15-12 合格結果。
合格発表まで、一週間ある。
その間、ルークとフェイドは、剣の稽古をしていた。
ラークネス騎士団の訓練場まで行き、修行に勤しんだ。
ルークは圧倒的に強いため、かなり手を抜きながら戦うことになったのだが。
無論、体力的にも、ルークの方が上であるため、フェイドは途中で倒れてしまうくらいであった。
フェイドが倒れて休んでいる間、ルークは騎士団のみんなの稽古を見てあげていた。
稽古と教官をやってのけていたのだ。
結果、騎士団のみんなは緊張の連続であった。
フェイドと稽古している間はいいとして、稽古が終わった後、自分たちが見られる番だった。
油断できないのだ、ルークの前では。
最強の騎士であり、最強の魔導士なのだ。
下手なことをすれば、どんな制裁が来るかわかったものではない。
などと、戦々恐々な状態だったのだ。
無論、ルークはそんなことはしない。
だから、いつも通り接するように心がけていた。
ラウルやファンブル、レオンはそんなルークに感謝していた。
そして、あっという間に一週間が経っていた。
「よし、んじゃ、行ってくる。」
「はい、行ってらっしゃい。」
ルークは手を振ると、フェイドは魔導士協会へと入っていった。
さて、合格の結果を確認するまで、外で待ちぼうけである。
ちなみに、リリアーナのほうは、特に変化なしだった。
相変わらずフェイドの心配はしているものの、無事であることを伝えると安心するのだ。
フェイドが四つ目と五つ目の上級魔法を扱う可能性は、非常に低かった。
これはレーヴァテインも言っていたのだが、四つ目と五つ目は魔力を大量に喰うのだ。
よって、フェイドのような通常レベルの魔力しか持たない人間には難しいのだ。
ルークのように、大量の魔力でもない限り、難しいものであったのだ。
ルークの無尽蔵の魔力は、「創造系魔法」によって創られたものだ。
これを他人のために使うことは、ルークはためらわれた。
自分は別にいい。
だが、他人にこれを使った場合、何が起きるのかわからないからだ。
ルークも他人の命運を握るなど、そこまで責任が持てないのだ。
だから、「創造系魔法」については、一切誰にも教えていない。
これが知れた瞬間、どんなことが起こるか、わからないからだ。
今は、誰にも知られなくていいのだ。
そんなことを考えているうちに、フェイドが魔導士協会から出てきたのだ。
「ルーク、やったぞ!合格だ!」
ルークに近づき、喜ぶ。
「おめでとうございます、フェイド。」
ルークはコクリとうなずくと、笑顔になるのだった。
こうして、フェイドは念願であった、火系統の魔導士になることができたのであった。