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現世に転移している異世界の剣姫に、僕は召喚獣として呼びだされた〜  作者: 猫ノあすき
第三章 目指せ! 遥かなるスワン・ヒル
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8 隕石にあたった!

 

 数日後の放課後、廊下を歩いていると……


「中川くん! 」


 女生徒が中川を呼ぶ声、この学校には中川が五人いる。しかも、この内の一人は軽音のイケメン中川なのだ。

 僕が女生徒から声がかかるなんて、ありえないのでスルーした。


「中川くん! 」

 再び中川を呼ぶ声、念の為、振り返ると……


 なっ……なんと!

 白鳥麗華様が僕を見ているではないか! 


 予想だにしていないことで、僕は脈拍が2百近くになって心肺停止に(おちい)るのではないかと思うほど緊張する。

 まさに、隕石にあたった。


「はっ!…はい」

 まるで、二等兵が最高司令長官に呼び止められたくらいの直立不動で、思わず敬礼しそうになった。


 麗華は涼やかな表情で

「ストレイン・ワールドではカズヤと名乗っているそうね。カズヤ君でいい」

「はっ!!はい、結構でございます」

 いきなり名前とはもったいない。麗華様に声をかけていただけるなら、私など、ゴミ、クソ、カスと呼んでいただいても、全然構いません!


 一方麗華は気さくに

「それで、どうでした、ポーは」

 そうだ、あのポーの話を伝えていなかった……というか、とても僕から声をかけるなど、恐れ多い。


「はっ! はい。洞窟に軟禁状態でしたが。お元気でお過ごしで、あらせられました」

 緊張して変な敬語になってしまった。


「それは以前、早瀬君から聞いたわ。軟禁状態ですってね。早く、戻ってなんとかしてあげたいのだけど……」

 いきなり早瀬の名前が出て焦った。

 ただ、麗華は寂しそうにポーのことを言うので、本当に心配しているようだ。ひょっとして、麗華はポーの事が……なんて嫉妬心ばかりしか思いつかないとは、なさけない。


 僕は続けて

「それから、ラ・ムーアがもうすぐ復活して、王都が大変になるとおっしゃって、おられました」


「ええ! ラ・ムーアが……」


 麗華が珍しく取り乱し、蒼白な表情をする。

「やはりそうか……でも、早瀬君はそのことは話してくれなかった。というか、ポーは早瀬君には言わなかったのか……」

 ブツブツと考え込んだあと


「だとすれ本当に時間がない、早くスワンヒルから脱出したいけど……こうなったら、カズヤ君しか望みはないのかも。それで、ポーは話したのかもしれない」

 独り言のようにつぶやいている麗華。しかも、こんなに焦る麗華は見たことがない。


「あの-……白鳥さん」

 考え込む麗華に声をかけると、われに帰ったようで


「ああ、ごめんなさい。それより、剣のことを何か話していませんでしたか」

 そのことを言われると、僕は申し訳なく


「それが………剣の柄をとってしまって……」

「剣の柄を取った……」

 一瞬、唖然としたあと

「ほんとに……マジで!……アハハハ! 」


 麗華はお腹をおさえて笑い出した。

 普段は「オホホ」笑いの麗華が「アハハ」笑いをしたのは意外だった。スワンヒルの豪快なレイカみたいで、少し親近感が持てる

「何かの勇者みたいに、抜けるとでも思ったの。早瀬くんも抜こうとしたけど、ダメだったと言ってたし」


 僕は、うつむいて何も言えない、麗華はひとしきり笑ったあと

「わかったわ。ならば、その柄をカズヤ君にわたすようにポーに言って」

「それが……ポーさん、ぼくに渡してくれたのです」


 麗華は「ほほーー」とうなずくと

「さすがポー! わかっていたんだ」


 感心しながら言うのだが、僕はまだポーのことをよく知らない

「ポーさんって、白鳥さんと、どういったご関係で、あらせられるのでしょうか」

 相変わらず舌を噛みそうな、(いびつ)な敬語になってしまう。


 すると、麗華は宙をあおいで、思い返すように。

「大賢者よ、私の大切な人。まあ、先生といったところかな」

 ええーーここに至ってさらにライバル出現か! 

 でもあの人は女性っぽいし、大人だし、これは強敵だ。


 そんな僕の思いを麗華は察してか

「まあ、私に告白してくれた人の前だから、言っておくけど。心配しないで、あのひとは大丈夫だから」

 

 大丈夫って、どういうことなんだ。

 身内でもないようだし、結婚している感じでもない。先生と言っているが、先生だって場合によってはライバルだ。ついでに早瀬とのことも聞きたいけど、初めて声をかけてくれたのに、そこまで突っ込むのは図々しい。


 でも、ここまで気さくに話してくれる麗華。というか女子と話したことが記憶にない。この状況を、妹や三平太に見せて自慢してやりたいぞー


 しかも、これは僕が召喚獣だと告白するチャンスかも……


 そのとき、校内放送で

『中川和也君、至急職員室へ』


 突然の呼び出しだ。

「中川くん、呼び出しだよ。早く行ったほうが」

 うう……残念だけど、麗華にも言われると行くしかない。でも、また話のできるチャンスはあると確信できた。


「はい、わかりました」

 僕は、相変わらずかしこまって返事をすると、麗華は笑顔で見送ってくれた。 

 その後、職員室で担任の先生から聞いた話に、耳を疑った……



 父さんが、公共工事をめぐる官製談合で逮捕された。


お読みいただき,、ありがとうございますm(_ _)m


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