14-2 イノシシ、再び。
翌日。
ルークは畑の様子を見た後、家に戻ろうした時、エドガの姿が見えたのだ。
エドガはかなり慌てているようだ。
「どうしたんですか?」
ルークが出迎えると、エドガが焦っているように話す。
「イノシシがまた出たんだ!
しかも、結構でかいんだ。
ルーク、退治してくれ!」
「わかりました。」
ルークはうなずくと、家に戻り、剣と弓矢を持ち出す。
そして、“情報収集”にて村内をチェックする。
畑にイノシシが一頭確認できた。
「行きましょう!」
そして、エドガと共に、イノシシの元へ向かうのだった。
畑周辺には、村人たちがイノシシの様子を伺っていた。
体長は二メートルくらいありそうだ。
かなり大きい。
おそらくオスだろう。
ただ、一匹だった。
メスや子どもの姿はない。
イノシシは畑をほじくり返し、出来立ての野菜を食べていた。
今の時期、まだ野菜の収穫には早いのだ。
あと、一週間ほど待ってから、収穫が開始される予定だった。
そこを狙って、イノシシが畑に現れたのだろう。
人間のことを気にする様子もなく、堂々と畑の野菜を食っていたのだ。
村人たちは弓矢を持っていたものの、射掛けることができなかった。
イノシシに突撃でもされたら、敵わないからだ。
「あれだ、ルーク。」
エドガとルークはようやく到着し、エドガが指をさす。
「結構大きいですね。
じゃ、僕が倒します!」
「いや、大丈夫かよ!
おまえが強いのは知っているけど、危ないぞ!」
「大丈夫ですよ、熊も倒したことありますし。」
ルークはそう言うと、あっという間に畑に入っていく。
イノシシとの距離はまだあるものの、弓矢を構える。
そして、矢を放つ!
矢は、イノシシの左目に突き刺さる!
途端、イノシシはもがき苦しみ、右目でルークを睨み付ける。
そして、体制を整えるや、突進してきたのだ!
ルークは弓を捨て、剣を引き抜く。
赤く煌めく剣は、次の瞬間、赤光の如く、すごい勢いでイノシシへと走る!
ルークがイノシシに向かって突進したのだ!
イノシシとルークが交差した瞬間!
「ザクリッ!!」と鈍い音が響くや、イノシシの首が吹き飛んだのだ!
イノシシの体は、そのまま駆け抜けて、地面に激突し、動かなくなった。
一瞬の静寂の後、村人たちが歓喜の声を上げる!
「あいつ、やりやがった!!」
皆、ルークの勝利に歓喜していた。
ルークは剣をしまい、弓を手にする。
こうして、イノシシは討伐されたのだった。
その後は、イノシシは捌かれ、宴会のメニューとなったのだ。
皆、おいしそうにイノシシ肉を頬張っていた。
ルークも久々に、イノシシ肉を楽しむことができるのだった。