15-8 フェイドの上級魔法の取得。(その二)
翌日。
フェイドとルークは、いつもの修行場所に来ていた。
今日は、リリアーナはついて来ていない。
そして、いつものように結界を張り、そこにフェイドが入る。
「今日から二つ目の魔法です。
魔力制御を意識して!」
「おう!」
またいつもの如く、魔力制御を意識しつつ、二つ目の魔法を放つ。
だが、魔力が足りずに失敗する。
次は、制御に失敗し、暴走する。
などなど、色々問題を孕みつつ、時間が経過していくのであった。
結果、初日は成功することなく、帰還することになるのだった。
夕方、リリアーナの部屋にて。
「今日のお兄様の修行はどうでしたか?」
最近、リリアーナはフェイドの様子を聞くようにしていた。
前はこのようなことがなかったのだが、昨日のことがあってから、聞くようになっていたのだ。
「今日は、完全に魔力制御に失敗していました。
魔法の発動の段階で失敗していたので、ダメでしたね。
まぁ、時間はかかりますが、制御に成功するようになれば、うまくいくかと。」
「そうなんですね。」
それを聞き、リリアーナは安心する。
「心配ですか、フェイドのことが?」
リリアーナは少し考えた後、回答する。
「はい、心配なんだと思います。
お兄様は無茶をしないか、心配で。」
「今のフェイドは無茶はしませんよ。
きちんと己の力量をわきまえていますから。
魔力制御さえ極めれば、次の魔法も簡単なんですけどね。」
「そうなんですね。」
リリアーナはまだ心配なのか、顔色が曇っている。
「大丈夫ですよ。
僕もいますし。
絶対に、無茶はさせませんよ。」
「はい、ルーク様。
お兄様をよろしくお願い致します。」
「はい、お任せください。」
そう言って、ルークはリリアーナに笑って見せる。
リリアーナはルークの笑顔を見て、安心を得るのだった。
それから3日経った。
フェイドは魔力制御の修行をしつつ、魔法を解放していた。
次第に、制御がうまくなっていた。
そして、ようやく完成形が見え始めた。
魔力を解放した際、見事にうまく発動したのだ!
「よし、今の調子です。
もう一度、いきましょう!」
「おう!」
フェイドは汗だくだったが、また気合を入れて集中する。
その日、フェイドは二つ目の魔法を習得するに至るのだった。