9-2 種植えをしよう。
翌日。
少し早いが、人参とカブの種植えを行うことにした。
明日出かけるので、このタイミングを逃すと種植えの時期が遅れてしまうからだ。
ということで、今日行うことにしたのだ。
まずは、種の購入だ。
この村の唯一の購買店に赴き、人参とカブの種を購入する。
自宅に戻ると、今度は畑の手入れだ。
鍬をもって畑に行く。
そして、畑を耕すのだ。
畑の土はまだ固い。
以前の自分なら、畑を耕すのに時間がかかりすぎていたのだが、今はさくさくと進められる。
畑自体は、それほど広くない。
一人で食べる分しか、育てないからだ。
そんなわけで、かなり早い時間で、耕すのが完了した。
種植えの前に、一つ試したいことがあった。
村長の話にもあったのだが、この辺りの土は固くあまり栄養価がない。
その結果、作物もあまり大きく育たないと言う。
確かに、人参も細いし、カブも小さいものばかりだ。
では、土が良くなれば、改善されるのではないかとルークは考えた。
ということで、実験である。
ルークは、範囲を畑全体に指定し、土に手を触れる。
そして、「創造系魔法」を発動させる。
いい土に生まれ変われと、願ったのだ。
だが、何も起こらなかった。
そこで、土を握ってみた。
「あれ、柔らかい!?」
そう、固い土が柔らかくなっていた。
心なしか、色も黒く、良い色合いだったのだ。
いつもの固くて、土の色も良くない状態ではなくなっていたのだ。
どうやら、成功したようだ。
さて、次に種植えだった。
種植えは、すぐに終わった。
以前は、腰を曲げるため、こけそうになったり、転びそうになったりと大変だったのだが、今回は安定してできたのだ。
あとは、水を軽く撒いてお終いである。
早速バケツに水を汲み、水を少しづつ撒く。
終わったのが、昼過ぎであった。
そして、最後に祈るのである。
「今年も良い実りを。」
そう祈った後、後片付けを行うのであった。