表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/100

4−3 王都決戦

「グホーー」

 ドラゴンとなった僕は一声叫んで、ラムーアに挑もうとすると。

「カズヤ、あいつを倒したら、とっておきのご褒美だよ! 」

 レイカ姫のお言葉………


(ええ! 今のって僕と知ってて、言ってくれたんだよな。リアルの僕にご褒美くれるんだよな! )

 こうなったら、死んでもやるしかない!


 でも、健全ライトノベルのご褒美は、ヒロインに膝枕され、デコチュー程度で終わってしまうパターンじゃないのか………


 人間の本能的な欲求と自我との葛藤、さらににその深層心理に潜む歪んだ愛情を描き、誰もが想像し得ない結末。○川賞も視野に入れた高尚なこの文學小説で、そんな落ちはないよな!

 ((個人的には、ノクターンへの移行を渇望))


◇ 閑話休題


 レイカの言葉で、気持ちだけは活力みなぎった僕は単騎でラムーアに挑んだ。

 まずは、下から相手の喉元に、アッパーカットのような強烈な体当たり!


 いきなりの奇襲で、ラムーアは地響きとともに尻餅をつくように倒れたが、こっちもダメージを喰らい、反動で城壁の上に吹き飛ばされた。


 その時、ふと王宮の外を見ると、街の中が悲惨な状況になっている。


 ゴンゾーとミュールは瀕死で、シンドボルグが加勢し、傀儡も残りわずかになっている。あのフィギュアも、ゾンビ状態で戦っていた。

 しかし、街中にうじゃうじゃいた数千の魔獣はほとんど一掃されている。彼らだけで倒したとは、すごいとしか言いようがない。


 それでも、まだ相当数は残り、多くはゴンゾーやミュール達に集中し危険な状況だ。他にもあちこちで魔獣が散発的に街を襲って、逃げている人が沢山いる。助けに行きたいが、今の僕はラムーアに傾注しないといけない、まったく忸怩(じくじ)たる思いだ。


 さらに、ルークのいた塔の展望台が破壊されていた。敵も鬱陶しいスナイパーをいつまでも放っておくはずない。

 ルークに何かあったら、お母さんのミランダさんに申し訳ない。でも、機転のきくルークのことだ、上手く逃げているだろう………そう、思うしかない。

 

 そうしてる間もゴンゾー達は、市民を庇って魔獣と応戦しているが、レイカが戻るまで、とても持ちそうにない。

 僕は、たまらず助けに行こうとすると、ラ・ムーアが起き上がる。


(ゴンゾーごめん! }

 胸が締め付けられる思いでラムーアに向かったが、見ると、ゴンゾーが怪物に斬られている。これは、さすがにやばい。


(神様ーー! )

 祈るしかない


 そのとき


 ----王都の外から、歓声が聞こえる----

 ----聞き覚えのある歓声----


 突然、王都の門にいる魔獣を蹴散らして騎馬隊が乱入してきた。

 魔獣を蹴散らし、津波のように王都の中に進撃してくる、その勇壮な騎馬隊の掲げる見覚えある御旗は………


「ローレシア! 」


 涙が出てきそうだ。


 ローレシアは自国の復興もまだだろうに、救援に来たのだろう。

 そして、先頭に立つ甲冑の騎士は、脳筋イケメンのグランブル。でも、今だけはカッコよく見えるぞ。

 なんとか、ゴンゾー……というより、ミュールのところにたどり着いたのが見えた。


 とりあえず胸を撫でおろしたか、人のことをかまっている暇ではない、ラ・ムーアがこれまでにない勢いで王宮に近づいてくる。

(なんとしても、レイカのフォーリー・スラッシュの発動まで王宮を守り抜かなくては)


 ヘロヘロで怖いけど、僕はラ・ムーアに向かっていく。

 巨人ラムーアとドラゴンの壮絶な取っ組みあいの死闘………だけど、体の大きさも力も、ラ・ムーアのほうが上手だ。炎を吐いても魔力が減っているので威力が低く、容赦なく殴り飛ばされる。


 地面に投げ飛ばされると、ドラゴンも大きいので数軒の家が崩れ、家の人には本当に申し訳ない。

 半分失神状態で、壊れた家を下敷きに倒れていると


「頑張れドラゴン! 」

「まけるな」

 みると、民衆が僕を応援してくれる。怪我をしている人も多いのに僕を励ましてくれる。


 ゴンゾーやシンドボルグ、傀儡の軍団、ローレシアの騎馬隊達も、民衆を守って懸命に戦っている、

(僕も頑張らないと)

 かろうじてだけど、今の王都でラ・ムーアに立ち向かえるのは僕だけなのだ。


 再びラ・ムーアに突進しようとしたけど僕も限界だ。体は傷だらけ、目が霞み正直つらい。

 その時、目の前にラムーアの拳が迫ってきた。

 

「ゲホガーーー! 」

 一瞬、視界が真っ暗になり、痛恨の一撃をくらってしまった。

 体がしびれて動かない。

 ノックアウトされ地面に倒れたボロボロのドラゴン、民衆から悲鳴があがる。


 吹き飛ばされ、動けない僕を横目にラ・ムーアは王宮を破壊し始めた。

(まだ、三十分も耐えていない。レイカが戻るには、まだ一時間以上必要だけど、もう限界だ。情けない……)


 王宮が容赦なく破壊されていく。でも、体が動かない、息もするのが、やっとだ。

(くっそー、動け! )


 立ち上がれない………涙がでてくる。


お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ