このままでは地球が滅びてしまいます！

　変哲のない日々に退屈していなかったと言えば嘘になる。
　魔法が使えたらとか、騎士階級が未だに現存していたらとか、人知れず人外の存在に襲われたらとか。そんな空想の世界に羽ばたく時期は誰にでもあるものだろう。恐らく、多くの人がそんな痛々しくも心地良い楽園に踏み込むのは中学から高校にかけてだろう。
　俺、川野紫音もその一人。授業中に時たま不審者を撃対する、なんて小っ恥ずかしい妄想をしてしまう高校一年生だ。え、普通だよな？
　しかし、ある日を境にそんな妄想が現実になっちまった。
　すべては「このままでは地球が滅びてしまいます！」という少女の言葉から。
　これは騒がしくも楽しい、ちょっと変わった青春活劇だ。