10-8 熊退治!と宴会。
翌日。
ルークは、弓矢と剣を持って、森の中を歩いていた。
熊の居場所はわかっていた。
常時、“情報収集”を起動しているからだ。
やがて、森を抜け、開けた場所に出る。
そこに、熊はいた。
体長は3メートルくらいありそうな、巨大な熊である。
熊は、どうやらこちらに気が付いたようだ。
そして、明らかに威嚇している。
ルークは弓をかまえ、矢をつがえる。
そして、放つ!
矢は熊の眉間に突き刺さる!
だが、倒れない!
熊は怒ったのか、こちらにゆっくり向かってきた。
その間に、第二射を準備する。
すぐさま、矢を放つ!
次は、熊の左目に突き刺さる!
熊はもがき苦しむ。
「悪いが、村に来る可能性がある以上、ここで倒れてもらう。」
ルークは、そう呟くと、第三射を構える。
その時、熊は起き上がり、ルークに向かって、走り始める!
ルークは矢を放つと、弓を捨てる。
矢は、再び熊の眉間に当たるが、動きは止まらない!
熊はルークに向かって立ち上がるや、腕を振り上げる!
そして、その腕を振り下ろした瞬間、ルークは剣を引き抜き、腕を斬り裂く!
「グガァァァッ!!!」
熊は絶叫する。
そこで熊が倒れた瞬間を狙い、ルークは熊の首を撥ねていた。
熊は絶命した。
熊の死骸は、しばらくぴくぴく動いていたが、やがて動かなくなった。
ルークは捨てた弓を拾い、縄を取り出す。
縄を熊の片足に括り付け、引っ張って村に運ぶのだった。
夜。
村総出で、宴会が催された。
熊肉による宴会である。
皆、ルークの活躍を称えていた。
ルークは、初めて食べる熊肉に、驚くのみだった。
匂いはきついが、肉は甘みがあり美味いのだ。
ルークは、貴重な肉が食べられることに、喜んだ。
宴会は夜中まで続くのだった。