2-10 山賊。
ルークとカシスは、装備を整えた後、街の裏手にある山に入った。
山は草木が生い茂っている。
とは言っても、季節は秋だ。
草は少し枯れている、ナイフを振るうとあっさりと切れるのだ。
ルークは足下に気を付けつつ、周辺警戒を怠らなかった。
そのうち、探知能力で見つかればよいのだが・・・と思った矢先だった。
何かいる!?
しかも、人だ!
「カシスさん、誰かいます。
騎士ではありません。」
ルークは小声でカシスに伝えると、ナイフをしまい、剣の柄に手をかける。
「何?
山賊どもか!?」
カシスは剣を抜き、あたりを警戒する。
「こっちです。」
ルークは音を立てずに、歩き出す。
数分もせずに、山賊らしき男たちがいるのが見えたのだ。
「どうやら見張りのようだな。
こいつらを捕らえて、拠点を吐かせよう。
殺すなよ。」
「はい、やってみます。」
カシスの言葉に、ルークは返事をする。
ルークとカシスは素早い動きで、山賊たちに近づく。
山賊たちは2名だ。
一対一に持ち込めば、勝てる!
山賊たちは、ルークとカシスに気付くのが遅れていた。
2人の存在に気付いた瞬間、慌てて剣を抜こうとしていた。
山賊が剣を抜く前に、ルークは山賊のみぞおちに剣の柄を思いっきり食らわせる!
「ぐはっ!?」
途端、息苦しさと痛みで、男がうずくまる。
カシスの方は交戦になったようだが、剣を砕き、あっさりと捕らえていた。
「よし、おまえたち、拠点の場所を吐け。
さもなくば、ここでその首を撥ねるぞ!」
カシスの脅しに、山賊たちはただただ怯えるのみだった。
「見事だったぞ、ルーク。
剣を抜かずに倒すとは、大したものだ。」
「いえ、抜きかけてはいたんですが。
相手が油断してくれたので、抜かずに済みました。」
山賊の拠点の場所を聞き出した2人は、拠点の方角に進んでいた。
2人の山賊は、縄で縛って放置済みである。
この分だと夜になる前に片が付く可能性が高かった。
ちなみに、神父はやはり拠点にいるとのことだった。
2人は拠点の位置を知った以上、仲間をかき集めて、突入したいところだった。
「拠点を発見次第、味方を探す必要がある。
2人で乗り込むような馬鹿な真似は隊長に叱られるからな。
・・・しかし、どう味方を探すか、困ったものだな。」
山の中だ。
火を焚いて、狼煙を上げるわけにもいかない。
敵に動きを察知される可能性もあるからだ。
だが、ルークには何となく味方の位置がわかっていたのだ。
「大丈夫だと思いますよ。
ここから南側に4名ほどの騎士が居ます。
一番近いので、助けを求める場合は、
彼らに声をかければいいかと思いますよ。」
「!?
味方の位置がわかるのか?」
「はい、なんとなくですが。」
ルークの探知能力は、十分な成果を果たしていた。
何故わかるのか、理由は不明だが、なんとなく位置がわかるのだ。
これはかなり便利な能力だった。
「ルークの言葉を信じよう。
ともかく、我らは拠点を見つけておく必要がある。」
「はい、見つけ次第、救援を呼んで、突入、ですね。」
「あぁ、その時は、頼むぞ。」
カシスに肩を叩かれるルーク。
だいぶ信頼されているようだった。
その信頼は、ルークにとっては嬉しいものだった。
やがて、拠点が見えた。
小さな村のように、テントがたくさん立ち並んでいたのだ。
「ここのようだな。
よし、早速、救援を呼ぼう。
頼めるか?」
「はい、じゃ、僕が連れてくるまで偵察をお願いします。」
「任せろ!」
ルークは救援のため騎士たちの元へ。
カシスはその間、敵の偵察を。
2人は、それぞれの役割をこなすのだった。




