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14 黒ギャルに食べられる

 ◆◇◆


 海の上で過ごす夜。


 船内の寝室は、机の上に蝋燭が一本灯されているだけなので薄暗い。


 普段はアイリと2人で寝ているのだが、今晩はミイナと。


 偽装結婚とはいえ、初夜を行わないといけない。


 アイリは別室で寝る。

 催淫を使わない限り、俺はミイナの体に触れないと信じてくれている。

 ミイナは魔法が使えない子らしい。何も起きはしない。


 この初夜の後は、俺が気が向いた時にだけ召し出すとミイナと約束とした。一緒に寝るだけで、体には決して触れない。

 ハルザ市の女の子たちに怪しまれない程度にミイナを寝室に呼ぶ。


 日頃、アイリに【催淫】、【精力回復】、【睡眠不足解消】を使われて、ヤク中のような生活をしているからな。ミイナと寝る時は休養しよう。

 堂々と休めるから、俺にとっては都合がいい。しめしめと思った。


 俺は青色のパジャマ姿。寝る気まんまんでベッドに横たわる。

 しかし問題は……魅惑の黒ギャルが隣で寝ているのに心安らかでいられるかだ。


 エキゾチックで17才の弾けるような肉体……

 ノルデン王国の色白の美女たちとはまた違った魅力があるのは確か。

 

 ごくり


 ミイナは白いパジャマ姿で何かしている。


 トクトクトク。

 液体が注がれる音。


「おーさま、ハーブティーを飲まない?」

 ミイナがコップを差し出してきた。


「ん、何これ」

「鎮静、安眠効果のあるハーブを煎じたんだよ。よく眠れるんだって」

 さわやかな草の香りが漂ってきた。


「へぇ」

「あ、あたいが隣にいたら、おーさまがよく眠れないんじゃと思ってさ。自意識過剰って言われそうだけど」


 なんと、ミイナは俺が男子の(さが)で心穏やかじゃないことを見抜いていた。

 気を遣ってくれて優しい子なんだな。


「いいね。ありがとう」

 俺は身を起こして、コップを受け取る。

 ハーブティーに口をつける。ぬるい。


 ごくっごくっごくっ

 一気に飲み干して、コップをミイナに返す。


「にひひ」

 ミイナが含み笑いをした。


 ん、何がうれしいんだろう……

 俺と一緒に寝るだけで喜んでいるのかな?


 ミイナがベッドの隣に入ってくる。

 柑橘系の香水の良い匂いがする。


「お、おやすみっ」

 俺は誘惑に負けないよう寝そべって目を閉じる。


 ドキドキドキドキ

 鼓動がしてたまらない。俺は18才のオスですからね。

 鎮静効果のあるというハーブが早く効かないかな。


 ドクンドクンドクンドクン

 あれ、なんか鼓動が激しくなってきた。


 かあああああああっ

 胸が熱い。


 まるで【催淫】をかけられたみたいなんだけど。

 アイリの【催淫】よりムラムラしてきた。おかしい。


 もしかして鎮静効果のハーブって大嘘で、超強力な媚薬を飲まされたんじゃないのか。


「おーさま、マジで大好き♡」

 ミイナが俺の左腕に抱きついてきた。ミイナの巨乳に腕が挟まれている。


「や、止めろ」

 俺の意識が混濁してきた。頭ではミイナを振り払おうとしているのに体が勝手に動く。

 ミイナとくっつこうとしてしまう。


 ミイナが身を起こして、俺に覆い被さる。

「ごめんねー おーさまには伝説級の媚薬を飲ませちゃった。父さんが既成事実ってのを絶対に作りなさいって渡してくれたんだよなー」

 テヘペロな感じで舌を出す。


「ヤバい、ヤバいよ」

 俺は体が焼けるように熱くて、うめく。


 ミイナが唇を近づけて来る。

 俺の記憶はそこで途切れた。


 ◆◇◆


 はっ


 突然、俺は意識を取り戻した。

 窓から陽の光が差し込んでいる。

 も、もう朝なんだ。


 身を起こすと裸でベッドで寝そべっている。

 左隣でミイナがすやすや寝息を立てている。


 ミイナはカバーをかぶっている。

 恐る恐るカバーをめくると、ミイナはパジャマを着てなくて、裸だ。


 俺は何をしたんだ……


「あ、おーさま、おはよー」

 ミイナが目を覚ます。俺を見て、ミイナは顔を赤くする。


「おーさまはとっても素敵だったよ。あ、あたいの初めてをもらってくださってありがとうございました」

 乙女ちっくに恥ずかしそうにするミイナ。


 そんな……そんな……ひどいよ。

 媚薬飲ませるんて。


 全く記憶がない。ものすごく強力なやつだったんだ。


 ミイナがカバーをまくる。

「ほら、ちゃんと血が付いてるでしょ。本当に初めてだったんだからねっ」

 

 シーツに赤い染がある。

 俺は確かにミイナを処女を奪ってしまったんだ……

 

「あたい、避妊の薬は飲んでないからね。子供を授かったら責任とってね」

 潤んだ目で見つめられる。


「ひいいい」

 俺がミイナを犯したというより、俺は犯された方だろ。それで責任取れって無茶苦茶だ。


 ミイナは形だけの第二夫人のはずが、アイリより先に子供ができちゃう。

 アイリと俺のラブラブな関係に亀裂を走らせること間違いなしの大トラブルだよ。


「おーさまの子供はきっと可愛らしいよ。子供に罪はないから、大事にしてよね」


「ううう……」

 そりゃ子供が産まれてくるのは、めでたいことなんだろうけどさ。


「新しい能力【ドロップ率(大)】を獲得しました。女性または自分に授与してください。考慮時間は3分です。時間を過ぎた場合は自分に授与されます」

 女の声が俺の頭の中に響く。


 【ドロップ率(大)】は多分、バトルでモンスターを倒した後のアイテムやお金のドロップ率が上がる。商人が獲得しそうな能力である。


 ミイナが、じーと俺を見ている。新しい能力が発現したと気づいてそうだ。


 【ドロップ率(大)】はレアな能力じゃないと思うけど、ミイナに授与してやるのは、なんか腹立たしい。

 俺がもらっとこうか。


 しかし、ミイナが新しい能力を授与されないと、ハルザ市の女の子たちは初夜をともにしたのかと疑う。


 ちくしょう。ミイナに授与しないわけにいかないじゃないか。


「あっ あたいに【ドロップ率(大)】を授与って聞こえた」

 ミイナが驚いている。


「今回だけだからね」

 俺はちょっと苛立ちを込めて言い聞かせる。


「ぐすっ あたいは亡国の女で、おーさまに見捨てられるんじゃないかと不安でたまらないんだ。子供ができて、ようやく安心できるからさ」

 すぐに嘘泣きするミイナ。


 俺は、ミイナは小悪魔だと認識した。弱者のふりをして、ちゃっかり欲しいものを手に入れていく。

 ミイナのおねだりには気をつけよう。


「おーさま、子供ができてなかったら、あたいは第二夫人だからさぁ、時々はあたいを抱いてよね」


「え、それはなし」

 俺は即座に却下。


「だけどさ、あたいに新しい能力が授与されていかなかったら、あたいがおーさまに大事にされていないってことが明らかじゃん。ハルザ市の子たちが不安を感じるよ」


「あ……」

 俺はハッとする。


 ミイナの言うとおり、新たな能力を授与されたかどうかで、どの女の子と俺が閨をともにしたのかバレバレだ。


 俺とミイナの結婚は形式的なものとしたくても、新たな能力を獲得されないと他の女の子に不審を抱かせてしまう。


 【能力授与】ギフトは、俺の夜の相手を可視化し、いわば俺の寵愛バロメーターとして働く。

 ミイナにも多少の寵愛を配分してやらないと、ハルザ市との友好関係に響く。


 つくづく【能力授与】ギフトが忌々しい。俺を自由に生きさせてくれない。


「おーさま、こうなったら開き直って、媚薬は無しにしよーぜ。欲望の赴くままに、あたいを汚してよ。おーさまにだったら何をされても構わないし、あたいも一生懸命ご奉仕するからさ」

 ミイナが悪魔の囁きをする。


 俺は完全にミイナの罠に絡めとられて抜け出せなくなっていることを悟った。

ブクマ、ご評価ありがとうございます。


恥ずかしい話を開き直って書いていますが、応援を賜りますととても励まされます。

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