7章 王国マリア編 5話 旅の準備
冒険者ギルド出て1軒目の商店で、マリア達3人の普段着や日用品を購入するが選ぶのに時間がかかる。
「まだ選んでるよ・・・・女の買い物ってこんなにかかるのかな・・」
今は店から出て、店の前で彼女達の買い物が終わるのを待っている状態だ。
「「「待った〜???」」」
「いや・・大丈夫だよ」
それから2軒目で、俺の服を買うことになったが俺の欲しいのが選べない。
「おっ?コレにしようかな?」
「ダメよハル・・その黒色の服持っているでしょ?」
隣からマリアがダメ出しをしてくる。
「えっ?そうかな?」
「そうよ!私達に任せなさい」
そう言ったマリアに続き、アルシアとシェルが俺の服を選び始めてしまい、俺は着せ替え人形になり店内で身動きが取れなくなった俺を店主が笑って見ていた・・。
やっとのことで彼女達の服選びが終わり、3軒目へ移動し旅に必要な物を購入することにした。
「ハル・・テント大きくせぬか?」
「テントを?今ので十分じゃないか?」
シェルが不意に聞いて来た。
「野営はいつも馬車で寝ているであろ?だから、4人で寝るのがいいと思うぞ?」
「そうかな・・」
するとマリアとアルシアもシェルの話に賛成のようで、大人が7人が余裕で寝れる大型テントを買えと騒ぎ始めたため、勢いに負けて了承した。
「他には何か必要なのある?」
「これも欲しいの・・・・」
マリアが毛布を抱えて近付いて来る。
「毛布か、そろそろ買い替えようかと思っていたし・・・・大きくない?コレ」
「うん・・ダメ?」
マリアのモジモジする姿を見て即決してしまう俺がいた。
「それじゃ、足りなかったみんなの寝袋も買ったし次の店に行こう」
途中で昼食を出店で購入し広場で食べた後に4軒目に入った。
ここの商店は、掘り出し物がありそうな雰囲気が漂う店内で、値札を見ても相場より高く感じた。
しかも、店内にいる客は俺達だけで、他に客の姿はなく店主が無言で聞きたいことも聞けない・・。
「ハル、このポーチ可愛くない?」
マリアが革製で花柄デザインのポーチを見せに来る。
「マリアに似合うね。でも、小さくない?」
パカっとポーチの口を開けてると、ポーチの中は暗く底が見えない。
「・・マジックポーチだよ」
今まで無言だった店主が急に、ボソッと口を開いた。
「えっ?マジックポーチなの!!」
マリアが驚き反応する。
「マリア!これは買いだよ!」
「でも、値段が・・・・」
マリアが値札を見せて記載された値段は、金貨100枚
「きっ・・金貨100枚か・・マスターこのポーチの容量は?」
「・・・・今は、大きなカゴぐらいかのぉ。付与した魔力次第で際限なく拡大できるぞ・・」
「すげぇ・・試しても?」
「好きにせぇい。並みの魔力なら諦めることじゃ」
「わかった。マリア、そのままポーチを持っていて。
マリアの背中に周り、背後から抱き込むようにしてマリアの手に触れて鑑定スキルを発動し、マジックポーチのステータスを見た。
ステータス
品名 マジックポーチ
登録者 無し
容量 網カゴ1個分
固有スキル 空間内時間停止 自動生産 容量拡張
「初めから物凄いポーチね」
「そうだね・・俺の魔力をマリアを介して流してみるから、ちょっと耐えてね」
「わかったわ」
マリアの体に俺の魔力を流し体内に循環させた後にマリアからポーチへ魔力を流しこむ。
「んっ・・体中にハルを感じるわ」
「もっと強く流してみるね」
「はぁ・・はぁ・・もっと・・きてぇ」
体温が上がり汗ばんでいるマリアの様子を伺いながら、強めの魔力をマリアを介してポーチに流しきって止めた。
「ふぅ・・・・」
「お・・お前さん、ただならぬ魔力の持ち主だな。これなら莫大な量の荷物を収納できるぞ」
「ハ・・ハルゥ〜」
甘い声を出しているマリアを抱き抱えたままポーチのステータスを見る。
「マリア、終わったからポーチのステータスを見てみよう」
ステータス
品名 マジックポーチ
登録者 マリア=スパイラル
容量 無限大
固有スキル 空間内時間停止 自動複製生産
「マリア、とんでもないマジックポーチができたな」
「コレって、どういうことなの?」
「好きなだけ収納できて、食料を入れたら入れたままの状態で保存できるし収納した物を自由に増やせる見たいだ。俺のアイテムボックスよりチートだぞ」
マリアは顔を見上げ呟く。
「・・凄いね。あの2人以外には秘密にしないと」
「あぁ、そうだな」
俺は、店主に金貨100枚を支払った後に外見だけ似たようなポーチを2つ買ってからマリアのポーチに収納してもらった。
「マリア、なんか変化ある?」
「待って・・・・・・あっなんかできたかも」
そう言ってマジックポーチに手を突っ込み、先ほど入れたポーチを取り出し俺に見せる。
「ハル、鑑定して見て」
「あぁ、そうだね」
ステータス
品名 マジックポーチ
登録者 無し
容量 無限大
固有スキル 空間内時間停止 容量拡張
「おぉ、マジか・・」
「どう?」
「マリアのマジックポーチ並みの性能になっているよ」
マリアは笑顔になる。
「凄い・・コレ、アルシアとシェルにあげてもいい?」
「もちろん」
「ありがとう、ハル」
その頃に、アルシアとシェルがマントを手にして嬉しそうに戻って来た。
「なんか嬉しそうだね」
「ハル、このマントが凄いんだ。買っていいか?」
アルシアが珍しく欲しい物を主張したため、どんな物なのかと聞くと早速見せてくれた。
「・・ハル、いくぞ!」
持っていたマントを被るアルシアとシェルが、スゥーッと姿を消していき存在が分からなくなった。
「す・・すごーい!」
隣にいるマリアが興奮状態になっている。
「ハルの隠密スキル見たいね」
「だね・・マリア、こっちおいで」
マリアの体を寄せて、俺は隠密スキルを発動した。
「ななっ!マントを持っていないのに、ハルとマリアが消えてしまうとは!」
そして、店内で隠れんぼ大会を楽しんでいると店主から怒られてしまい、仕方なく隠密スキルを解除してアルシアとシェルが持つ隠蔽マントを購入し店を出た。
「次は食料とポーションの買い出しだな・・もう夕方だし、マリアとシェルでポーション類を買って来てくれ」
マリアに金貨50枚を渡し俺とアルシアで食材を買いに行くため別れ、1時間後に冒険者ギルド前での待ち合わせを決めた。
約束の時間ギリギリに冒険者ギルド前に着くと、マリアとシェルが男冒険者パーティーに絡まれている様子だったが、俺を見つけた2人が笑顔になり隙をついて俺にやって来た。
「ゴメン、遅くなった」
「もう、あの冒険者がしつこかったんだからね」
抱き付くマリアの頭を撫でながら男達を見ると、俺を睨みながらギルド内へ消えて行くのを見送り警戒を解く。
「さぁ、宿屋に帰ろう」
そう言い、遠くの空に沈む夕陽を見ながら皆で通りを歩き宿屋へ向かった。




