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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第11章 騎士団の演習につき合わされました。
129/526

11-7 ウォーザード伯爵との会談。①

翌日。

演習6日目である。

模擬戦訓練中に、ルークはラウルに呼び出された。

審判を変わってもらい、ルークはラウル団長の元に向かった。


「どうしましたか、ラウル団長?」


「はっ、伯爵様が今晩、ルーク様と会談したいと申しておりますが、

 いかがでしょうか。」


会談?

挨拶ではないのだろうか?

何か重要な案件でもあったのだろうか?


「会談ですか?

 何か重要なことでしょうか?」


これにはラウルも首を横に振る。


「残念ながら、私にも会談の内容はわかりません。

 ただ、伯爵様からの申し出なので、ご返答頂ければ。」


ルークは考えてみたものの、思い当たるのは、フェイドの事ぐらいだった。

とりあえず、会って聞いてみるべきか。


「わかりました、今夜の会談に参加します。

 城へ向かえばよろしいのでしょうか?」


「ありがとうございます。

 何でも迎えを寄越すとおっしゃっておりますので、お待ち頂ければよいかと。

 また、夕食も共にしたいとのことでした。」


「そうですか。

 ありがとうございます。

 では、模擬戦が終わったら、隊舎で待ちましょう。」


「はっ、ではそのように。」


そう言うと、ラウルは隊舎へと移動していく。

ルークは審判に戻るべく、訓練場へと向かうのだった。



夕方。

模擬戦は終了し、皆、夕食の準備に取り掛かっている。

ルークは隊舎へ向かうと、執事らしき男性が待ち構えていた。


「ルーク様でしょうか?」


「はい、自分がルークですが。」


「伯爵様のご命令に従い、お迎えに上がりました。

 馬車を用意しておりますので、どうぞこちらへ。」


ルークは執事に従い、訓練場の外に出る。

そこに馬車があり、乗せてもらうことになった。

馬車はまっすぐに、城を目指す。

その間、ルークは執事に質問してみることにした。


「伯爵はどういった用件で、僕を呼んだのでしょうか?」


「申し訳ありませんが、私も存じておりません。」


思いっきり謝らせてしまった。


「あぁ、そうですか、すみません、変な質問をしてしまって。」


「いえ、お気になさらず。

 執事たるもの、主の考えがわからない時もあるのです。

 誠に申し訳ない事ですが。」


何でもかんでも理解している執事がいたら、それはそれで怖い。

ルークは、質問するのをやめるのだった。

やがて、馬車は城に到着し、ルークは城内へと入るのだった。



最初に通されたのは食堂だった。

会談の前に、伯爵と一緒に食事をすることになったのだ。

伯爵はまだ来ていないようだ。

伯爵が座るであろう席の対面に座らされる。

そして、待つことしばし。

ウォーザード伯爵が姿を現し、ルークに深く頭を下げたのだ。


「お待たせして申し訳ありません、ルーク閣下。」


ルークは立ち上がると、挨拶を交わす。


「お久しぶりです、ウォーザード伯爵。

 お元気そうでなによりです。」


その言葉に、伯爵は笑みを浮かべる。

伯爵はそのまま自分の席に座ると、ルークも座る。


「お久しぶりにお会いするのです。

 ゆっくり語らうとしましょう。」


伯爵はそう言って、夕食の準備を指示するのだった。



夕食を頂いている間、会談内容でも話すのかと思ったが、たわいない世間話ばかりだった。

また、ルークの近況についても聞かれた。

クリシュナ皇太子に会ったことや、近衛師団団長ベルガ―と決闘したこと。

また、皇帝陛下に出会い、魔法騎士の称号を頂いたこと。

そして、正式に叙勲されたことを報告した。

それを聞いていた伯爵は、最初は驚いていたものの、やがて笑みを浮かべ笑っていた。


「なるほどな。

 ルーク様も、皇帝陛下に認められたということですな。」


その言葉に、ルークはちょっと困る。


「そうなんでしょうか?

 急に陛下が現れて、僕に魔法騎士を任命して去ってしまわれたので。

 唐突すぎて、びっくりするほかなかったですよ。」


それを聞いて、伯爵は笑い出す。


「はっはっは。

 陛下も人が悪い。

 ルーク様を驚かせるために、一芝居打ったのかもしれませんな。」


「そうだとしたら、陛下は流石ですよ。」


伯爵につられ、ルークも笑い出す。

こうして、夕食会は和やかに進むのであった。

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