2-13 無事生還。
すっかり夜になった。
捜索に出ていた騎士たちは一旦隊舎に戻っていた。
そんな中、神父を抱えて、ルーク達一行が戻ってきたのだ。
皆、神父が無事戻ってきたことに歓喜した。
「で、山賊はどうした?」
ダーナスの質問に、カシスが答える。
「逃げおおせた者以外は、全員倒しました。
あの山賊ども、かなりの数がいましたが、
もはや組織としては壊滅したでしょう。」
「それから、これ、山賊のボスの首です。
これを晒せば、山賊になろうと考える者も減るかと思います。」
ルークは布に包んだ、山賊のボスの首を差し出す。
「まさか、ルークが倒したのか?」
ダーナスは驚いていた。
「えぇ、作戦を立てたのも、ルークだったんですよ。
無茶な内容ではなかったので、俺の一存で実行したんですが。
思いの他うまくいったんで、ほっとしてますよ。」
カシスの言葉には、感謝が含まれていた。
「ルーク、よくやった!!」
ダーナスにバンと背中を叩かれ、ルークはむせた。
「とにかく、神父も無事戻った。
明日、教会に送り届けよう。
それから、ルーク、お前もゆっくり休め。
隊舎に空き部屋がある、そこを使え。」
「はい、ありがとうございます。」
こうして、神父救出作戦は、無事終了するのだった。
翌日。
神父は、怪我もなく、無事だったことが確認された。
シスターであるアリアが、わざわざ出迎えに現れたのだ。
神父とアリアは、ルークらに頭を下げていた。
「誠にありがとうございます。
命を救って頂けるとは、夢にも思いませんでした。
皆さまには感謝しきれません。」
神父の言葉に、カシスは返答する。
「神父様、これは我らの務めですから。
感謝されるほどのことはしていませんよ。
それよりも、無事で何よりです。」
そして、ぐいっと、ルークを神父の目の前に立たせる。
「感謝するなら、ルークにしてください。
コイツがいなければ、神父様を救えなかったかもしれないんです。」
「ルーク殿、誠に感謝致します。
ありがとうございます。」
「私からも感謝致します。
ありがとうございます、ルーク様。」
神父とアリアからお礼を言われて、ルークは困った。
ルークは騎士ではないのだ。
こういう時の返答に困るのだった。
だが、カシスが言葉を付け加える。
「ルーク、お前は感謝を受け取っておけ。
今回はお前の働きで、神父様を救えたんだ。
それは事実なんだ。」
「あ、はい、そのこういうときどうしたらいいかわかんなくて。
でも、その、ありがとうございます。」
ルークは照れながら、誰にともなく、感謝するのだった。




