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創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第11章 騎士団の演習につき合わされました。
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11-6 演習。

翌日。

いよいよ、合同演習が開始された。

皆、基本的な剣の使い方から、動き、立ち回り、そういったことを行っていく。

これを繰り返し覚えることにより、無駄の少ない動きを確立できるのである。

また、訓練場を鎧や剣を装備したまま、走ったり、剣を振るったりしている。

持久力の強化である。

皆、動きは良い。

それは、上官であるルークに叱られないようにするためであった。

当の本人、ルークはそんなことを知らない。

皆の動きがいいことに、関心していたのだ。


「今日は一段と動きがいいな。」


ルークがポツリと呟く。

ラウルが同意するように話す。


「左様ですな。

 そういえば、ウォーザード伯爵も近々見学にいらっしゃるそうです。

 ルーク様にお会いに来るのでしょうな。」


「僕にですか?

 フェイド・・・殿ならわかりますが、伯爵は特に用事もないはず。」


いつもの癖で「フェイド様」と言いかけて、慌てて「様」を言わないようにした。

そこに気が付くことなく、ラウルは言葉を続ける。


「恐らくですが、ルーク様が魔法騎士に就任された

 お祝いに来られると思われます。

 ルーク様は貴族も治める立場です。

 貴族が挨拶しないわけにはいかないでしょう。」


「そういうものなんですね。

 僕から出向いてもよかったんですが。

 そういえば、フェイド殿は来てないんですか?

 こういうイベントなら、来るような気がするのですが・・・」


ラウルは頬をかきつつ、困ったように答える。


「私も来ると思ったのですが、今のところ来る気配はありません。

 フェイド様も遠慮されているか、他の修行でお忙しいのでしょう。」


それを聞き、ルークも納得する。


「そうですね。

 魔導士の修行もありますからね。

 忙しいのかな。」


そう感想を漏らすと、視線を騎士たちに集中させるのだった。



昼休憩の後、ルークは騎士たちの周りを歩きながら、全員の動きをチェックしていた。

そして、動きにムラや無駄があれば、注意やアドバイスを行う。

頼まれていた教官の役割をこなしていたのだ。

これがまた、いい効果をもたらしたのだ。

ルークは知らないことなのだが、ルークに注意やアドバイスをもらった騎士は、さらに頑張ったのだ。

魔法騎士という地位にいるルークに、アドバイスをもらったことに、興奮していたのだ。

そして、その興奮がやる気に直結したのだ。

その結果、更に動きがよくなる結果をもたらしたのである。

ちなみに、ルークは、注意やアドバイスのみを行うだけで、誰も褒めていない。

だが、その注意やアドバイスが、騎士達に良い効果を与える結果となっていたのだ。

結果、この演習期間に、皆の動きが良くなるのだった。

そして、ルークは自分の行いで皆の動きが良くなったことを、一切知らないままなのであった。



夜。

クーラク騎士団は訓練場より離れた位置にあるテントで、夕食を摂り休む。

ルークは別だった。

ルークはラークネス騎士団の隊舎の客室で休むことになった。

完全に上官優遇措置であった。

ちなみに、ルークも最初はテントでいいと言ったのだが、両騎士団から却下されたのだ。

そんなわけで、ルークは隊舎でゆっくりと休むのだった。



2日目、3日目と同じメニューが続き、4日目から模擬戦と団体模擬戦が開始された。

模擬戦は、騎士同士、一対一の勝負である。

ルークは審判役である。

騎士達の手には、木刀が握られていた。

真剣でやるわけにはいかないのだ。

ただし、鎧は身に着けている。

本番形式で行われるのだ。

騎士同士が戦い、一本取ればお終いである。

ルークは双方の動きを観察し、しっかり分析していた。

そして、試合終了後、双方にアドバイスを行っていた。

これもまた良い効果を生むことになるのだが、ルーク本人の知るところではない。

次々に騎士たちが戦う中、ルークは騎士たちの動きをきっちり観察するのだった。



次に、団体模擬戦が開始された。

ルークはまたも審判役である。

これは50人VS50人の騎士同士による決戦である。

武器は木刀である。

一度でも体に木刀が触れたらアウトとなり、退場となる。

ルークは、“情報収集(サーチ)”も活用して、戦局を眺めていた。

そして、試合が終わるたびに、一人一人に、簡潔にアドバイスを行う。

やがて、数回団体模擬戦が繰り返され、夕方となっていくのだった。



5日目。

4日目同様に、模擬戦と団体模擬戦が行われた。

ルークは疲れも知らずに、淡々と働いた。

きっちりアドバイスもした。

怪我した騎士の回復も行った。

これには、びっくりする人もいた。

こうして、残すところ2日となるのだった。

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