表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第12章 侯爵の娘の家庭教師を務めることになりました。
136/526

12-1 風系統の魔導士試験を受けよう。②

筆記試験が終わり、次は実地試験となる。

広い庭のような場所に来ると、マントを脱いで待つ。

すると、審査官5名と、ユーディス、そしてなぜかルードベルゼンがやってきた。

審査官の1人が、ルークの元へ来ると、挨拶を交わす。


「閣下、お初にお目にかかります。

 私の名は、ガイウスと申します。

 今回、審査官代表を務めますので、よろしくお願い致します。」


「はい、こちらこそよろしくお願い致します。」


ちなみに、今回の審査官は全員風系統の魔導士である。

つまり、火と水系統の魔導士である、ルードベルゼンは審査官ではない。

では、なぜ、この場にいるのか。

それは、ルークが四系統をマスターするのを、見届けるためだった。

ルークはそのことを知らないのであった。

ルークは、結界内に入ると準備を行う。

まずは、かかしもどきを出現させる。


「閣下は、結界術式に干渉する力をお持ちなのか!?」


ガイウスは驚いていた。

ルードベルゼンは、このことを初回から知っていた。

だが、誰にも言っていなかったのだ。


「では、一つ目の魔法をお願いします。」


ガイウスの言葉に、ルークが反応する。

魔法を唱え、解放する!


「“極大風凝縮爆発波(エアリアル・ブレイク)”!!!」


大気中の空気が高圧縮され、かかしもどきが大爆発を巻き起こす!

埃が舞い散る中、かかしもどきは粉々に砕けた。


「うむ、問題ない。」


ガイウスがうなずくと、結界内の埃は一斉に消える。


「では、二つ目の魔法をお願いします。」


ルークは、かかしもどきを複数出現させると、呪文を唱える。

そして、解放する!


「“極大風衝撃破(エアロ・インパルス)”!!!」


大気中の空気を凝縮し、全方向に極大の衝撃波がまき散らされる!

かかしもどきたちは、衝撃波を喰らった瞬間、バラバラに斬り裂かれていく!


「うむ、問題ない。」


ガイウスがうなずくと、結界内を荒狂っていた衝撃波が消える。


「では、三つ目の魔法をお願いします。」


ルークは再び、複数のかかしもどきを出現させる。

そして、呪文を唱え、解放する!


「“極大雷衝撃波(サンダーボルト)”!!!」


結界内を極大の雷が荒狂う!

かかしもどきに当たった瞬間、焼失したのだ!


「うむ、問題ない。

 いよいよ、未知の領域ですぞ、ユーディス殿。」


ガイウスの言葉に、ユーディスはうなずくのだった。



結界内の雷が消えると、ガイウスは静かに深呼吸する。

ガイウスもユーディス同様、四つ目と五つ目の魔法を見たことが無いのだ。

だから、2人にとって、未知と遭遇する前の状態であったのだ。


「では、四つ目の魔法をお願いします。」


ルークは、まず、結界術の強化を行った。

すると、結界が強化されるのだ!


「結界が強化された!?

 それほど威力が大きいのか?」


ユーディスは思わずつぶやいていた。

ルークはかかしもどきを一つ用意すると、呪文を唱える。

そして、解き放つ!


「“(トメンダス・)(ライトニング)”!!!」


瞬間、大気の空気を真空化し、かかしもどきに極大な雷を叩き落されたのだ!!

「ズドォォーン!!」と凄まじい音と、とてつもない威力を誇る雷が鳴り響いたのだ!

あまりの凄さゆえ、皆が驚き固まった。

ユーディスは目を見開いていた。

これほどの威力を誇る魔法だったとは思わなかったからだ。

やはり理解が足りていなかったのだ。

安易に唱えられるレベルの魔法でないことに、気が付いたのだ。


「素晴らしい。

 そして、凄まじい!」


ユーディスの感想に、ガイウスはうなずくのみである。

ちなみに、ルードベルゼンは固まっていた。


「いよいよ、五つ目の魔法ですぞ、ユーディス殿。」


「うむ、我々にも理解できなかった魔法か。」


ユーディスとガイウスは唾を飲みこむ。


「では、五つ目の魔法をお願いします。」


ルークは、結界内に複数のかかしもどきを用意する。

次の魔法は全方位攻撃型の魔法だったのだ。

呪文を唱え、解放する!


「“極大風雷破壊滅(エアリアル・サンダー)”!!!」


瞬間、風と雷が荒狂う空間を作り出し、全てを破壊しつくす!

かかしもどきは、一瞬にして破壊し尽くされていった。

これには、皆、口を開けたまま、固まるより他なかった。

結界内は、風と雷が荒狂っている。

結界の外にまで影響を与えそうな勢いである。

だが、ルークが結界を強化したため、その影響はなかった。

ユーディスとガイウスは、ただひたすら見ていた。

これが究極の魔法なのか、と。


「素晴らしいかな、そして、凄まじいものだ。

 我々が追い求めていた魔法がこれほどのものとは。

 ・・・はぁ、まさかこの目で見ることができるとは。

 長生きしてみるものだ。」


ユーディスはルークに感謝していた。

生きているうちに究極の魔法を目にすることができたのだ。

これほど素晴らしいことはない。

ガイウスもまた、同じ気持ちだった。

結界内が静かになった時点で、ルークは結界の外に出た。

そして気が付いた。

全員、感動に浸っていることに。

これはしばらく声をかけても無駄かなと思うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ