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現世に転移している異世界の剣姫に、僕は召喚獣として呼びだされた〜  作者: 猫ノあすき
第四章 ロード・オブ・アドベンチャー
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10-3 熱水大墓 ―ホーリー・ブライト―

 ゴンゾーも気づいて

「コルベット! やつはカズヤを狙っている」

 コルベットの動きが止まり、蒼白になった。ゴンゾーは悲痛な声で

「カズヤが()られれば、レイカ姫への道も絶たれる! 」


「しまったーーー」

 コルベットが焦って振り向くが、後ろをふりむいている暇はない。正面のサラマンダーが絶え間なく攻撃してくる。 


 カーズはコルベットを煽って前に出し、僕を孤立させるつもりだったのだ。それで、この洞窟の中を雑魚モンスターでも構わず埋め尽くしたようだ。  

 いきなり強いモンスターだと慎重になるだろうが、前の方は雑魚なので、構わず突き進むと踏んだのだろう。まんまと、相手の策略に乗ってしまった。


 カーズは勝ち誇ったように。

「私や、コルベットの命などカスのようなものです。我々は、あのガキをレイカ姫のもとに行かせなければ、それでよいのです」


 コルベットは、

「きっさまー……」

 唸るように言うと、炎弾を放ちカーズを消し去ろうとしたが、カーズの前に魔獣達が捨て身で防御する。

「いけ! サラマンダー。あのガキを葬るまで、コルベットを抑え込めばいい」


 コルベットの前に数体のサラマンダーが立ちふさがり、一斉にコルベットに攻撃をする。

 コルベットに追随するミュールと、ゴンゾーも懸命に戦うが、僕とコルベット達の間に魔獣が割り込み完全に分断された。


 僕の周りは、ミホロと三平太の傀儡しかいない。

 襲ってくるのはゴブリンや、アンデッドボーンなので、強い魔獣ではないが、僕には強敵だ。さらに、周りを囲まれ、傀儡が懸命に戦ってくれているが、さすがにボロボロだ。


「大丈夫、私が守るから」

 ミホロも懸命に流連浄火を撃ち放ち、以前より強力でかなり防いでくれるが、とにかく数が多い。

 僕も応戦するが、次第にHPを削られる。

 傀儡も限界だ、それでも百体以上は倒しただろう、最後は手も足も壊れて動かなくなった。


 僕とミホロは、完全に囲まれた。

 背後にいるルークもゴブリンが攻めてくるので、思うように矢が放てないが、自分のことは差し置いて僕の周りの魔獣に射かけて援護してくれる。

 そばにいる三平太が、慣れない剣を持って矢を射るルークを懸命に守り、ふたりとも、かなり怪我をしていた。


 みんな、僕のために……


 前で斧を振るうゴンゾーが

「コルベット、なんとか正面の豪獣の動きを止めてくれ。俺とミュールはカズヤのところに戻る」

 前に突出したコルベットは正面の豪獣にかかりきりで戻ることはできない。

 さらに、戻るとなると、相手に背中を見せることになり、無防備な状態となる。あらゆる戦で、撤退は最も困難な作戦だ。


「わかった……すまない」

 コルベットは、自分の失策に苦渋の表情でいう。

 こうなると、ゴンゾーとミュールが戻る間、一人で十体の豪獣と他の魔獣を相手にしなければならない。

 さすがに疲れているためか今のコルベットでは食い止めるのが精一杯だ。


「元気ならこの程度、すぐに倒せるのに……」

 コルベットが、歯噛みしながら苦戦している。

 高熱隧道で皆を冷やした魔法でMPをかなり削られ、さらに水着姿なので防御力も下がり、実力の半分も出せていない。これも、カーズの目論見だろう。

 

 ゴンゾーとミュールも、敵に背を向けるのはかなり危険だが構わず、僕のところに戻ってこようとしてくれる。背中に攻撃を受けてHPが減っていくが、かまっていない。

  ミュールの水着姿も見られて眼福だけど、そんなこと言っている暇ではない!


 ここは、僕も踏ん張らないと。だけど、次々とゴブリンが、執拗に襲ってくる。HPが見る間に減っていく。

 もう、残り僅かだ

「くっそー………もうだめかも……」

 そこに、ミホロが

「コルベットさんの、クリスタルでカズヤを全回復する」

 と言ってくれた……そのとき、僕のゲーム脳が働いた。

 そうか、この手があった! 


「ミホロ、だめだ! 」

「どうして! 瀕死じゃない」

「クリスタルのフォーリー・ブライトをコルベットさんに放て! 」

 ミホロが驚いて。

「ええ! そんな」


「やるんだ、ぼくが回復しても、すぐに殺られる。この劣勢を逆転できるのは、コルベットさんだけだ。コルベットさんもかなり苦戦している、MPとHPが少ないからだ。しかも、攻撃力も上がり、コルベットさんなら上手くいけば一撃で倒せる」

「でも」

「一か八かだ、僕が死ぬか、コルベットさんの逆転が早いかだ」

「……わかった」

 ミホロは躊躇しながらも詠唱し、フォーリーブライトをコルベットに放った


 その頃、コルベットは必死で食い止めているが、かなり苦境に立たされている。魔法力も半減いやそれ以下だ。

 そこに癒やしの光が降り注ぐ。

「なんだと……私に! 」

 瀕死の状態の僕をみて。

「ばかなやつ……」

 苦笑いしたあと、全快し、さらにパワーアップしたコルベット


「死っねーーーー!」

 エクスプローションを放つと、一撃で豪獣が沈黙した。

 全快で、さらにホーリーブライトの効果で、攻撃力が五割以上アップしたコルベットは凄まじい。


「カズヤめ! 」

 カーズは毒づいて、フクロウに変身して逃げ出す。

 コルベットは追おうとしたが、僕を助けるため、かまっていられない。

「奴め、いずれ八つ裂きにしてやる………」

 血が滲む穂ほど拳を握り、苦渋の表情で見過ごしたあと、僕の方に振り向いた。


 一方、僕はもう瀕死でHPも1を切っている、コケても死にそうな状況だ。そこに、ゴブリンが襲いかかってきた。

「もう、だめかもーーー」

 そこに、ゴンゾーとミュールが飛び込んできてくれた!


 間一髪だった。

 さらに背後から、コルベットの雷撃と火炎で一網打尽にする。


「危なかった……もう、一撃で死ぬところだった。ありがとう」

 みんなにお礼を言ったが、僕もへろへろだ。ゴンゾーとミュールも撤退の時、背後からかなり攻撃を受けて瀕死で、ミホロも疲弊しているが、みんなのHPを少しずつ回復してくれる。

 戻ったコルベットが、最後の炎弾を放ち、魔獣は一掃された。


 なんとか勝つことができた。


 しかし、コルベットが一人突出せず、連携していたら問題なかっただろう。

 でも、そのことは言わないでおこう。コルベットの気持ちを考えれば……


 カーズは逃げ去り、魔獣は霧散し、荘厳とも言える巨大な空洞内は静寂に包まれた。


お読みいただき、ありがとうございますm(_ _)m


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