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6章 帝国編 5話 エルナとの旅・・からのパーティー登録


 帝国地方都市フカヒーニに辿り着いた俺達の前には異様な光景が広がっている。


 10を超える数の馬車が列を成して街に入るのを待っているのが辛い。

 その馬列とは違う列に馬車を並べ順番待ちをしていると後方に並ぶ男達の会話が聞こえ、どうやら大商人の馬列らしく他国の商品を運ぶ時だけあれだけの数の馬車で動くらしい。


 やっと俺たちの番になり昼前についたはずなのに街に入れたのは、昼をかなり過ぎた時間帯だった。街に入り初めに馬車を預けて、今夜の宿を探す。もちろんエルナがエルフとバレないよう対策をして。


 この街の宿屋は門を入ってすぐの場所にあった。受付には年配の男がいて、3人1泊で金貨1枚と銀貨5枚を支払い鍵を受け取り3階へ上がり部屋に入る。


 泊まる部屋には3つのベッドが置いてあり、エルナが真ん中でアルシアが窓側で俺が壁側のベットで寝る振り分けに決まり一休みした後に昼飯と夕飯を兼ねて宿屋を出て飯屋を探す。


「そういえば、2人は何才なの?」


「エルナは人族でいえば15才かな」


「私は、17才だ・・うそじゃないぞ・・うん」


「そっか、俺が18だから酒場でもいいかな?」


「うん。(いいぞ)」


 通りを歩きながら飯屋に行く予定を俺の希望により酒場へ変更し、笑い声が聞こえる方へ向かうと大声で話す男達がいる酒場を見つけた。


「いらっしゃい!奥の空いてる席へどうぞ!」


 女性店員が入り口まで迎えにきて席を案内してくれた。


「ご注文どうぞ」


「えっと〜夜のオススメを3つとエール3つで」


「はい!お待ちくださいね〜」


 注文を受け付けた女性店員が、軽快に調理場へ戻りしばらくしてエール3つを運んで来てくれた。


「お待ちどうさま〜!ごゆっくりどうぞ〜」


 エールを置き他の客のところへ向かう姿を見送った後、3人でジョッキを軽くぶつけ合いエールを流し込む。


「うま〜い!((おいし〜))」


 久しぶりのエールを空腹で飲んだエルナとアルシアは、少し顔が赤くなっていることを伝えると俺も同じだと言い返されて3人で笑ってしまう。


 タイミングを見計ったようにテーブルにオススメが並べられる。


「今夜は、カットステーキと野菜を秘伝のタレで炒めたのと自家製スープです」


 秘伝のタレは少し甘めだったけど、癖になる味付けだった。それからエールを4杯ぐらい飲んだ辺りに酔っ払いの集団が入店して来て、俺達の隣の席に座る。


 隣に座った酔っ払いの男達は、大きな声で喋るが周囲の客に絡む様子がなかったのが救いだったが、声が大きすぎて嫌でも彼らの会話が耳に入ってくる。


「なぁザルよ!すげぇ情報だ。俺は、アコル大商人の雇われ護衛でスパイル王国からこの帝国にやって来たんだよ。そしたらよ、王国に勇者様が召喚されていたんだよ」


「ギランよ・・それは本当なのか?」


「あぁ・・まじだ」


「・・・・そうか。ならもう・・魔王が復活する兆しがあるってことだよな」


「そういうことだな。大昔のように魔族との戦争が近いということか」


 横目でみる隣の席の男達の表情は暗い感じだったが、ザルと言う男が顔を上げて思い出したかのように口を開く。


「あっ・・そういえば!あの王国に低ランクでとんでもなく強い冒険者パーティーがいるのを知っているか?」


「低ランクなのに強い冒険者パーティー?知らないな・・」


「王国内の冒険者達からは、シスターズと呼ばれているらしい・・正確には獣人シスターズなんだが」


「は?王国は獣人が冒険者登録できるのか?奴隷じゃないのか?」


 獣人と聞いたギランという男が目を見開き驚いている。


「通常は不可能だ。だが、獣人の(少年)がどうやらバレないように登録したらしい。しかも、ここしばらくはその(少年)を見かけた奴は皆無だとさ」


「だけどよ・・どうやって獣人が活動を続けられるんだ?」


「これがまた、2人の女が後衛でいるらしいんだが、一切討伐に参加せず獣人4人で活動している不思議なパーティーなんだよ・・・・」


 男達の会話の内容に夢中で聞いていると、会話に反応しなかった俺の頬をフォークで突いてくるアルシアに注意されたところで、男達の会話fが聞き取れなくなった。


「ちょっと!ハル聞いているのらぁ〜?」


「・・ごめんごめん、ボーっとしてた。なんだっけ?」


「だから〜エルナの村にアルシアを連れて行くかだよぉ〜」


 プクっとほっぺを膨らませたエルナがジト目で見ていて、いつの間にかエルナとアルシアができあがっていた事に今更気付く。

 

「そうだね、アルシアがいいならいいんじゃない?」


「そうか〜いいのかぁ〜これからもぉ〜よろしくなのらぁ〜!・・ヒック」


 エルナとアルシアが酩酊1歩手前までの状態に陥っていたため、テーブル席で料金を支払った俺は足取りが覚束ない2人を抱き抱え店を出て宿屋に帰りつき狭い階段で抱き抱えた時の柔らかい感触を感じながら部屋まで運んだことは2人には内緒にしておこうと心に決め眠りにつく。



「「ゔぅ〜頭いたぁ〜い・・気持ち悪いよ〜」」


 翌朝の2人は、予想通り二日酔いになりベッドで苦しみ悶え昼過ぎまで出ることができず、ようやく落ち着いたところで、俺の思いつきで3人でパーティーを組むことになりギルドへ向かう。


 ギルドに入ったところで、エルナから亜人のため冒険者登録できないと告げて来たが、俺の偽装工作により滞りなくFランク冒険者として登録できたエルナが大喜びしていた。


「ありがとう、ハル」


「エルナ、これで俺と同じFランク冒険者だな」


「・・なんか疎外感を感じるのは気のせいなのかな・・」


「まぁまぁ、アルシアは俺らより上位冒険者様だろ?これからもよろしくな」


「ん〜ハルに言われても、嬉しくないぞ・・」


 そして、3人冒険者となったことでパーティー登録することにした。パーティー名は・・素人名人会。アルシアのゴリ押しだ・・。


 登録が終わりギルドを出た足で商店に立ち寄りアルシアとえルナは生活品や馬の餌を買い揃え、俺は野営グッズや2人に渡す物を買い揃え、中央広場で合流し宿屋に戻り明日の出発に備え早めに寝ることになった。


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