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現世に転移している異世界の剣姫に、僕は召喚獣として呼びだされた〜  作者: 猫ノあすき
第五章 突破せよ通天回廊
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7-1 通天回廊 突破せよ!

 中に入ると薄暗い何もない部屋、ガランとした円形の倉庫のようで、奥に壁に沿った階段があるだけ。

 猪八戒(ちょはっかい)の僕が先導して壁際の階段を登る。一応、経験者だし。


 第一の階層の扉を開けると、以前と同じようにワームがウジャウジャ。

 ミホロがひきつった顔をしているが、ここは、僕の小手調べ程度だ。


 コルベットほどではないが、範囲火炎魔法、エクステンションを放ち、一網打尽にした。

「おおお! 」

 みんなが、唸っている。


「カズヤ! 今のほうが俄然いいぞ」

 ゴンゾーが言うと、他のみんなもうなずくが


「ブヒヤーーー!」 (いやだーー!)

 僕はさっさと上層階へ突き進んだ。


◇二十階層 

 序盤、レイカはミュールに剣の技を伝授しながら、他のみんなも比較的楽勝で階層を上がっていった。

 とはいっても、ストレイン・ワールドのゲーム内では、ダンジョンのラスボスクラスだけど、知らぬうちに全員レベルを上げている。


 二十階層でスコルピオンが出現したとき

「レイカ姫、ここは私に」

 そう言ってミュールが一人で前に出る。


 あの北の関所で、流星騎士団が束になっても歯が立たないかった相手だが、自分の力を試したいようだ。ミュールは剣を正眼に構え、真っ向勝負をするつもりだ。

 息を吸い込むと

「テェーーーーィ! 」


 気合を入れて駆け込むと大きなハサミをかわし、スコルピオンの頭に潜り込む。動きも、かなり機敏で早い!

 紅髪が吹雪のように舞乱れ、しなやかに、踊るように、向かい来る敵の脚をかわしていく。

 そのまま、相手の眼前に肉薄すると、ここまでレイカに教わった多重連撃を撃ち放つ! 

 スコルピオンの頭上に火花が散り、最後に大きな閃光とともに、スコルピオンの体が地面に突っ伏して動かなくなった。


 ブヒ、ブヒーーー!

(ミュールさん! すげー! )

 僕は拳を握って豚声で叫んだが、言いたいことがわかるようで、少し乱れた紅髪を指先でふわりと後ろに払い、微笑んで見つめてくれる。めちゃ、可愛いぞ!


 でもあの、スコルピオンを一人で倒すなんてエクアドル最強の騎士と言っていいだろう。横でレイカも拍手して

「見事です! 」

「いえ、姫様のご指導のおかげです」


 ミュールは、満足そうに剣を鞘に収めながら戻ってきた。でも、僕の知っているレイカの剣技はこんなものじゃない。レイカは多重連撃のような大技など使わず、短剣で一撃で倒すのだ。


 通天回廊の中は野球場の広さくらいあり、以前はレイカと二人だけだったので、広く感じたダンジョンだけど、レイカを含めて八人もいると、ちょうどいい運動場って感じだ。


 二十階層より上は、ルークとミホロが後ろで援護し、三平太も傀儡を後ろからコントロールする。前衛のアタッカーとして、僕を含めミュール、ゴンゾーが配置につき、コルベットの魔力は強いので前衛、後衛どちらもできる。


 こうして、息の合った組織攻撃で、力試し程度で倒していく。レイカは後ろで観戦しているだけだった。


 ところで、三平太の傀儡に、ミホロのいちゃもんが付いた。

「三平太さんの二人の傀儡だけど。一人は、レイカ姫の衣装とそっくりじゃないの」

 いらぬところに気づかれた!

 僕は、相変わらず猪八戒で言葉を話せない。僕は焦って、なんとかジェスチャーで、有耶無耶にしょうとしたが、どうしようもない。


 三平太は無情にも

「ぼ……ぼく……知らない。レ……レイカのここでの姿知らないし」

「でしょうね……」

 そう言って、僕の方を軽蔑の眼差しで見つめる。

 レイカも気づいていたようで、ため息をついている。


 今の、僕は猪八戒、何も言い訳できず冷や汗をたらして、抵抗できない。さらに、ミホロが突っ込むと思ったが、意外にそこで終わった。

 というのも、ミホロは一人ではモンスターを倒せず、不満というか、しょげているようだ。


◇四十階層

 四十階層にくると、キング・ワームの群れが出てきた。

 これは、最初に魔法の範囲攻撃で、全体の相手のHPを下げて、ミュールやゴンゾーのアタッカーで掃討していくパターンだ。

 猪八戒の僕とコルベットが準備したが、ミホロが突然


「私にやらせてください! 」

 懇願するように言ってきた。振り向いたコルベットが

「無理することないぞ」

 

「お願いします! 一度、自分の力を試したいのです」

 ここまで、ミホロは味方の回復や、攻撃、防御をアップさせる補助魔法を行ってきたが。やはり、攻撃をしたいらしく、必死に言うので、みんな同意した。僕は猪八戒なので「ブウー」と一声だした。


「何かあったら、バックアップするから、思いっきりいきなさい」

 コルベットに促され

「はい! 」


 ミホロが一人前に出る。ここにきて初めての前衛だ。

 緊張したミホロが杖をかざし

流連浄火(るれんじょうか)! 」

 力を込めてファイアボールの連撃を撃ち放つ 

 

 相手は二十体ほどのワームだ。人ほどの大きなダンゴムシのような形で、足がいっぱいで、もぞもぞとして、やっぱり気持ち悪い。

 そこに、ミホロのファイアーボールの火炎が、乱れ撃ちされワームに次々と当り、砕け散る。多少は押し返しているが、なかなかHPが削れない。


 ミホロの息が切れてくるので、僕とコルベットが、範囲魔法のエクステンションを放つが……なぜか

「効かない。どういうことだ」

 ゴンゾー、ミュールも攻撃をしかけるが、なかなか倒せない。


「どうして、あまりレベルは変わらないのに。しかも、ワームごときに」

 ミホロも懸命に流連浄火を放つが、相手が強いのか。

 さらに、ルークと、傀儡も加わるが苦戦している、ここに来てレイカの出番か、と思ったが


 ………僕は気づいた。これは皆に伝えないと。


お読みいただき、ありがとうございますm(_ _)m

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