第一話 俺が命を救われるまで
始まりました!ようやく転生です!テンプレにはしたくないという思いで書きましたがどうでしょうか。お確かめください!
今いる場所は森林の中のようだ。とりあえずの目標を町や村を探すことにし、探索を進める。森の中にずっといるのは危険だ。山賊や獣に襲われたらひとたまりもない。彼は武術の心得がない。強いて挙げるとするならば学校で強制的にやらされた柔道くらいで、それすらもあまり覚えていない。タルエルからのスキル説明もすべて聞き終える前に転生してしまったせいでなにかもわからない。こんな状態で戦闘に入るのは避けるべきとの判断からだった。
幸い、この森は広くなかったようで、5分ほどで抜けることができた。森が見えなくなるほどまで歩いたころ、俺はここが異世界であることを実感した。目の前にはゲル状の物体。しかも動くときたもんだ。初めての非現実的な生物を前にして、自分が戦えるのかを確認もせず、
「これってスライムだよな…よし!」
手をかざし、ありがちなポーズをとり、それっぽい技を出す。
「ファイ…あがぁ!」
瞬間、鈍い音とともに腹部に激痛が走る。スライムが攻撃してきたのだ。焦りが生じ、生存本能が働く。気が付くと、俺は逃げていた。
「なん…で…!こんな…ザコみたいな…ハァ…奴に…!ふっざけんn」
追い付かれ、2撃目を食らう。背中の無防備な状態に食らった攻撃は彼の足を止めるのには十分すぎる威力であった。命が危ぶまれる状況の中、次に選んだ選択は、助けを呼ぶことであった。
「助けて!誰か!誰でもいい!タルエル!いるなら返事してくれ!転生してすぐに死ぬとか冗談じゃ…クソ…痛ってえな…畜生…」
スライムがまとわりつく。激しい痛みが体を蝕んでいたところ、自分のスキルの能力を模索する。これに懸けるしか、助かる道はない。
「ファイア!ブリザード!サンダー!…あとは…なんだ…ええと…」
発動しない。
「メタル!リーフ!ウィンド!波動拳!かめはめ波!」
窮地を脱することはかなわず、時間だけが過ぎていく。
「あっち…いけ…!この…ベトベト野郎…が…!」
意識が途絶える。何回目だろうか。だんだん慣れてきた感覚に交じって、さっきまで自分が苦しめられていた感覚が消えるのを感じた。
「……!」
目が覚めると、見知らぬ壁が目に入る。手も足も動かない。把握能力も習得せねばと考えていると、筋骨隆々な大男が部屋に入ってきた。立派なスキンヘッドだ。
「兄ちゃん、怪我はどうだい?娘の作った薬を塗ったんだ。まぁ、命にかかわるようなことにはなってねーだろ。」
「すいません、ここはどこですか?」
「ここはどこか、だぁ?まずは命の恩人に対する感謝の言葉だろーがゴルァ!質問の答えにもなってねーしよー。兄ちゃん、言葉は理解できるんだよな?会話しろよ。」
「ごめんなさい!目が覚めるとこんなところにいて、助けるというよりは拉致のような感じかと勘違いしてしまいまして…命を助けていただき、ありがとうございました。」
縛られた状態でお辞儀をする。はたから見たら芋虫のようにしか見えないだろう。
「人は見た目で判断するなって小さいころに教わってなかったのか?お前は!…ま、お前を助けたのは俺だし、若い連中に世話させたらどうなるかわかったもんじゃなーから許す!この寛大な心を崇めたたえるこった。」
「…で、お前の質問に答えてやるとするなら、ここはこの俺、ダルビール・マッチ様のアジトだ。ハッポ村のギルドで依頼できないような仕事を生業として生計を立てている。お前はあんなところで何をしてたんだ?一人であんなところに行って薬草とらなくてもいいだろうに。」
ハッポ村、ギルド、新しい言葉が出てきた。雰囲気で察するに、小説やアニメで見たようなものと同じものだろうなと想像する。
「俺は、その、正直に言うと、あまり覚えていないんです。記憶が飛んじゃってて…名前くらいは言えるんですけど、他がからっきしで。スキルも忘れたんです。」
「そりゃ本当か⁉大変だなー、じゃ、俺がこの世界の常識について、記憶喪失の間抜けさんに教えてやろう!」
記憶喪失というのはもちろん嘘だ。しかし、今はこの男から知ることができる情報を入手することがこの世界を生き抜くうえで大切になるということを先ほどの件で学んでいた。
どうでしたでしょうか!初戦で無双、苦戦ではなくぼこぼこにされるというのは珍しいのではないでしょうか。緊迫感を出したかったのですが、表現できず、幼稚な文章になってしまったのが悔やまれます。