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24 ルナと閨をともにする3

 ◆◇◆


 ルナがうつ伏せでハアハア息をしている。


 女性経験の少ない俺としては精一杯頑張ってルナを愛したつもりだ。


 だからこそ不倫の罪悪感に陥ってしまい、俺は三角座りをして頭を抱えている。


「新しい能力【死を喰らう者(デス イーター)】を獲得しました。閨の相手または自分に授与してください。考慮時間は3分です。時間を過ぎた場合は自分に授与されます」


 女の声が俺の頭の中に響く。


 死――恐ろしげな能力だ。

 慌ててルナに話しかける。


「ねえ、【死を喰らう者】っていう能力なんだけど、ルナに授与するのでいいのかな。何に使うんだろうね」


「【死を喰らう者】……まさか」


 ルナがハッとして身を起こす。感情に乏しいルナにしては珍しい。裸体を見ないように、俺はルナの顔を見てる。


「わかるの? 文字面からすると、アンデッド系モンスターみたいな、もう死んでいる敵を殲滅しちゃう魔法なのかな」

「……私に授与してほしい」


 ルナは、俺の推測が当たっているかには答えない。


「知っているなら教えてほしいな。何に使える能力なのか」

「知らない方がいい」


「なぜ」

「私の見立てでは、【死を喰らう者】は戦いの帰趨を決するようなすごい能力」


「そ、そうなんだ」

 ハズレスキルを引いたのではないようで、まずは良かった。


 天才魔法使いルナが、超絶スキルを持つなら心強い。


「私に授与された能力は秘密にしておいて。裏切り者に知られないように」


「あっ」

 俺は口を開けて驚いた。


 ルナの【死を喰らう者】は、我が軍の切り札になる。

 裏切り者に知られたら、ルナが【死を喰らう者】を使う時に邪魔されるかもしれないのだ。


 俺が【死を喰らう者】について知ってしまったら、どっかでポロっと言ってしまうこともありえる。

 徹底して情報を隠すために、ルナは俺にさえも【死を喰らう者】がどんな能力か教えないのだ。


「よし。ルナに授与するぞ」

 俺は心の中で念じた。


 ルナの体が輝く。【死を喰らう者】をルナに授与できた。


 まさかルナ自身が裏切り者ということはあるまい。

 国で一番の魔法使いだから怪しいと言えば怪しいんだけどさ。


 ルナが犯人だったら、ミステリー小説で言えば探偵が犯人だというオチだ。本を投げ捨てたくなるほどムカつくんだよね。ルナが裏切ったら最悪に衝撃的だが、そうではないと信じている。


「ありがとう」

 ルナに礼を言われるのは初めてだ。


「どういたしまして。天才をこれ以上パワーアップできる能力を獲得できるのか心配してたからな。良かったよ」

 とは言うものの俺としては依然として不安が残る。


 死という文字が不吉でならない。

 自爆系の技じゃないんだろうか。ルナ自らの命と引き換えに、敵を丸ごと吞み込んで殺してしまうような大技。


「私に授与された能力は別のものということにしておいた方がいい。そうね……ものすごく強力な魔法……【地獄の業火(ヘルフレイム)】」

 ルナが口元に指を当てて思案してから呟く。滅多に見られない少女っぽい仕草だ。


「嘘の情報を流しておくんだな。【地獄の業火】はどんな能力ってことにする?」


「敵グループを焼き尽くす火系統最強級の魔法。でも、わざとらしく流さなくていい」

「なるほど、かえって怪しいもんな」


「うん……アイリ王妃とレオーナにだけ伝えて。さらに漏れても漏れなくてもいい」

「わかった」


 俺はルナと秘密を共有できてワクワクした。

 裏切り者に一番重要な情報は隠しておくのだ。


 ルナがローブを来て、杖を突きながら部屋を出ていく。


 この後、俺はルナに引き続いて魔法使い隊の子たちと閨をともにしないといけない。


 はたして、女の子たちと裸のつきあいをすることで裏切り者を見つけ出せるのか……

話の区切りをつけるため、今回は字数が少ないです。

すみません。


1時間後にもう一回投稿させていただきます。

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