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第三話

見事に転生した主人公は一体どうなるんでしょうね(すっとぼけ)

光に包まれた後再び目を開けるとそこは…


「知っている天井だ…」


辺りを見渡すと完全に自室にしか見えない部屋。


物の配置などほぼ完全に一致している。


違いがあるとすれば本や家電製品が一切ない事ぐらいだ。


「まぁそりゃ魔法の世界だもんな、家電製品があったら色々まずいよな…」


明かりはどうするのかと天井を見ると何やらキラキラ光る石のようなものがぶら下がっている。


「なんだこれ…」


近くで見るとその石の詳細が頭に浮かぶ。


「光の魔石?魔力を流すと光るって…どうやって魔力流すんだよ…」


とりあえず触ってみる。


「まぁ、触るだけで変化したら苦労しないわな」


(イメージが大事ですよイメージが)


「へ?」


(どうしました?)


「うん…ナンデモナイデス」


創造神様はどうやら脳内に直接会話をしてこれるらしい。


というか俺の事見てるのか…


(ええ、もちろん見ています)


「さいで…」


まぁそれはともかく魔力を流すイメージか…


とりあえずそのまま実践してみるか。


「おおっ!!」


身体から何かが抜ける感覚が起きた途端魔石が光った。


「普通のLEDライトと遜色ないな」


これはとても有難い。


「ただこれっていつまで光ってるんだ?オンオフないよねこれ…」


(今度は魔力を抜き取るイメージをしてください)


「イメージって偉大だな…」


などとボヤきつつイメージしてみると光が徐々に消えていく。


これなら豆球みたいな感じにできるんじゃなかろうか?


「俺寝る時は豆球付けて寝る派だからな…」


(私は消して寝る派です)


「聞いてませんよ女神様…」


というか神様って寝るのか…


「あ、そうだ!」


鏡華はどこにいるのだろう。


部屋を飛び出し、妹の個室の部屋に入る。


「鏡華!」


ベットに横たわる妹を見てつい叫んでしまった。


急いで近くによると胸が上下に動いている。


血塗れてボサボサだった髪も、今は整ったサラサラなショートヘアで綺麗な艶のある銀色に戻っているし、肌の血色も悪くない。


「良かった…生きてる」


(それはそうですよ…女神舐めないでください)


はい、すみません。


「んん…お兄?」


「鏡華…大丈夫か?意識はしっかりしてるか?記憶はあるか?」


「お兄…質問が多いよ」


「あ、すまん」


やけに焦ってしまったな。


まぁ二度と会えないと思っていたんだから許してほしい。


「お兄…」


と言うと妹は身体だけ起こし俺の腰に抱きついてくる。


その身体は震えており、弱々しく感じた。


見た目だけ…


痛い痛い痛い!!


こ、腰が砕ける?!


というか力強すぎ…


「お兄…お兄…」


……


上等だ。


腰が折れようが砕けようが粉砕されようが耐えてやろうじゃないか。


元々俺のせいでもあるしな。


俺もそっと妹を抱きしめる。


「ごめんな…兄ちゃん帰りが遅くなっちまって…」


「許さない…」


「悪かった…もう二度とあんな目には合わせないから…」


「うん…」


目を閉じ妹を感じていると、暖かなものが頬を伝っていくのがわかる。


大切な妹が俺の腕の中に存在していることを確認しながら頭を撫でる。


妹のグズる音が静寂の中に木霊する。


この大切な存在を今度は絶対に手放さない。


誰かと結婚したりもするだろうが、その時は快く送ってやろう。


もし泣かせたりしたら…許さん。


まぁ、人のことを言えたギリでは無いが…


幸せになってほしいからな。


「絶対にお前を幸せにしてみせる…」


「うん…」


しばらく抱きしめ合った俺達はそのまま一階に降りる。


因みに俺の腰は健在だ、感覚が少しなくなったりもしたが特に何もおかしなことにはなっていない。


一階も完全にそのままな家に少し笑ってしまった。


とりあえず椅子に座り今後のことを話そうと切り出す。


「鏡華はここに来た理由知ってるか?」


「うん、女神様にあったからここは異世界なんでしょ?」


女神様に聞いたなら細かく聞く必要は無いな。


「次に特典は貰ったか?俺は大切なものを護る為の力とやらを貰った」


「私もお兄を護る為の力を貰ったよ」


「おう…」


やばい、これは照れるな…


(仲良しですね)


う、うるさい女神様。


「そ、そういえばこの辺りどこか知ってるか?」


「ううん、知らないお兄に全部任せたから」


「そ、そうか」


(妹の信頼を感じますね)


ちゃちゃ入れてくるのやめてくれませんか?!


全く…


「ああ、そうだ」


「どうしたのお兄?」


「いや、確か女神様から物作りの道具を貰ったはずなんだが…」


あれはどこにいったのだろうか?


「あ、そういえば私も貰ったよ」


「え、そうなのか?」


「うん、料理作りの道具だって」


「ああ、お前は料理得意だもんなあ」


「道具作りの神様から強奪したって言ってたよ」


「…うん、そっか」


道具作りの神様苦労かけてごめんなさい!


というか女神様奪いすぎだろ!


(はて、なんの事ですかね?)


道具作りの神様が不憫すぎる…


まぁいい…それで道具はどこにあるんですか女神様。


(外にある小屋ですかね)


小屋…?


そんなもの家にはなかったはずだが…


「よし、聞くべきことは大方聞いたし、とりあえず周囲を確認しに行くか」


「お兄、私も着いてく」


そういうと俺の腕にくっつく妹。


発育が良くなって胸の感触が…っていかんいかん。


鏡華は妹で俺は兄だ…そういう感情をもってはいけない。


(妹って言っても血の繋がりはないじゃないですか)


確かに妹は再婚相手の母親の連れ子で俺とは血の繋がりはないけど。


やっぱりもう十年も一緒に暮らしてきた妹だから倫理に反するというか…罪悪感が凄い。


因みに俺は童貞ではない、彼女もいたしそういうこともしたこともある。


まぁ、十九歳の頃に別れて、今は恋人募集中なのだが…


(つまり妹を…)


違います。


そんなことを女神様と会話しながら外に出る。


「おお…」


「…お兄がここ選んだの?」


「まぁ、正確には違うが…」


外は完全に森だった。


いや、確かにあんまり人が居ないところがいいとは言ったけど。


(安心してください、西に五キロ程走れば街があります)


うん…近いんだか遠いんだか。


まぁ、滅多に人は来ないだろうな。


(全力で走れば5分ぐらいですよ)


それは人間か…?


ちゃんと人間基準で考えてるくれ…


(失礼な、今の体のスペックだったら余裕ですよ)


え、マジで?


俺、女神様に魔改造されちゃってるんだけど…


「まぁ…自然豊かってことでいいんじゃないか?」


「お兄、豊かすぎると思うよ?」


うん、まあそれは思うが。


「とりあえずこの家の横にあるもはや平屋と言ってもいい小屋を見てみよう」


「お兄が逃げた」


ジト目が突き刺さる…いや、俺は悪くないはずだ。


この場所は女神様が決めたのだから。


(私のせいにしないでください)


はい、すみません…って。


「これ…小屋っていうか…」


「お兄、溶鉱炉があるよ…」


裁断機とか機織り機もあるな…


名前とか知らない道具とかも何故か勢揃いしてるし…


というかこれ錬○釜じゃねぇか!


アト○エか!ヴィオ○ートですか?ラ○ザですか?


(自信作です!)


あ、はいありがとうございます。


「ま、まあ便利な小屋ができたってことで納得しておこう…」


「そうだね…」


「って俺、道具を取りに来たんだった…」


「あっ、存在忘れてた…」


まぁ、忘れるよね…これだけの物見たら。


「というか道具が多すぎてわからん…」


「確かに…」


俺達はしばらく道具探しに手子摺るのであった

やりすぎな女神様のポンコツ具合可愛い。

義妹ちゃんもいいねぇ…こういう妹が欲しかったよ。俺一人っ子だからな…想像力だけなら豊かだわ

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