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現世に転移している異世界の剣姫に、僕は召喚獣として呼びだされた〜  作者: 猫ノあすき
第五章 突破せよ通天回廊
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7-3 通天回廊 突破せよ!

 最上階の荘厳な門の前。

 あの、サラマンダー、バハムートなどの、神獣の混成合体形のチート魔獣がいるのだ。

 

 全員最後の準備を行う。

 ポーションなどの回復アイテムは余裕だったが、さすがに八十階層からの強敵に、ほとんど使ってしまった。


 最後のアイテムで、HP、MPを全回復し、傷ついた武具を修繕し、ルークは矢を矢筒だけでなく、リュックや腰紐にも挟み、満載にしている。しかし、これでアイテムは、ほぼ無くなった。


 準備が整い全員が立ち並ぶと、レイカが

「それでは、行きましょう」

 以前は僕に、来るなと言ったけど、今回は力強く僕たちを誘ってくれる。


 そして、扉が開く。


 あのときと同じように、押し返すような熱風が吹付け、その先の霞む部屋の中で、凶々しい巨大な怪物の影が蠢いている。


 本体の巨大恐竜のような体は、太く短い数十本の足の上に乗り、動く巨大なクレーンのようで、体の両脇に幾つもの触手がゆらぎ、数本の巨大なハサミを振り回している。

 龍のような大きな顔の口から火炎を噴き出し、体の周りにはサラマンダーの顔を持つ長い首が生えて、うごめき、そいつらからも火炎や雷が絶え間なく地面に落ちて、近づくこともできない。


「なんだ、これは! 」

 ゴンゾーが真っ青な表情だ。

「まじですか……」

 ミホロも震えて言葉にならず、ミノタウロスになった僕の尻尾を掴んでいる。ミホロは、敵が強敵になってからというもの、部屋に入るときは僕の尻尾をつかんで後ろに隠れているのだ。

 そのミホロの服の裾をルークが掴んでいる。


 そんな、ミホロとルークは部屋に入った扉の横に待機して遠距離からの攻撃、あるいは回復など援護体制をとる。三平太も傀儡の美少女フィギア剣士を出して配置させる。


 最前列に召喚獣の僕、ゴンゾー、ミュールが立ち並ぶ布陣に、今回は、レイカも加わっている。その前衛と後衛の間に、コルベットが魔法杖を掲げて準備した。

 皆んな、誰の指図もなく配置に着く。


 そういえば、僕は確かリーダーだけど、ずっと召喚獣の状態で一言も話していない、なんかうまく乗せられただけじゃねぇー。

 なんて思ったが、今はうだうだ考えている暇はない。


 さあ、戦闘開始だ!


 まずは、皆んなが配置につく前から詠唱を始めている、コルベットのバスター・ブリザードで開幕だ。

 闘技場全体に、爆発的に氷の弾丸が炸裂する。雷、火炎属性の魔獣に効果的な氷魔法だが、凄まじい威力で、敵が火炎系でなければ、一瞬にしてこの部屋全てを冷凍庫にしてしまうだろう。


 コルベットが、次の詠唱をしている間に、剣などで攻撃する前衛のアタッカーが総攻撃する。

 とりあえず、周囲にある雷撃を放つ触手と、炎を吐く首だけのサラマンダーを、ダメージ覚悟で切り裂きに行った。


 レイカとミュールが右、ゴンゾーとミノタウロスの僕、さらに傀儡のフィギュアが、左の首だけサランマンダーに襲いかかる。

 コルベットのバスター・ブリザードで、中央の怪物本体が怯んだ間だけ攻撃が可能で、ほぼ一撃離脱だった。

 その後すぐに、コルベットが第二波のバスター・ブリザードを放つ。


 しかし、離脱の際に、どうしても相手の攻撃を受けてしまう。しかも、部屋に入った瞬間から、その余波を受けて、直接攻撃を受けなくても全員のHPが下がっていく。

 早く、掃討しなければならない。


 後衛のルークは壁際を走り、射撃地点を探すと、隙ができた数センチのわずかな隙間を射抜いている。しかも、動き、変化する(まと)を一瞬に、狙い、討つ、まさに神業だ。

 ダメージは、アタッカーほどでないものの、地味に相手のHPをそいで、敵の回復をかなり遅らせている。弓を持ち、戦闘状態のルークは勇敢に戦い、普段とは違って、むちゃくちゃ頼もしい。


 こうして、十回ほどコルベットのバスター・ブリザードと、剣などのアタッカーによる、交互のルーチン攻撃を続け。やっとのことで、周りのサラマンダーを沈めて、怪物を裸にできた。

 すでに、半時間ほど戦っている。


 ◇


 いよいよ、本体に取り掛かる。

 再び、コルベットが突破口として一点集中の雷撃を放ち、同じようにアタッカーで攻め込む。

 単調な攻撃パターンだが、氷系にやや耐性が低い以外、これと言った弱点がないので、正攻法の真っ向勝負しかない。


 戦闘は、さらに二時間に及んだ。


 その間、絶え間なく攻撃を続けたが、こちらも攻撃を受けてしまう消耗戦の様相を呈している。どちらが先に、力尽きるかだ。

 ゴンゾーの斧の歯は欠け、ミュールは肩で息をしている。コルベットもその間、魔法攻撃を絶やさず撃ち込んでいるので、さすがに疲れた様子だ。


すでに、ポーションなどのアイテムは底をつき、ミホロの流連浄火でなんとか持ちこたえている。ミホロがいなければ、今頃半数は死んでいるだろう。

 そんな、ミホロもMPはもうわずかしかない。

 ただ、気を緩めると、容赦なくブレスや雷撃をくらってしまう。


 僕たちはジリ貧になってきた。 

 そんな中、レイカだけは、まだ多少は余裕があるようで僕たちの攻撃より数倍のダメージを与えている。もはや、レイカ一人で戦っていると言ってもいい。

 しかし、以前のようにホーリー・スラッシュの大技を温存して使えないので、手こずっている。


「さすがに、これはきついな」

 ゴンゾーが息を切らしてつぶやく。

「こんなの、絶対勝てないよ……」

 ミホロは真っ青になって、半分あきらめの表情が出てきた。他の皆んなも似たような表情だ。


 これは、早く倒さないと、間違いなく犠牲者が出る………

 


お読みいただき、ありがとうございますm(_ _)m

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