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現世に転移している異世界の剣姫に、僕は召喚獣として呼びだされた〜  作者: 猫ノあすき
第五章 突破せよ通天回廊
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7-2 通天回廊 突破せよ!


「ブヒブヒ! 」

 僕は手をばたつかせて(わめ)くと、ゴンゾーが

「なにか言いたいのではないか。レイカ姫、人間にしてやってもらえませんか」

 レイカがうなずくと、ひさしぶりに人間に戻った。


「ふうーーー」

 僕は、一息つくと

「なあ、ミホロ、流連浄火(るれんじょうか)をまってくれないか」

「ええ……わかった」

 さすがに、息も切れているようで、素直に応じてくれた。


 その後、ミホロ以外で攻めると、意外とあっけなく倒せた。

「どうして!」

 僕は、やっぱりと言った表情で  


「流連浄火は死霊を成仏させるのは有効だけど、普通の生き物にはヒールの力がある。しかも強力だ。だから幾ら傷つけてもHPが回復し、防御力や、攻撃力も上がってしまうんだ」

「それじゃあ私相手を助けていたの」


「そうなるなーー」

 ミホロはへたりこんで

「つかえなーーい」

 がっくりしたように言うが。


「とんでもない、これはすごい武器だよ」

「どうして」

 力の抜けた声で言う

「ミホロにヒールされた相手は、僕たちが束になっても勝てないんだよ。それほど、ミホロの回復魔法や、防御・攻撃の増強魔法はすごいってことさ。それを、僕たちに放ってくれれば、強力だよ」

 みんなも、「ほほーー」とうなずいた。


「これはレベルの低い、僕やレイカには最適だ。特に、レイカ唯一の弱点、防御力やHPの低さを補えれば。本当に無敵だ」

 レイカも頷きながら、微笑んでいる。


 その後のダンジョンの攻略はかなり楽になった。


「おい、ミホロ流連浄火」

「はい」

「こっちも! 」

「はーーい」


 なんだか、いやそうだけど、僕たちは重宝している。

「ううう、力が湧く、それになんだか気持ちいい」


 そうなのだ、ミホロのヒールはHPの回復だけでなく、なんだかすっごく気持ちよくって、快感なのだ。

 特に女性に放ったとき、わずかに聞こえる、なんとも言えないあえぎ声は……一瞬、戦闘状態を忘れさせてくれる効果もあるので。どしどし使ってほしい!


「どうして、敵に魔法攻撃をしたいのに、味方にうち込まなきゃならないの! 」

 ミホロは、いつものようにほっぺをフグのようにして、ふてくされて流連浄火を放つ。


◇五十三階層


「以前はここでリタイアした……」

 コルベットがしみじみと語ると、レイカも。 

「私も覚えています。あのときは悔しかったし、コルベットがいなくって、本当に寂しかった。でも、こうして強くなって戻ってきてくれました」


 その言葉に、コルベットは感激して、涙目になり

「姫様あぁー 」

 あのコルベットが、レイカの前では子供のようだ。


「今回は、必ず通天回廊を攻略してみせます」

 コルベットが力強く言うと、

「ええ、一緒に頑張りましょう」

 レイカの言葉に発奮して、五十三階層の敵を、得意のエクスプローションの一撃で葬った。


 ただ、この五十三階層からは、結構手こずるようになる。

 みんなで協力しているけど、こちらも徐々に反撃をくらい、これまでの余裕がなくなってきた。でもまだレイカの力は温存している。

 できるだけ、レイカなしで上まで行くのだ。


◇八十階層


 ここまで来ると、ラスボスも近く、かなり敵のレベルが上った。

 皆も疲弊し、自分よりレベルの高いモンスターを相手にして苦戦しているが、さらに強敵が出現する。


 目の前にいるのは、熱水大墓にいたサラマンダーのさらに進化系、キング・サラマンダーで、熱水大墓にいた奴の倍はある。しかも、それが十体、全員でかかっても、勝てるかわからない。

 さすがのコルベットも、息を飲んでいる。


 それを察したのだろうか、初めてレイカが前に出た。

「みなさん、ここまでありがとう。ここから、私も手伝います」

 レイカは皆を制して、一人、前に出てロングソードを抜いた。


 いよいよ、久しぶりのレイカの剣技だ。

 輝くブレードをかざし、波打つ黒髪、ひらめくスカート、全身からみなぎるオーラに圧倒され、あのキングサラマンダー十体が一歩後退りする。


 闘技場を支配下に置いたような圧倒的な気迫で、小さいレイカが、キング・サラマンダーより大きく見える。僕は興奮し、皆も息を呑み括目する。コルベットも魔法杖を持つ手が震えている。


 一瞬躊躇したキング・サラマンダーだが、雄叫びをあげて迫ってきた。

 レイカはゆっくりと迎え撃つ、その姿は余裕すらある。

 十体のサラマンダーが一斉に火を吐く、エクスプローション並の火炎に、周囲が炎に包まれる、と同時にレイカの姿が消えた。


 熱風が僕たちにふきつけ後ずさりした。

 ミュールは蒼白な表情で

「これは、凄まじい。こんなので、生きてはいられない︙︙」


 炎が消え、サラマンダーの姿が露わになったとき、光り輝く剣の残光がその刀身を数倍にして輝き、サラマンダーを次々に切り裂いていく。


 むれているサラマンダーの真っ只中に飛び込み、刺突し、首を落とし、一撃で屠っていく。

 腕や尻尾の打撃は、アスレチックスをしているように、くぐり、飛び越え、その表情は、笑みを浮かべる余裕さえある。


 みな、唖然としている。

「桁違いだ………」

 ミュールは剣をだらりと下げたまま、震えがとまらない。

 最後の一体に止めをさすと、擦り傷さえなく涼しい顔で、剣を鞘におさめた。


 コルベットはまたも涙目で

「姫様! すごいです! さすがです! 」

 ミュールやゴンゾーは言葉がなく、羨望の瞳で見つめている。


 レイカは涼しげな笑顔で

「みなさんが、ここまで私を温存していたおかげです」

 そうなのだ、前回はこのあたりでも苦戦していたが、今回は余裕だ。備品も豊富で、ポーションも有り余っている、というかミホロのヒールのおかげで、ほぼHPの減少はない。


 レイカも参戦した僕たちは、かなり、めちゃくちゃ強い。僕も召喚獣となって、今回は頑張っている。

 だけど、できればかっこよく人間の姿で戦いたいなぁー、まあ贅沢は言ってられないけど。


 こうして、僕達は百八階、通天回廊の最上階の扉の前に来た。


お読みいただきまして、ありがとうございますm(_ _)/


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