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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第17章 実家に呼び出されたり、行方不明事件の解決に動きました。
202/526

17-9 王都へ。

その日の昼前に、ルークとレヴィは王都に帰還していた。

そして、そのまま王城に向かう。

王城到着後、すぐに皇帝陛下と謁見することになった。

謁見場所は、いつもの応接室だった。

応接室に入ると、すでに皇帝陛下は待っていた。

無論、クリシュナも一緒だ。


「陛下、ただいま戻りました。」


ルークとレヴィは頭を下げる。


「うむ。

 とりあえず、報告を聞きたい。」


二人がソファに座ると、ルークが話し始める。


「都市ルクサスメリルでの行方不明事件について、

 解決しましたので、ご報告致します。

 フェイブレイン公爵が人さらいどもに依頼し、庶民を誘拐させた後、

 さらった人間を買っていたことが判明しました。

 しかも、さらった人間を城の地下に連れて行き、

 無残に殺すことを楽しんでいたようです。

 城の地下に、血の跡がしっかり残っておりました。

 なお、人さらい及びフェイブレイン公爵は、

 騎士団にて拘束・監禁しております。

 犯罪者の処断を、皇帝陛下に伺いたく思います。」


皇帝陛下は、既に決まっている事項を告げる。


「そうか、わかった。

 人さらいは全員処刑せよ。

 ファイブレイン公爵は、爵位はく奪の後、王都に連れて参れ。

 王都にて、絞首刑に処す。

 公爵家の存続有無に関しては、余がしばらく預かる。」


「御意に。」


「レヴィ、手配を頼む。」


「はっ」


クリシュナの命に、レヴィがうなずく。

ルークは処分が決まった後、発言を行う。


「一つお願いがあります。

 フェイブレイン公爵の母上の件です。」


「ふむ、告げるといい。」


「はい、フェイブレイン公爵の母上は、本件には関わっておりません。

 ですから、処分を科さぬよう、ご配慮をお願いしたいのです。」


「わかった。

 本件に関係していない人間まで処分するつもりはない。

 安心せよ、ルークよ。」


「はっ、ありがとうございます。」


ルークは、ほっとした表情になる。


「しかし、見事であった。

 今回もルークの活躍か、レヴィよ?」


皇帝陛下の言葉に、レヴィはうなずく。


「はい、人さらいを見つけ出し、捕らえたところから、

 ルーク様の一人芝居でした。

 人さらいどものアジトまで見つけ出し、全員捕縛して見せたのです。

 そして、フェイブレイン公爵を逮捕したのです。」


「やはり君は素晴らしいな。

 君に任せたのは、正解だったな、ルーク。」


クリシュナは、ルークを褒めていた。

ルークは褒め慣れていないので、困っていたが。


「大儀であった、ルーク、レヴィよ。

 そなたたちの活躍で、事件が解決したのだ。

 見事であった。」


皇帝陛下は2人をねぎらうのであった。



「そういえば、クリシュナから妙な話を聞いた。

 何でも、魔剣がしゃべると聞いたが?」


皇帝陛下がそんなことを言い出したので、皇帝陛下とクリシュナ、レヴィに“思念連結(コネクト)”を繋ぐ。


『それは私のことでしょうか?

 皇帝陛下、初めまして。

 レーヴァテインと申します。』


「なんと!?

 しゃべれるのは、事実であったか!?」


さすがの皇帝陛下でも、驚いていた。


「正確には、喋れるだけでなく、意思を持っているんです。

 そうですね、僕たち人間のような存在と言ってもいいと思います。」


「なるほどな。

 では、更に剣も使いこなして見せたというべきかな?

 剣の言葉が聞けるのならば、攻撃強化なども可能なのではないか?」


皇帝陛下は、なかなか鋭いようだ。


「はい、その通りです。

 魔力や魔法による強化も可能です。

 それ以外にも、僕の代わりに、魔法を唱えることも可能です。」


「ふむ、それはなかなかすごいものだな。」


皇帝陛下は関心していた。


「父上、それだけではありません。

 ベルガ―に与えた魔剣にも、ルークが意思を与えたそうです。

 ベルガ―は、戦闘のバリエーションが増えたと喜んでいましたよ。」


クリシュナの言葉に、皇帝陛下は関心を示す。

どうやら、ルークたちが不在の間に、剣を使いこなしているようだ。

あとで、確認してもよいかもしれない。


「魔剣生成のみならず、魔剣を進化させることも可能なようだな。

 魔法騎士とは奥が深いものよ。

 しかし、我が家にある魔剣に、全て意思を持たせるとなると、

 大変なことになるな。」


皇帝陛下は大笑いする。

確かにその通りである。

ルークだけでも、大軍に匹敵する戦力を持っていることになる。

ベルガ―も恐らく、大軍に対抗できるだけの実力は、身に着けていると予測できるだろう。

となると、魔剣持ちが皆強化されてしまうと、個の質が大幅に上がることにつながる。

もし、「一騎当千」の言葉通り、たった一人で、千人を倒せるようならば、軍の壊滅も簡単な作業になりかねないのだ。

とんでもない、軍事力を手に入れることにつながるのだ。

ある意味、笑えない話になるのだ。


「試してみるのも一興でしょうが、

 魔剣の使い手がいないと意味がありませんよ、父上。」


クリシュナがさりげなく突っ込みを入れる。


「はっはっは、その通りだな。

 それについては、考慮しよう。」


皇帝陛下はひとしきり笑うと、場を収めることにした。


「さて、2人とも、ご苦労であった。

 処分に関しては、余に任せるといい。」


「はっ!」


これにて、事件は解決となるのだった。

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