1-2 創造系魔法とは?
ルークは、幼少の頃より、魔法使いに憧れていた。
理由は単純だ。
魔法が格好いいからだった。
彼は小さな頃、魔法を直に見たことがある。
お祭りの時だ。
火の玉を打ち上げ爆発させる、爆裂魔法を直接目にしたのだ。
ちなみに、威力自体は大したことのない、見せかけだけの魔法だった。
それでも、子供の目には、凄いものに見えたのだろう。
ルークは魔法に対する憧れを強くしていたのだ。
だが、彼には魔力適性が無い。
つまり、魔力が無いに等しい状況だったため、魔法が使える体ではなかった。
それは、15歳の今でも同様だ。
ルークは、魔法の修行のため、外で何やら呪文を唱えてみるものの、何も起きなかったのだ。
「おかしいよな、呪文は完璧なのに、何も起こらないなんて・・・」
彼は、初心者向け魔術書を読破していた。
失敗のたびに何度も読み直していたのだ。
当然、内容は暗記している状態だった。
それでも、魔法は発動しなかった。
彼には、魔法が使えない理由がわからなかった。
知っていれば、あっさりと魔法使いなんて諦めていただろう。
だが、何も知らないのだ、諦めきれないのだろう。
ちなみに、村人たちは、興味を持たなかった。
彼らにとっては、魔法なんて飯の種にもならないからだ。
そんなわけで、次第にルークは「変わり者」扱いされるようになっていくのだった。
そんなある日のことであった。
彼は魔術書を閉じると、ぐっと体を伸ばす。
何度読んだことやら、魔術書はボロボロだった。
彼は、魔術書を本棚に戻すと、手を握る。
とある魔法を思い出したのだ。
この世界には、使い手の少ない魔法が存在する。
それは「創造系魔法」だ。
魔術書にも簡単に触れられていたのだが、使える者は希少なのだそうだ。
もし自分が使えれば、カッコいいかもなんて考えてみる。
そんな簡単に使える魔法ではないのだ。
ただ、使える有無の確認方法は簡単だった。
手を握り、魔力を込め、生み出したいものを想像する。
それだけだった。
それをこれから試してみようと思ったのだ。
ルークは握りこぶしに集中力を高める。
生み出すのは、金貨だ。
彼は、金貨を思い浮かべ、握りこぶしに「出てこい」と念じる。
次の瞬間だった。
「・・・!?」
握っている手の中に、何か感触があったのだ。
ゆっくりと手を開いてみると、そこには、金貨があった。
「や、やったー!?」
思わず叫ぶルークだったが、その勢いで立ち上がった瞬間、立ちくらみが発生する。
「あ、あれっ!?」
途端、床にぶっ倒れてしまったのだ。
そして、そのまま意識を失うのだった。




