11-11 帰還。
翌日。
ルークは、クーラク騎士団に別れを告げると、“瞬間移動”で村に戻っていた。
そのまま村長宅を訪れ、帰宅の旨を告げることにした。
「今回も、帰りが遅かったんだな。
何があったんだ?」
「はい、実は、都市ラークネスまで行きまして、
騎士団の合同訓練に参加したんです。
僕は、基本、審判やアドバイスしかしていませんが。」
ルドマンはそれを聞いて、疑問に思ったのだ。
「そういえば、ルークも騎士だよな?
訓練に参加しなくていいのか?」
ルークは苦笑する。
「確かに、僕も騎士ではありますが、実力がありすぎるといいますか、
騎士たちの手本にならないんですよ。
ということで、僕は基本的に、皆を助ける立場を務めたんですよ。」
「そうか。
んじゃ、ルークは修行しなくていいのか?」
この突っ込みに、ルークは困る。
ルークは特に修行しなくても、強すぎるのだ。
だから、ほとんど修行が不要だったりするのだ。
「そうですね。
自主的に行うつもりですよ。
ですが、騎士たちと一緒には、訓練はできませんね。
強すぎるので。」
「そうかそうか。
ルークも大変なんだな。
やっぱ、偉くなると、大変なんだろ?
皇帝陛下様の騎士なんだし。」
ルドマンの言葉に、ルークは苦笑するしかない。
まさに、その通りだった。
「そうですね。
偉くなると、本当に大変です。
今後も、色々付きまといそうですよ。」
ルークはそう述べると、今後のことが、心配になるのであった。
結婚相手しかり、居住の件しかり、色々とである。
「まあ、ルークの選んだ道だ。
頑張れよ、ルーク。」
ルドマンは、ルークを励ますのであった。
ルークは自宅に戻ると、普段着に着替えた後、日誌をつける。
そうだ、日誌をつけ終わった後、畑を見に行こう。
最近、全然見れていないのだ。
草抜きとかしないといけないかもしれない。
ルークはそんなことを考えるのだった。
その後、畑の様子を見に行ったところ、草だらけになっており、驚いた。
草は思いのほか多く生えていたのだ。
土が変わった結果、ここまで生えるものなのか。
ルークは急いで草抜きを行うことになった。
結果、夕方近くまで、草抜きに時間を取られることになる。
そして、日が暮れるのであった。