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現世に転移している異世界の剣姫に、僕は召喚獣として呼びだされた〜  作者: 猫ノあすき
第三章 目指せ! 遥かなるスワン・ヒル
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1 僕とレイカと妹

再び本筋の和也視点に戻します。冒険、バトル、ラブコメ、盛りだくさんのエンタメにしたいです。

 僕はレイカと通天回廊(つうてんかいろう)に挑んで死んだあと、スワンヒルの泉で復活して一ケ月が過ぎた。


 レイカは通天回廊を攻略できたのだろうか。

 スワンヒルに帰っているということは、だめだったのか。直接、麗華(れいか)に聞ければいいのだが、リアルで接点のない僕には、聞く(すべ)はなかった。

 さらに、僕が伝えようと思っていたモフモフ復活の方法は、なぜか早瀬に伝えられてしまい。あれから、早瀬と麗華の仲が急接近している………ようだ。


 早瀬はほとんど毎日、僕の教室に来て、あたりまえのように麗華の横にくる。なんとなく、まわりも気をつかって、麗華と早瀬を邪魔しないようにしている感じがする。

「いらぬ、気づかいはやめろ! 」

 と、言ってやりたい………男子は、僕だけではない。


 そんな早瀬は、全校生徒のアイドル、憧れ、女神様ともいえる白鳥麗華と親しくして、やきもきしている男たち(女子もいる)を、見下しているように見える

「そんなことで優越感に浸るとは、なんて小さい男だ! 」

 と、言ってやりたい………男子は、僕だけではない。 


 しかし、なぜ早瀬は、モフモフ復活の方法を知っていたのか、問い詰めたいと思うのだけど。

 あいつは僕より背が高く、回りの男子も運動部のキャプテンとかイカス奴ばかりで、とても僕など近寄れる雰囲気ではないし、怖くて、そんなこと出来ない。


 どうしてゲーム内では勇気があるのに、リアルのぼくは臆病なのか……

 それは、簡単な話だ。


 ゲーム内では、死んでも生き返る。


 人間、何があっても死なないとなれば、何でもできる。好きな人を守るため、極悪人と戦うこともできるのだが………働く必要がないし、銀行強盗してもいいし、告白して振られた相手を腹いせにレイプして死刑になっても、死なないのだ。

 しかしここは、あくまでリアル、幻想と混同してはいけない。誠実さと、何が起ころうともポジティブに考える、能天気お人好し思考だけが、僕の取り柄(?)なのだから。


 こうして、いつもと変わらない日々を、教室の片隅で三平太と二人で過ごし、白鳥麗華を心の女神様として遠くから見つめるだけで、いつのまにか高校生活を終えるのだろう。

 まあ、召喚獣で、レイカのそばに居られただけ、ましなのかも。


 でも、麗華が僕を見る目は、相変わらず冷たい。さらに、なぜか最近、他の女生徒も僕を見る目が冷たいような気がする。


 ちなみに、召喚のお呼び出しなのだが………

 スワンヒルの泉で生き返って以降、極端に少なくなった。というか、この一週間まったくない。

 用なしなのか、やる気がないのか、ゲームに飽きたのか………考えたくないのは


 早瀬と仲良くしてゲームをする時間がないのか……


 うまく行かないときって、その理由をいろいろと妄想してしまう……それは、元気を出そうと思って、食べすぎて消化不良を起こすかのように、いろいろ考え過ぎて、いらぬ結論ばかりが下痢のように出ちゃうのだ。


 ◇


 こうして毎日、悶々(もんもん)とした日々を送っていると、ある日、普段あまり話すことのない妹の結衣(ゆい)が、珍しく話しかけてきた。


「ねえ、お兄ちゃん。ストレイ・ワールドってゲーム、やってるよね」


 意外にも突然ゲームの話を始める結衣だが、僕も早く風呂に入りたいので

「まあーな」

 そっけなく言う。


 結衣は一学年下の妹で、僕には普通にしか見えないが、結構というか、かなり可愛い……らしい。男子からもお誘いがあるようだが、本人は麗華にゾッコンで、僕が兄と知られたくない妹は、学校で絶対話しかけるな、と言われている。

 そんな結衣が風呂上がり、パジャマ姿で髪を拭きながら。


「実は、聞いちゃったのよね。レイカ先輩と早瀬さんが、そのゲームの話をしているとこを」

「えっ! 」

 思わず反応すると、餌を投げて魚が食いついて「かかった」といった表情で


「それで、私もやってみようかなー、なんて思っているのだけど……でもお兄ちゃんとは、絶対にパーティーとか組まないからね」

 そんなこと聞いてない。

「でも、レイカは、僕らがいるエリアにはいないぜ、天界という誰も行ったことのない場所にいるんだ。会うことはできないぞ」


「ええ! そうなの。会えないのなら、ゲームしても無駄かー……」少しやる気が失せたようだが 

「でも、早瀬さんもかっこいいね。早瀬先輩って、ゲームではなにしてるの」 

 おいおい、おまえ麗華LOVEなら、恋敵だぞ。

 でも、そういえば、北の関所の討伐以来、早瀬とゲーム内で会ったことはない。どこにいるか聞かれても、答えられなかった。


「もう、頼りになんないなー………」

 急にいつもの愛想のない妹に戻る。まるで、大物を釣るつもりが小魚を釣ってしまい、リリースする感じだ。

 しかし、麗華と早瀬は二人で何を話していたんだ、気になるが、詳しいことはわからないらしい。


「それより、ゲーム機器は結構高いぜ」

 結衣が、あまりお金を貯めていないのを知っているので、老婆心で忠告したが

「大丈夫だよ。お父さん、課長に昇進して給料あがったから、今度の誕生日に買ってもらうんだ」


「ええ! そうなのか。羽振りがいいな」

「そうみたい。お父さん、この前も、接待されて高級料亭に行ってきたって、自慢してたよ」

 そういえば最近、親父の帰りが遅いのは、そういうことなのか。


「いいご身分だな。まあ、中卒で役場に入って、これまで苦労してきたようだし。やっと小さいながらも花がひらいたってことかな。僕らのお小遣いも上りそうでラッキーだけど」

 僕はシャツを脱ぎながら言うと、結衣は話を聞いてないようで、台所でジュースを飲んでいた。


 力の抜けた僕は、ため息をついて風呂に入ろうとすると、妹の下着が脱ぎ散らかしてある

 他の男子からすれば鼻血ものの光景かもしれないが


「結衣、脱いだもの洗濯機に入れておけよ! 」

「あー ごめん、ごめん、お兄ちゃん入れといて」


 無頓着な妹だが、モフモフのときにレイカの裸を見ているのと同じような気分で、妹の下着を見ても、ほんとに、汚れ物としか思えない。

 僕は可愛い花柄の、おパンツを指先でつまんで、ゴミ箱に捨てるように洗濯機に放りこんだ。


 その後、久しぶりにレイカの召喚を受けた。


お読みいただき、ありがとうございますm(_ _)m


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