2-5 街へ行こう。
翌日。
大きな袋に、パン3個と水袋を入れる。
水袋には水が入っている。
パン3個は念のための食料だ。
帰りは、本を入れるから行きの荷物は軽くていい。
ロングソードを佩き、旅用のマントを羽織る。
季節は秋なので、寒さ対策だ。
袋を担いで、出発の準備が完了した。
とりあえず、村長宅に訪れることにした。
留守にする場合は、必ず村長にお知らせするルールがあるのだ。
ルークは村長宅を訪れると、声をかける。
「村長、いますか?」
「あぁ、いるよ。
誰だい?」
「ルークです。」
「おお、ルークか、どうした?」
そこでようやくルドマンが姿を現す。
「クーラクの街に行こうと思います。
2~3日くらい留守にするかもしれませんが、よろしくお願いします。」
「街に行くのか?
何しに?」
「はい、ちょっと買い物に。」
「そうか、気をつけてな。」
ルドマンはそういうと、あっさりと奥に引っ込んだ。
いつもこんな感じなのだ。
ルークも特に気にせず、村長宅を後にするのだった。
ルークは村を発った。
クーラクの街へは、徒歩で約1日かかる程度だ。
それほど遠くはない。
ルークは体が軽いことに気が付いていた。
肉体を強化しているのだ、軽くて当然だった。
以前、街に行った際は、到着した時に疲れ果ててしまったことを思い出した。
宿屋でぐったりしてしまったのは、あまり思い出したくない思い出だ。
今日は大丈夫そうだ。
特に歩くのが苦に感じないのだ。
「この分だと、夕方には到着するかな。」
ルークは、早めに到着すると予想しつつ、しっかりと歩を進めるのだった。
街に到着したのは、予想通り、夕方だった。
そのまま大衆食堂へ直行し、夕食を食べることにした。
夕食の内容は、普段とあまり変わりない物だった。
固いパンに、色んな野菜を煮込んだスープだ。
スープの中には、少し肉が入っていた。
客が少ない時間帯だったこともあり、すんなりと食事を済ませる。
そして、宿屋に向かい、今日の宿をとるのだった。