表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第12章 侯爵の娘の家庭教師を務めることになりました。
144/526

12-9 上級魔法を使いこなす。(三つ目)

翌日。

いよいよ難関といわれる三つ目の魔法だった。

そう、ルークが無詠唱で使った、“氷結晶冷破(ダイヤモンド・ダスト)”である。

難関ではあるが、使い手は存在する。

だからこそ、できなくはないのだ。

ミシェリは覚悟を決めて、結界内に入る。

呪文を唱え、解放する!


「“氷結晶冷破(ダイヤモンド・ダスト)”!!!」


だが、何も起きなかった。

かかしもどきも健在だ。


「・・・あれ?」


「ミシェリ殿、魔力が全く足りない。

 もっと魔力を使って構わない。」


「はい!」


再度、ミシェリは魔法を唱える!


「“氷結晶冷破(ダイヤモンド・ダスト)”!!!」


今度は、氷の結晶のようなものが、かかしもどきに付着したが、それだけだった。


「ミシェリ殿、魔力が全く足りない。

 もっと魔力を使って構わない。」


「はい!」


ルークに同じ注意をされ、ミシェリは、くじけないように返事をするのだった。

その後、何度も続けたものの、氷の結晶が出せるようになるのがせいぜいであった。

ルークは、途中で中止し、魔法の概要を復習することにするのであった。



それから、5日経った。

ミシェリは、一向に使える気配がなかった。

発動はしている。

だが、魔力がうまく調整できないのだ。

そこで失敗していた。

へこたれそうになっていた心を無理やり、奮い立たせていた。

頑張り続けていたのだが、やはりできなかった。

魔法発動を数回続けた後、ミシェリはルークを見て、呟くのだ。


「・・・ルーク様、私は、やっぱり才能がないのでしょうか?」


「えっ?」


「だって、だって、全然、うまく、いかないんですよ・・・

 これって、才能、ないんですよね?」


ミシェリはいつの間にか、ポロポロ涙をこぼしながら、語っていた。

ついに、心が折れてしまったのだ。

ここまで頑張っても、失敗ばかりだった。

もう、どうすることもできないのだ、そう思い込んでしまっていた。

その時、ルークが近づくと、ミシェリの頭を撫でたのだ。


「そんなことはないよ、ミシェリ殿。

 君は、才能がないわけじゃないんだ。

 君は今、挫折を味わっているかもしれない。

 だけど、君はこれまで努力してきたじゃないか?

 あと一歩踏み出すんだ、それだけだ。

 それだけで、君はできる自分になるんだ。」


ルークはその後、ミシェリが泣き止むまで、やさしく頭を撫でるのだった。

その後、練習を中止し、ミシェリの心が落ち着くまで、頭を撫でつつ一緒にいてあげるのだった。



翌日、6日目。

ミシェリは気合が入っていた。

昨日、ルークの前でポロポロ涙をこぼしたが、ルークが励ましてくれたのだ。

泣き止むまで頭を撫でてくれた。

ルークの優しさが、ミシェリの原動力となっていた。

今日こそ成功させる勢いだった。

その結果、見事に成功させるのだ!

ミシェリは魔法を解放する!!


「“氷結晶冷破(ダイヤモンド・ダスト)”!!!」


瞬間、結界内のかかしもどきが全て()てつくと、砕けたのだ!


「や、や、やったー!!」


ミシェリは大声で喜んだ。

ルークも笑顔になっていた。

ミシェリは、ルークを見ると、声をかけるのだ。


「次、やります。

 忘れないうちに。

 お願いします!」


その後、ミシェリはことごとく成功させてみせたのだ。

こうして、三つ目の魔法も完成に至るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ