ページとなっていた。
しかし、今日も目が疲れてしまっていた。
「目が痛い・・・」
ルークは目をこすりつつ、本に栞を挟む。
そして、本棚に戻す。
明日には読み終える事ができるはずだ。
今日はここまでにして、夕食の準備に取り掛かるのだった。
翌日。
再び、本を読み始める。
そして、お昼前にようやく読み終えるのだった。
次に実践だ。
魔術書は分厚さに比例して、20の呪文が書かれていた。
かなりの量の呪文が書かれていたことになる。
ただ、字が細かいのが難点だ。
それはともかく、この20の呪文が使いこなせるようになれば、魔法使いを名乗っても問題ないはずだ。
いや、魔術書はもう一冊ある。
そちらの内容も理解し、呪文を使いこなせれば、立派な魔法使いだ。
それまで、魔法使いは名乗らないように、心に決めるのだった。
さて、本題に入ろう。
魔術書は分厚いので、栞を忘れてはならない。
使う呪文のページに栞を挟み、不発だった場合に備えて、再確認する必要がある。
まずは、風系列の魔法からだ。
ちなみに、この魔術書の大半は、風と土系統の魔法だった。
以前読み取った初心者向けの教本には、火・水系統の魔法のみだったのだ。
随分偏っているように見えるのだが、これは著者によるからだ。
著者が得意とする魔法が、たまたま風や土系統だった場合、どうしてもそちらの魔法しか書かなくなる。
結果、火・水といった他の魔法系統の術式は書かれていないのだ。
ともかく、ルークは風と土系統の魔法を覚えたのか、実演し始める。
手をかかしもどきに向け、呪文を解き放つ!
「“風裂刃”!!!」
複数の風の刃が出現し、かかしもどきを斬り裂いたのだ!
「よし、うまくいった・・・のはいいんだけど、かかしが・・・」
かかしはバラバラになってしまった。
これでは、練習台がなくなってしまう。
「よし、そうだ!」
ルークは、バラバラになったかかしもどきを片付けると、両手のひらを地面に向ける。
そして、頭の中で、鋼の十字架を思い浮かべる。
単純に、今まであったかかしもどきが、鋼でできたものをイメージしてもらうと早い。
すると、ルークの足下に、鋼の十字架が出現したのだ。
「よし、うまくいった!
これを立ててっと。」
新たなかかしもどき(鋼版)を立ち上がらせると、下を地面に埋めて固定する。
これで、簡単に壊れないかかしが出来上がったのだ。
「よし、もう一回だ。」
ルークは、再度同じ呪文を唱える!
「“風裂刃”!!!」
複数の風の刃が出現し、かかしもどきに命中する!
かかしもどきは斬れなかったが、大きく揺れていた。
それからルークは、20の魔法を全て使って見せた。
そして、全て成功したのだ。
失敗はなかった。
また、かかしもどき(鋼版)も無事だ。
「やったぁー!!
全部使えたぁ!!」
ルークは大喜びだった。
これで、魔法使いを名乗っても文句は言われないくらいだ。
だが、先にも述べた通り、もう一冊の魔導書を理解するまでは、名乗らないつもりなのだ。
ルークは、少し頑固でもあったのだった。




