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5章 王都マーカー編 8話 意識ない空白の時間②・・そして

短めです。

サブタイトルが半端ですいません。

変更するかもです。


 ミオが俺の空白だった時間の続きを話してくれた。



 ご主人さま、わたしが不審者からの妨害から撤退し夜明けを待って追手がいないことを確認した後に、お昼前ぐらいに宿屋の部屋に戻ってみんなと合流しました。


 部屋に入ると顔色が悪いリルとクウコがかなり取り乱していて、リサさんとカラさんそしてルーシーさんが落ち着かせようと必死でした。


 わたしも3人に加わり2人を落ち着かせようとしていたら、突然リルが動きを止めて叫んだんです。


「見つけた!」


 そう叫んだリルに同調するかのようにクウコと一緒に部屋の窓から外へ飛び出して行きました。そして、獣人族のわたしとミリナも後を追うように窓から部屋を出て、リルとクウコの背中を追いかけました。


 街の家の屋根を走り、追いかけて行くと広場に大勢の人たちが集まる光景が目に入りました。予想外の光景だったのか、広場に一番近い家の屋根でリルとクウコが止まっていたのでなんとか追いつき、4人で状況を伺うことになったのです。


 リルは、この広場に絶対にご主人さまがいると言い、4人で広場を見渡し探しましたたが発見することができず焦りを感じている時に風に乗って、わたしたち4人の名を呼ぶ声が聞こえたのです。


 ですが、いつもの聞き慣れた声じゃない違和感があるのに、胸に響く愛おしさが相反している中で黒髪黒目の少年が処刑台で拘束されていたのが見えました。


 その光景にわたしたち4人は、何度も顔を見合わせては少年の方を見ました。そして、その時にあの最後の懺悔と言われた後にあの声が聞こえたのです。


 忘れもしないご主人さまの名前と・・いつもわたしたちに聞いてくれるあの言葉を聞いて4人同時に飛び出して、ご主人さまの元へ行きました。



「そうだったな・・意識を失う直前に聞いた言葉がミオ達4人が俺の名前を呼んでくれた時だったもんな・・」


 俺は、隣に座るミオの頭を撫でると、ネコ耳が倒れ気持ち良さそうな表情になり、撫でるのをやめるとミオは話を続けてくれた。


 ご主人さまの元へ駆け出したわたしたちは、人の頭や肩を足場にして一直線にご主人さまがいる場所へ距離を縮め、立ちはだかる騎士達を先頭のクウコが魔法で蹴散らし、1人残った勇者がリルと対峙して問い掛けてました。


「君達は、どうしてそんな男のために動くんだ?」


「・・私達の生きる全てだから」


 その間にわたしとミリナで拘束されたご主人さまの腕のロープを切って開放し、処刑台から降りて広場から立ち去ろうとした時にリサさんに呼び止められたのです。


「ミオちゃん!」


「・・リサさん!カラさん!一緒に・・」



 ですが、リサさんとカラさんは首を振り拒否されてしまいました。



「どうしてだ?」


 思わず俺はミオに聞いてしまった。



 「それはですね・・拒否されたことが理解できず、わたしはリサさんの元へ行こうとした時に2人の背後からトニーさんが姿を現したのです。その・・リサさんとカラさんは、何かに怯えているようでいつもの2人ではありませんでした」


「・・そうか」



「ご主人さま!申し訳ございません!!」



 突然、隣に座っていたミオがソファから立ち上がり、目の前で頭を床に強く擦り付けながら謝り始めた。


「ミ・・ミオ?どうした?」


「わたしたちは、リサさんとカラさんをあの場に置いてきてしまいました」


「それは、俺を優先した結果だろ?」


「・・ですが・・ですが!・・取り返しのつかないことを・・・・してしまいました」


 ミオは全身を震わせ泣き叫ぶように俺に謝罪をしてくる。


「ミオ、取り返しのつかないことって?


「・・そ・・それは・・・・」


 なかなか話そうとしないミオの姿を見て、俺は視線をアイナに向けると目があったアイナが視線を逸らして俯く。


「アイナ・・リサとカラに何があったの?」


 しばらく黙ったままの2人に苛立ちを覚え始めた頃に、アイナが俺を見て告げた。



 「ゴメンなさい。私は、騎士団の警備計画で広場から離れた場所を警備していたんだ。近くにいたら、状況は変わっていたのかもしれない・・。最近新設されたらしい、機動偵察隊所属の騎士がリサさんとカラさんを処刑台に連行して・・それから・・・・」



「ま・・待ってくれ・・その機動偵察隊の騎士って、まさか・・」



「はい。ご主人さま・・トニーさんです」


「なっ・・・・」


「そのトニーという騎士が、拘束した2人を処刑台で公開処刑にすると宣言し・・・・」



 この先のアイナの言葉の続きを・・なんて告げていたのか記憶が無い。


 告げられた内容を記憶から消し去ったのか、それとも聞き終える前にあの場から逃げたかどうかの記憶が、今の俺には無い。



 

 だが・・・・今は、それでいい・・・・・・。




 気付きた時には、ただ1人で王都マーカーが見える丘に立ち尽くし、ただ強大な権力の象徴となっている王都中心にそびえ立つ王城を睨みつけ呟く。




「お前らには死を・・破壊を・・消滅を・・・・」


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