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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

マネキン

何十もの視線を常に浴びる人間の気持ちが分かるだろうか。別に僕は歌手やモデルといった華やかな世界の人間でも、誰もが名前を知っている著名人というわけではなく、ただの収集家、かっこよく言えばコレクターだ。それもマネキンの。マネキンのコレクターなら、もしかするとそこそこ居るのかもしれないが、僕はちょっと限定的、つまりマネキンの頭のみのコレクターで、それらを部屋の棚に幾つも飾っているわけだ。どうせ人に理解されない趣味だろうから、写真を撮ってSNSに投稿したり、部屋に人を招いた事なんか一度もないんだけどね。


マネキンの頭、というか顔といえば、大体皆白人のモデルっぽい精悍なものを想像するだろうが、実は思った以上に種類は豊富だ。肌の色は実際の人種と同じように色々有るし、顔立ちだって薄目濃い目、年齢だってバラバラ、人種も白人黒人にアジア系と様々で表情も無表情なものだけでなく、笑っていたり楽しそうだったり、時には悲しげだったり苦しそうだったりするもの、珍しい物では顔が変わったり、特殊な香りを放つものだってある。


この事を話すとほぼ全員が「マネキンなんて皆同じじゃないか」と言ってくる。確かに最初は僕もそう考えていたが、何十個ものマネキンを見つめ探し収集すると違いがじんわりと分かってくる。そしてそいつら一つ一つを凝視すると、何を言いたいのか、何をこちらに訴えたいのかも見えてくるのだが、このレベルになると選ばれた人間にしか授けられてない能力だと個人的に思う。僕は選ばれた人間の一人だ。今は誰もこの能力に注目しないが、いつか皆分かってくれるだろう。おっと、誰かがインターホンを鳴らしているからこの辺りでやめておく。






マンションに何十人分もの頭部 殺人と死体遺棄容疑で男を逮捕

警視庁は〇×日、都内〇△区のマンションの一室で14人の頭部を発見した。捜査関係者が明らかにした。同庁は、このうち数人の遺体を遺棄したとして、この部屋に住む20代の容疑者を殺人及び死体遺棄の疑いで逮捕した。捜査本部によると、容疑者は「人を殺した覚えはありません」と容疑を否認している。先月中旬には東京郊外の×〇市の山林から頭部が切断された複数の身元不明の遺体が発見されており、鑑定の結果から容疑者の犯行とみて捜査を進めている。

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