6-2 晩餐会(ポーの懸念)
レイカは、集まった客人たちとの謁見が終わると、隅で控えていたポーの元に戻ってきた。
少し疲れた様子で
「集まった、客人も変わってきましたね」
「そうですね。以前は、呼ばれなかった辺境の成り上がりの富豪ばかりです。どうも、オーク家に金を積んでこの席にきているのでしょう。このパーティはある意味、オーク家の資金源です。レイカ姫はエクアドルの第一王女で、人気がありますから、お会いして知り合いになりたいのでしょう。体のいいアンバサダーですね」
「そのことは、気にしていません。オーク家は大切な身内、ミランダ様も子供ころから、仲良くしてもらっています。私で力になるのであれば、この程度のことおしみません。でも、良からぬ噂を聞くので……」
レイカはオーク家のためと思い、承知の上で来ているが、頭首の病気、アシュルムの放蕩に、ミランダが苦労している噂を聞き、気に病んでいる。
「最近は、オーク家から離れる騎士や家臣が増えているようです。アシュルムは領地の面倒もみず、思い租税をかけるので、逃げ出して、他の領地にいく農民も絶えないようで、その家臣や農民などをうまく召し抱えて、ガイア教ともつながり、周りの豪族が力を伸ばしているのようです」
ポーの話にレイカは目を伏せながら
「ガイア教がオーク家にとり居ているとのうわさもあります。ミランダ様に何かなければよいのですが。頭首様のご病気も心配ですが、ミランダ様は、他人を疑うことを知らない無垢なお方、人が良すぎるところがあります」
「それもあって、今回来たのですよね」レイカがうなずいたのを見て。
「ただ、ガイア教の手の者が、レイカ姫を危険視しています。今レイカ姫になにかあれば、他にガイア教を抑える者がいません。私もお守りしますが、気を付けてください」
「わかっています。さきほど、商人にも言われました。そういえば、サグリンがこの城に来ているとも」
「サグリンが……」
さすがに、ポーも考える。
「商人の言葉ですよね、本当なのでしょうか。しかも、レイカ姫とガイア教が敵対していることを知っているとは」
「嘘を言っているとは思えませんが」
「しかし、商人と話をされたのですか」ポーは、不満そうな表情で
「商人は、嫌う者が多いです。自分は何も生産せず、他人が作った物を安く買いたたき、高く売る。物を右から左に動かすだけで、金が湧いてくるのです」
めずらしく、ポーが愚痴るように言うと、レイカは人差し指を顎の下にあてて、少し考えた後
「でも、それって大事なことのようにも思うけど……」
「まあ、そうですね」そっけなくポーが答えたあと
「それで、商人は、他に何か言ってましたか」
「ギルドを組織するから、許可書にサインしてほしいと言うから。サインしたの」
ポーは訝りながら
「安易に、サインされるのは……どうかと」
「サインの但し書きに。私を代表責任者にすること、って書いといたわ」
抜け目ないレイカに、呆れながらも感心して
「まったく、姫は何をお考えなことやら。でも、その一筆が、いつの日か、レイカ様を窮地から救ってくれるような気がします」
「そうなの」
「ただの勘です。最良なことより、最善をつくされるレイカ様の誠実な行動は、短期的には効果がなくても、失敗したように見えても、長い目で見れば良い方に向かうと思うのです」
「うーーん、ちょっと引っかかるけど、まあいいか。褒め言葉として聞いておきます」
ポーは笑顔でうなずいた。
そこに、晩餐会の会食の準備が整った呼び出しがされた。
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