9 明日への翼
とにかく、今は先を急ぐしかない。
しかし、どうやって行くのだ………
すると、ミホロが僕をみて
「ドラゴン、カズヤには、翼があったよね」
「………確かに」
「それに、結構大きかったから、みんな乗れるのじゃない」
するとゴンゾ―が
「小型旅客機ほどの大きさがあるな」
旅客機と言っても、こちらの世界のコルベット、ルーク、ミュールにはわけがわからないようだ。
「それしかないか………でも、飛べるかなー。そもそも、ドラゴンに召喚できるのかなー」
うじうじ考えている僕に、レイカが とにかく、今は先を急ぐしかない。
しかし、どうやって行くのだ………
すると、ミホロが僕をみて
「ドラゴン、カズヤには、翼があったよね」
「………確かに」
「それに、結構大きかったから、みんな乗れるのじゃない」
するとゴンゾ―が
「小型旅客機ほどの大きさがあるな」
旅客機と言っても、こちらの世界のコルベット、ルーク、ミュールにはわけがわからないようだ。
「それしかないか………でも、飛べるかなー。そもそも、ドラゴンに召喚できるのかなー」
うじうじ考えている僕に、レイカが
「とにかく、やってみるしかないでしょ」
有無を言わさず、レイカは僕をドラゴンに召喚する詠唱を始める、
ー サモン・サーヴァント (使役獣召喚)
ー エボリューション・ホルム (進化形態)
ー「ドラゴン! 」
レイカが唱えると、僕の体が光り輝く
(おお! これはいけるかも)
一瞬、目の前が真っ白になったあと、すぐに視界が戻った。
気が付くと、僕は皆を見下ろしている。
「やったーー! ドラゴン・カズヤだ」
ミホロが、うれしそうに叫んでいる。
なんとか召喚に成功した。
ゴンゾーが僕を見上げ
「今の俺達は、外部と通信できないスタンドアローン状態だが、カズヤとレイカ姫は同じフィールドなので、お互い直接通信した形で召喚できたのだろう」
「ブルートゥースみたいなもんだね」
そんな、感じだ。
でも、胸をなでおろした。もし召喚獣になれなかったら、万事休すだった。
レイカは僕を見上げ、しみじみと
「でも考えてみたら、こうしてカズヤや、みんなが直接ここに来てくれたから、召喚できたのだよね。もし、これまでのように召喚獣として私が呼んで来ていたら、コネクトが切れて、私もこの人たちと同じだったでしょう」
言いながら涙声になり、皆に向かって。
「本当に、改めてお礼を言います」
頭を下げるレイカに。
「そんなー。お礼は、ラムーアを、やっつけてからにしてください」
「ミホロの言う通りですよ」
皆も同意している。
「ゲホゲホーー」
僕も頷くと、レイカは、僕を見上げて笑ってくれた。
そんな、笑顔をリアルでも向けてほしいぞ。
「それよりカズヤ、早く羽ばたいてみなよ」
せっかく、いい雰囲気なのに、ミホロが急かしてくる。
でも、確かに、大事なのは飛べるかだ。
僕は半信半疑で、背中のはねをバタバタとはためかせると、体が宙に浮く。
(おお! 体が浮く、飛べるぞ! すごいぞ)
「ドラゴン・カズヤ! 飛べるじゃない。ちょっとまわりを飛んでみてよ」
さらにミホロが嬉しそうに指図する。全く召喚獣づかいが荒い。
しばらく飛んでコツを掴むと、僕は思い切って回廊の外側へも飛んでみた。
敷地の外に出たところで、眼下が一気に下がり、ビビって一瞬落ちたが、慌てて羽ばたくと、落下が収まり上昇する。
意外と簡単に飛べた。
ミホロが両手をふって、とびあがって、はしゃいでいる。
◇
次第に慣れてきて塔の周りを自在に飛び回り、皆のもとに着地すると、ミホロが僕を仰ぎ見て
「優雅に飛んでいたね。背中も大きくて、たて髪があるからそこに皆乗れるよ」そう言うと
「ねえ、しゃがんで水平になってよ。これじゃあ、乗れないよ」
またまた、ミホロが指図する。僕はミホロの召喚獣じゃないぞ、それに一応リーダーだし、そう思いながらレイカを見ると。
レイカも微笑んで、ミホロの意見にうなずいた。
(もう、しかたないなー)
そう思いながら、僕は這いつくばると、皆が背中に乗ってくる。
「わー、結構広いし、このたてがみ長くて、ふわふわだ」
僕は長い首を後ろに曲げて見ると、ミュールやミホロが気持ちよさそうにたてがみを頬にあてている。コルベットは早速、ふわふわの毛並みの中で寝転んで、他のみんなも気持ちよさそうに、くつろいでいる。
「柔らかくて、温かい。そうだ、これを腰に巻けば、命綱になるよ」
みんな、僕の背中のたてがみの中に潜り込んで、長い毛を束にして腰に巻きつけ命綱というか、シートベルト代わりにしている。
もう、好き勝手にされている。
「カズヤ、飛んで。皆を落とさないよう体を水平に、ゆっくりとね」
またまた、ミホロのご命令だ。
しかたなく、みんなを落とさないように、ゆっくり上昇したあと、塔の外に飛び立つ。
「うわーーー! すごい、飛んでる!」
「広いし、乗り心地もいい」
風をうけ、女性たちは髪をなびかせ、気持ちよさそうにしている。ただ、ゴンゾー、ルーク、三平太の男連中は、高いところが怖いのか、必死でたて髪にしがみついている。
しばらく、塔の周りを飛んでいると
「これで、エクアドルの月に向かって飛んでいこうよ」
僕を乗り物のように言うミホロに、レイカは頷いたあと僕の首にきて
「カズヤ、いい」
遠慮がちに言われたが、レイカ様に言われれば、断われるわけがありません。
僕は、大きく首を縦に振ると。
「ありがとう、カズヤ。それじゃあ、エクアドルに向かって飛んで! 」
「グホーー! 」
僕は一声叫ぶと、ジェット旅客機のように大きな翼をローリングしながら旋回し、碧玉の光が指す月に向かって加速する。
さあ、いよいよエクアドルへの最後の旅立ちだ。
急ごう!
お読みいただき、ありがとうございます。来週はお休みします、再来週更新しますので、見捨てないでください。




