表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造系魔法使いのスローライフ!?  作者: 稀硫紫稀
第10章 皇太子に呼び出されました。
116/526

10-5 “魔法騎士”の誕生。

皇帝陛下は、クリシュナを見やると、声をかける。


「さて、クリシュナよ。

 貴殿はルークを勧誘していたようだが、今回は貴殿の負けだ。

 諦めるといい。

 そして、今後も諦めるのだな。」


その何かを含んだ言葉に、クリシュナが噛みつく。


「父上、それはどういう意味ですか!?

 私はまだルークを諦めたわけではありませんぞ。

 今回はルークとの約束がありますので諦めますが、

 彼が四系統の魔法をマスターした際、再度勧誘する分には問題ないでしょう?」


クリシュナの言い分は最もだ。

だが、皇帝陛下は首を横に振りつつ、答える。


「そうではない。

 余は既に決めたのだ。

 ルークには、今この場において、しかるべき名誉を与えるとな。」


「はい?」


さすがのクリシュナも、言っている意味がわからなかった。

そのクリシュナを無視して、皇帝陛下はルークに向き直る。


「ルークよ、この戦い、余は“遠見(ホーク・アイ)”にて、全て見ていた。

 見事であった。

 「魔剣生成」もさることながら、全身に魔力を流して身体強化を行うなど、

 大したものだ。

 貴殿は、余の見込みを超えた存在となったのだ。

 よって、貴殿に見合う地位と称号を与える。

 ルークよ、貴殿に“魔法騎士”の称号を与える。

 皇帝陛下直属の騎士となることを命じる。」


これには、ルークは固まるほかなかった。

まさか、皇帝陛下の騎士に任命されるとは思わなかったのだ。

しかも、伝説の“魔法騎士”に。

クリシュナは絶句していた。

まさか、先にルークに地位と称号を与えるとは思ってもみなかったのだ。

完全に、クリシュナの負けだった。


「ただしだ。」


皇帝陛下の言葉には、続きがあった。


「ルークよ、自由騎士として、自由行動を許す。

 いちいち、王城に来る必要もない。

 余が呼んだ時に来ればよい。

 自由にしている間に、残り二系統をマスターするといい。

 それから細かい規定は、レヴィを通じて知らせることにする。

 レヴィよ、ルークに近衛師団の制服を渡してやれ。

 魔法騎士用の制服がないのでな、そのうち作らせる。

 ルーク、貴殿に断る権利はない。

 よいな?」


「は、はい。」


これには、ルークも受けざるをえなかった。

断ることすら拒絶されたのだから。


「それから、ルークよ。

 その魔剣の名を聞かせて欲しい。

 今、名付けてもかまわん。」


その言葉に、ルークは考える。

戦闘中、“斬り裂くモノ”と名付けたが、それではなんか危なっかしい。

もっといい名前を付けることにした。


「レッド・セイバーと名付けます。」


「なるほどな、赤く煌めく剣にふさわしい名だ。

 では、ルークよ。

 また会おう。

 さらばだ。」


皇帝陛下はそう告げると、一瞬にして姿が掻き消える。

瞬間移動(テレポート)”で移動したようだった。



こうして、ルークの一件は解決したのだった。

ルークは“魔法騎士”に任命され、皇帝陛下直属の騎士となった。

しかも、回避不可だった。

ルークが正式に“魔法騎士”に叙勲されるのは、後日のことであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ